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天の真は花を繚う  作者: METEO
第一章:学園事件編
15/23

月下に語る神の力

更新はしましたが...短い...

時は過ぎ、望門達が忍の家に着いた頃。


「...なぁ、武尊」

「いやーいつ見ても壮観だなぁ...ん?どうした望門」

「...いや、なんでもない」


目の前にそびえ立つのは忍の家のはず...なのだが、どこからどう見ても古代日本の大きな屋敷が、そこに鎮座していた。武尊は何度もここへ来ているからか、見慣れているようだが...普通の人に比べたら大きな家に住んでいるとは言え、忍の家に来るのが久しぶりな僕は、その光景に呆気にとられるのであった。


「...ぁ!来ましたよ忍さん!」

「この声は...」


しばらく呆けていると、聞き馴染みのあるはつらつとした声が聞こえてくる。その声の後、二人の少女が出入り口であろう立派な作りの門から出てきた。


「よく来たな、武尊、望門。立ち話もなんだし、中に入ってくれ」

その後僕と武尊は、着物を着ている忍と社に連れられ、屋敷のような家に入った。

僕達は玄関へ入り、靴を脱ぎ、廊下を歩いて行く。道中忍に厳しい視線を投げかける者がいたが、忍はお構い無しにどんどん歩いて行った。


「今回私の家に呼んだのは他でもない、天宮殿からあることを聞いたからだ」

「あること...?」


唐突な話題に、僕と武尊は首をかしげる。

いや、社は研究所に行ってからあんまり元気がないし、そのことか?


「社には「スサノオ」という神の力が宿っている...らしい」

「!」


その言葉により、僕は武尊と顔を見合わせる。

スサノオといえば建速須佐之男命、素戔嗚尊の名で知られる日本神話の神だ。神話では天にいる時、父親に当たるイザナギに「母親のもとへ行かせてくれ」と言われ国を追放、その後姉であるアマテラスのところへ行き一度は信用を勝ち取るも、あまりに素行が悪かったため天から落とされた、という話がある。

地上に落ちてからは英雄そのものの振る舞いをしているあたり、神話は神話に留まるのだろうと思っていたが...


「しっかし、神様が実在するとはな...」

「社に元気がなかったのはこのせいだったのか...相談してくれても良かったのに」

「う...」

「まぁ過ぎたことはしょうがないさ。ただこの件は研究所で話さないほうがいいと思ってね、私の独断でここに来てもらった」


神の力が宿っているとは、混乱以上に利用する輩が出てくるだろう。確かに、忍がこの場所を選んだのは必然かも知れない。


「それともう一つあってな...望門にこれを渡せ、と研究所から」

「...ん?なにこれ?」


素直に感心しつつ考え事をしていると、忍があるものを渡してくる。

外見は小さな黒い箱、という感じだが...


「...!?重っ!」

「それは「戦闘用可変型デバイス零式」というらしい。相当機構が圧縮されているからな、外見に反して1()5()k()g()はあるぞ」

「そんなもの軽々しく渡さないでよ...」


とても重い箱...戦闘用可変型デバイス零式というそれを両手で抱え、僕はそう呟く。同時に、右手に意識を集中させ、ある魔法を行使する。


「『超常門(おおいなるもん)-空 一門【空間倉庫】」


その言葉とともに、白色の門が現れる。僕はその門にデバイスを入れ、門を消した。


「っはぁー、便利だなその魔法」

「武尊は原始系だったっけ...まぁ仕方ないよ、これに関しては適性の問題だし」


武尊の適性は「強化」であり、ものの性能を強化できるという適性だ。その性質上原始系に分類されてはいるが...応用力では他の系統よりも劣ってしまうのもまた事実。

実際は僕の肉親が持っていた適性「反射」の系統である反応系というもっと応用力に欠ける系統もあるにはあるが...やれること、という点に関して言えば一番扱いやすく一番扱いにくい適性だろう。


「忍はいいよなぁ、俺と違ってできること多いしな」

「また私の適性の話か?確かに「影」はできることが多いが...武尊のも強力な適性ではあるだろう?」

「あーやだやだ、なんでこうも優秀な奴が俺の周りに多いんだか...」


ちなみに忍の学業での成績は僕を抜いてぶっちぎりの1位だ。武尊も馬鹿って言うわけじゃないが、忍の優秀さに比べたら劣るところがあるのも仕方ない。


「その話はもういいだろう...今日はもう遅いし、社と望門は帰ったほうがいい」


気づけばもう日が落ち、月が太陽からの光で輝いている。僕と社はそれを見ると、家に戻る準備を始めた。


「...あ、そうだ。ちょうど昨日あれができるようになったんだった」


学業用の鞄に荷物をまとめ立ち上がった時、僕はある魔法が脳裏に浮かんだ。


「『超常門(おおいなるもん)-転移 二門』」


僕が右手を強く意識しそう唱えると、また白色の門がその場に形成された。

何かとこれを使う時は問題が起こっている気がするが...仮称『転移門』をようやく、制御できるようになったのだ。


「...やっぱ望門はすげぇや」


門をくぐり、家の玄関に足を踏み入れる直前、僕は不憫な男のそんなつぶやきを耳にした気がした。

昨日は本当すみません、投稿を忘れて就寝してしまいました...

今週のどこか、または来週に埋め合わせはするつもりです...すいません

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