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コメントや反応をください。是非、知り合いに広めてください!よろしくお願いします。


博士はゼルを抱えて、実験場内のキッチンに移動した。


博士「ゼルよ、何か食べよう。」


ゼル「…ぅ…タベ、ル」

ゼルはまだ幼体で発語ができない。


博士「ほら、口を開けるんだ…」

小さなスプーンに水ととうもろしを一粒のせて、ゼルに差し出した。


ゼル「うっ…ウ」

小さな口でとうもろこしを捕食する…。


博士「良し!元気だな、この調子ならすぐに成体になるぞ!」

大きくガッツポーズを決める博士。


博士「おーい!"ジャック"降りてきなさいっ!」


「ん、、なに?」怠そうな声で青年が返事をした。

2階からゆっくりと降りてくる。


博士「ほら!ジャックついに成功したんだ!」


ジャック「あぁ良かったね。」興味なさそうに返答する。


彼の名前はジャック、博士の孫であり同居している。


博士「これで、憎き"ホワイトウォール"とその指導者"プラスター・レノン"の野望を打ち砕くことができるのだ!!!」


ジャック「そうか…本当に戦争を始める気なんだね…」何とも言えない表情を浮かべる。


博士「ゼルよ、この男は私の孫だ。コイツと一緒にこれからは行動するんだ。」


ゼル「…ま、ゴ、?」


ジャック「爺ちゃん、辞めてくれよ。俺は戦争をするつもりはない!!」声を張り上げる。


博士「ジャックよお前が戦争を避けても、戦争がお前に寄ってくる。忘れたのか?私達は追われる身。すぐにでもWW"ホワイトウォール"はこの施設を見つけ、私たちの命を奪うだろう。」


ジャック「・・・…」黙り込むジャック。


博士は元々WWで研究者として働いていたが、彼らの狂気的な計画に気づき、研究資料を持ち出しWWから脱出した。その時ジャックは博士に連れられ一緒に抜け出した。


ジャック「俺にはWWが居心地が良かったんだ。どんな思想でも俺には関係なかったのに…」

彼にとってWWでの生活は素晴らしいものであった。


博士「すまない、だが私が技術を盗み、脱走すれば孫のお前に処罰が降る…致し方ない事だった。」


ゼル「うっ…ジ、ジャッ…ク」

ジャックを認識し、彼の足元に近づく。


博士「そうだゼル!お前はジャックと行動するのだ!さぁジャックよゼルを育て成体にするのじゃ」


ジャック「わかったよ…」

     諦めた顔でゼルを肩に乗せる。


博士「そうだ、これを渡しておかなければ!」

ポケットを弄り中から綺麗な石のついたネックレスを取り出す。


博士「これを常に首にかけておきなさい。いつWWが襲ってくるかわからんからな。」


ジャック「何これ?」


博士「いづれ分かる…一つ覚えておきなさい。

   窮地に陥った時は"ヴァルダージ"と唱えること。さすれば必ずやそのネックレスがお前とゼルを守ってくれる…いや戦うのはお前達じゃがな…」


ジャック「わかったよ…」


博士「言いたいことは全部言ったぞ!孫よゼルを成体まで育てるのだ!あと1週間あれば十分だろう。じゃあ私は実験へ戻るからな…」

そう言い放ち、スタスタと博士は実験室へ戻った。


ジャック「いっちゃったよ…まぁいいや、これからよろしくなゼル!」


ゼル「ぅ、あ、よろしクっ…」


――――――――――――――――――――


そうして2人の生活は始まった…

ジャックは毎日水ととうもろこしを与え、24時間ずっと寄り添った、みるみるとゼルの体は大きくなり人の頭の大きさ程に成長した。


〜一週間後〜


ジャック「爺ちゃん!」実験室のドアを叩く


博士「なんじゃ…」


ジャック「ゼルはもう成体なったと思うよ。ほら…」ジャックの肩に乗っているゼルは見違えるほど成長していた!


博士「おぉ!!でかしたぞジャック!これでWWに対抗できる。」

 

ゼル「博士〜あそぼー」小さな子供の声で言葉を発した。


博士「発語も完璧だな…」


ジャック「で、これからどうするの?」


博士「2人で東にある"ソラパ村"に行きなさい。そこに行けばWWとの戦いが学べる。」


ジャック「わかったけど、爺ちゃんはここに残るの?もうすぐWWの兵士が来てもおかしくないけど…」


博士「あぁ、ゼルも完成したところだ、この老体で逃げても足を引っ張るだけだからな。」


ジャック「じゃあ…お別れだね…今までありがとうお爺ちゃん」


博士「さらばだ、私の孫とゼルよ。」


ゼル「じゃあねー!」

  ゼルは元気よく返事をした、この別れが今生の別れになると理解していない。まだ人の死についてなにもわからないのだ。


ジャック「さぁ行くぞゼル!」


外に出た2人は、折り紙の折り鶴にロケットエンジンを積んだ乗り物にバイクのように跨ぎ、ホバーしながら、暑い太陽に照らされた砂漠を爽快に突き進んで行った!!


―――――――――――――――――――――



〜つづく〜




〜人物紹介〜

"博士"(はかせ)

砂漠の建物で怪しい実験を繰り返していた男、白髪で鼻が大きい。


"ゼル"

この物語の重要な存在、ミントグリーンのスライムのような見た目をしているが、スライムではない。

まだ子供、頭にツノのような出っ張りがある。


"ジャック"

この物語の主人公。博士の孫、見た目は好青年だが、少し冷めた性格である。


〜用語解説〜

"ホワイトウォール" WW

過激派自然信仰集団、"世界を原初の姿に戻す"事が目的。その為ならどんな犠牲でも払うだろう…


"プラスター・レノン"

WW"ホワイトウォール"の最高指導者。大きな体と筋肉を持つ、顔を仮面で覆い手足の先までローブで隠している。


"アクトプランツ"

ホワイトウォールの研究によって産まれた植物。

種の状態に人の血液を与える事で、瞬時に成長しする。武器や植物兵器に変化する、戦争の道具。


"ソラパ村"

博士の実験施設から東にある村、WWとの戦いが学べる。


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