88 横領
厩舎から母家に向かう途中ハロルドを見つけた
「やぁハロルド今からどこへ行くの?」
「セイ様に命じられた件で商会と継ぎを取ろう思いまして」
『アルファ、シータ退路を気配消して塞いで合図したら狩りの時間だ』
『了解パパ』『ラジャー♪』
「もう行かなくて良いよ、代わりの用件を命じるから」
「でも商会の方との約束をこちらから破ると信用を失ってしまいます」
「構わない別の者に行かせるからどこの商会かな、商会の誰と何処で会うの?その人、商会での役職は?嘘、偽りなく正直にお前の主人である俺が命ず。さあ答えろ!」
「・・・・・・・」
「沈黙か確かに嘘は言ってないよね、元情報部にいただけあるか、だがな主人の俺が命ずるこの屋敷内から一歩も出るな!今の沈黙でお前は俺に嘘をついてる事を認めたんだ。ではこの質問はどうだろう?お前はこの屋敷から逃げだそうとしたな『はい』か『いいえ』で答えろ!沈黙は『いいえ』と見なす嘘はつくなよ!」
「・・うっ はい」
「お前を無力化する『収納』『収納』」「なっっ」
『排出』パンツがハロルドの頭上に舞う「なっ」
「お前アイテムボックスもちかな?『鑑定』これで丸裸だな本当の意味で」
個体名 ハロルド 25才 ♂
種族 ヒューマン
職業 暗殺者
Lv 28
LP 2800
MP 2000
魔法属性 無 闇
スキル 偽装 Lv 2 闇魔法 Lv 1
剣術 Lv 2 話術 Lv 3
気配探知 Lv 1
気配遮断 Lv 2
ユニークスキル アイテムボックス
称号 詐欺師 窃盗
セイの奴隷
『アイテムボックス(スキル)
異空間に物質を納める能力物の出し入れにMPは消費しないが
容量 5m×5m×5m 時間経過 通常 』
「ハロルド主人が命ずるアイテムボックスの中身をここで全て出せ拒否は許さん」
「ぐっっイヤだ「出せ!」ぐっ嫌だこれは「出せ!!」 突如、空中から金貨や銀貨、宝石、宝石が埋め込まれた儀礼用の剣、書類、本、様々なものが現れ『収納』消えた。パンツとバック1つを残して。そのバックもハロルドが驚いた隙にアルファが取りあげていた「えっ、ええ」
『えらいぞアルファ』『やったね♪』
「偽装でアイテムボックスを隠しマジックバッグを誤魔化すか何か言うことはないか?ハロルド」「・・・・・」
「反省の色無し「旦那~」ちと間が悪いな」
『アルファ、シータ狩りはもう少しあとになったごめん』
『うん待ってるw』『残念』『シータ『拘束』をハロルドに掛けて』
『解ったパパ《bind》』「なっ、なっ」
「ボルドこいつを納屋へ縛って放り込んどけ」「へい!旦那」
「さて、この処理どうしたものか」『キャロット聞こえる?』
『はい、聞こえます主』『納屋にハロルドを拘束して放り込んだ監視を頼む』
『監視だけでいいのですか?』
『逃げ出したら、追い掛けて遊んでやれその時はシータに教えてあげて』
『了解しました主』
「納屋に放り込んどきました旦那」
「こんな時どんな処理すればいいんだボルド」
「さあ、あっし奴隷持った事ないんで」
「カリーナはどうしてる」「多分、母家だと」
「納屋に一応中からは出れないようにしました」
「監視は付けなくていい、ロック一家にハロルドが納屋にいるから今日は母家の2階で寝るように伝えてくれ。子供達に何かあったら目も当てられん」「わかりやした」
「ミーナ、ハルカをカリーナの尋問に立ち会わせるから呼んでおいてくれ。ミーナとミリアはハルカの護衛兼立会人として応接室に。さて、カリーナを呼び出してくれ」「「はい」」
◇◆◆◆◆◆◆◇
「なにか用ですか?」
「最初に言っておく、これは命令だ!嘘はつくなよ!」「はい」
「ハロルドを拘束した容疑は横領と窃盗だ」「えっええ~」
「さてここからが質問だお前は横領と窃盗に関わっているのか」「いいえ」
「ハロルドが詐欺や窃盗をしていた事を知っているか」「いいえ」
「お前は過去犯罪を犯した事はあるか」「いいえぐっっ···ぐっ··はい」
「どんな犯罪だ」「5人の男を騙しお金を巻き上げました」
「他には」「ありません」
「俺の事を甘くて騙し易い子供だと思っているか?『はい』か『いいえ』で答えろ無言は『いいえ』と見なす」「・・・ぐっ はい」
「ハロルドから1日パン2個と水の件は聞いているか?」「はい」
「お前、朝食を取ったか?」「はい」「昼飯はどうした」「食べてません」
「俺はハロルドに自分たちの食事は当番でも決めて自分たちで作れと食事を作らない者は1日パン2個と水だけ与えるとそしてパンも市販されたパンを支給すると言ったんだがお前に正しく伝わっているか?」
「いいえ、ただ、食事は1日2個のパンと水だけになるとしか聞いていません」
「そうか、今、正しい情報を得た訳だが自分の分はどうするカリーナ」
「私、料理スキル持って無いので作れません」
「俺も此処に来た時は全くスキルなんて持ってなかったぞ。才能差はあるにせよスキルなんてやり込めば勝手に生えると俺は思っている。子供が母親の料理を手伝う子供に料理スキルなんてないぞ。最初から持っている者もいるかもしれないがそんなの極一部の人間だ。人は生きる為に食事をする当たり前のことだ。料理が出来ないと言うことは環境によっては死に直結する。お前、ナイフ一本で森に放り込まれたら確実に死ぬぞ。
お前、軍人だったよな?お前のもといた国の軍隊は料理だけ作って全部隊に供給する部隊があるのか?「・・・・」そんなシステムになってる軍隊なら今の俺だったら確実に勝つぞ食料が一ヵ所に集まって居るんだから絶好の鴨だぜ多分推測だがお前、料理番色仕掛けで変わってもらったか部隊指揮官の情婦にでもなって料理番避けてコネで士官までなったんだろうな予言しといてやる。俺が1日パン5個と水だけ与えたとしてもお前は3年以内に死ぬそう思わないかハルカ。ヒントは船乗りか故郷の歴史江戸だ」
「そうですね。私もそう思います。確か其の当時はとある物が食べられ無くって病気になったと記憶しています」
「と言うことだ。奴隷達に対する義務は最低限の衣食住の保証だ。1日パン2個と飲める水義務果たしている筈だそれも購入して迄与えるんだから、それともう1つ追加の命令だ。他人から食事を奪う事は勿論他人から食事を譲って貰うことも禁止しする。ま、じっくり考えて答えを出せ」
「これで最後だカリーナお前アイテムボックスのスキル持ってるか?」
「・・・・・」
「ハルカ鑑定掛けて見ろ」「はい鑑定・・・・・見えません」
「だろうな、カリーナとハルカではレベルが違い過ぎる」
口元を隠し唇の端を少しあげ目で笑うカリーナ
「ハルカ鑑定は万能じゃないレベル差があれば見えない偽装というスキルもあるハロルドは持っていたぞ。カリーナ、やけに嬉しそうだな口許隠すのなら顔全部隠せ眼は表情豊かなんだよ感情はよく目に出る覚えておけ」
「この中にハルカ以外に鑑定つかえる者いるか?「「「・・・」」」ありゃ、ミリアなら持ってると思って聞いたんだけど当てが外れたな」
更に今度は顔を伏せ目を細めるカリーナ
「なに喜んでんだこの茶番劇ハルカの勉強の為にやってんだから今までの会話で気付かないお前、本当に愚かだな。仕方ない『鑑定』へ~お前のステータスって
ふーんそうなんだ」
 




