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天の真は花を繚う  作者: METEO
第一章:学園事件編
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朗報と不都合、そして

文字数少ないしもうそろそろブーストかけなきゃ...

「ほらほらどうした〜お姉さんのサービスシーンだぞ〜」

「透明になってるとはいえ抵抗感とか無いんですか?さっさと着替えてください」


未だ姿の見えない先輩はそう気楽に呟いた。彼女の「適性」は『透化』であり、体を透明化させる魔法「雲に紛れる体躯(くもがくれ)」が使えたはず。とはいえ服までは透明にできなかったはずなので、先輩は今服を着ていないということになる。そのため、机の上に散らかっていた制服を指差し着替えを促した。


「はぁ...2度と人前でそういうことしないでくださいね。先生に見つかれば即生活指導行きですから、先輩の成績だと退学にされかねませんよ?」

「大丈夫だって〜基本的に君以外にはやらないし」

「僕にもやらないでください。迷惑なんで」


僕が先輩に話しかけている間、机の上からひとりでに制服が宙を舞い、あたかも見えないマネキンに服を着せるように人の形にまとまり、最後に靴が地面に置かれると、他の生徒と比べて小柄な体つきをした茶髪の宵崎先輩が制服を身に纏った状態で現れた。


「さて、からかうのも終わったことだし本題に入ろうか」

「最初からそうしてください」

「望門君の適性を判断する方法が分かった、って言ったら?」

「...!!まさか、本当に!?」


いつもはおちゃらけている先輩のことだ、どうせ呼ばれた件についても大したことがないものだと思っていた。でも、予想に反し先輩は真剣な表情でそう言った。


大抵の場合、魔力を持っている人間は、「回路」と呼ばれる機械に魔力を流し込むことで魔法を使う事ができる。先程宵崎先輩が使った魔法も、おそらく髪の中に隠してあった回路に魔力を流して発動したものなのだろう。


しかし、魔力には「適性」が存在し、例外はあるが適性が分かるまで魔力を操ることは難しい。僕の場合は魔力の適性を判断する機械に魔力を流し込んでも──────適性を判断できなかった。そのために、僕は魔法を使うことが難しいのだ。親友二人はそのことを気遣ってくれているのか、基本的に僕の前で魔法を使うことはない。


「まぁ、学校でできるわけじゃないけどね」

「?...それは、どういう...」

「結論から言うと、天立向研究所に行くのが一番早いかなって」


だが先輩が掲示してきた案は、僕にとってはかなり都合の悪いものだった。




「────というわけなんだが...どうすればいいと思う?」


一度提案されたものをどうするか考えるため、図書室を出て扉の前にいた3人にこのことを伝えた。


「望門の適性が分かるのであれば行くべきだと私は思うが」

「望門には世話んなったしなぁ、俺も行くことを勧めるぜ」


思った通り、親友二人は研究所に行くことに賛成のようだ。だが、社という存在がいる以上下手に動くと思わぬ方向に事態が進んでしまうかもしれないと思い、念の為社に意見を聞くことにした。


「...社はどう思う?僕は正直、研究所に行きたくはないと考えてる」

「うーん...でも、なにか望門さんにとって良いことがあるなら私は行くべきだと思います。まだ知り合って間もないとはいえ、私が枷になっているのだとすればあまり気にしなくて良いですよ」


親友二人にはまだ事情を話していない。そのために少し分かりづらい話し方をしたが、社はしっかり意図を汲み取ってくれたようだ。とはいえ、社が賛成派なのは意外だったな。研究所に追われている身からすれば安全が第一だと思うんだが。


「なんにせよ、全員が賛成したからには行くしかないか。僕を気遣ってくれたんだろうけど、もっと自分の意見言ってくれても良いんだよ?」

「...望門、気づいていないのか?」

「え?」

「忍、こいつは駄目だ。完全に分かってねぇ顔してんぞ」

「望門さんって鈍感だったんですね...」

「は?え、ほんとに何!?」


少しからかったつもりだったのだが、何故か社も含めた全員にそう言われてしまった。心当たりがないために余計混乱しながら歩いていると、ようやく学校の校門が見えてきたため、親友二人と別れ帰ろうとする。


「ほんと何なの...じゃあ、僕達はこれで」

「あの、望門さん」

「ん?どうした?」


ちょうど武尊と忍と別れ社を連れて帰ろうとしたタイミングで、社が歩みを止め僕に呼びかけてくる。研究所のことで相談だろうか?と思っていたら忍と武尊がそのことについて話を始めた。


「...そういえば先程、一度3人で話し合わないかと相談されていたんだ」

「俺達も天宮ちゃんのことはよく知らねぇしな。望門は先に帰っててくれるか?」


どうやら僕が図書室で先輩とやり取りしていた際に決めていたようだ。この二人は社に危害を加えることはほぼ無いと思ったため、了承の意を込めて僕は返事をする。


「まぁ、そういうことなら別に良いけど。くれぐれも校舎裏とかに連れて行くなよ?」

「いくら俺の素行が悪いからって流石にしねぇよ」

「いや忍に言ったつもりなんだけど。雰囲気がインテリヤクザっぽいし」

「私か!?...はぁ、本当望門はからかうのが好きだな」

「はは、悪いな。それじゃ、僕は帰るとするよ」

結構人物増えて来ましたし、本格的に話を進めていきます

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