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100/103

100 シャザールの街 3

 若い神官はなにかの買い物の帰りなのだろうか。

 手に持った袋には野菜などが入っているのが見えた。


「巡礼の方ですか?」

「いや、旅の途中ですよ」

「旅の? ほう、珍しい」

「祖父が一度行った事のない所へ行ってみたいというので……」

「祖父?」


 そう言うと男はあたりを見回す。当然この場にグランパ居ない。確かに「ん?」となるだろう。


「祖父は今、宿で寝ていますよ」

「ああ、なるほど」

「旅に疲れたのでしょう。起きるまでの時間つぶしですよ」

「ふむ……。魔法の練習をしていたのかな?」

「ええ、まあ……」


 見ていたのだろうか、それともたまたま?


 うーん。なんとなくこの街の存在自体に警戒してしまってる俺がいる。単なる興味本位で聞いているのだろうけど、それでも目の前の神官に素直に話をしにくい自分がいる。


「魔法は神からの贈り物です。良き力を頂きましたね」

「神、ですか?」

「ええ、当然この世界のすべてが神の意思で作られた物ですから」

「へえ……」


 あああ。駄目だ。宗教に関して割とドライな日本人の感覚のせいか、こういった宗教発言に冷めた反応をしてしまう。ファンタジーな世界なだけに神の存在も割とリアルな筈なのだが、心に染み付いた感覚なのだろうな。


 でも、ティリーにとってはそうではないようだ。

 聖地の一つであるシャザールの街の神官だ。それだけで尊敬の対象になるのだろう。ウンウンと頷きながら彼の話を聞いてる。


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