313 訓示
会話は脱線しながら進みサード進行はセコンド200名の騎士団の随行となりすぐさま編成される事となった。ファルコ達の戦果は一般的傭兵の慣例に倣う事になり侯爵邸を出た後、直ぐにファルコの元に行きセコンド騎士団の随行を伝えた。
「ファルコ、お前、こんな契約でよく署名したな。成功報酬は別にして普通の傭兵達は装備や消耗品とかは全て自分達の金で調達するんだ。通常報酬と成功報酬合わせてもお前達に渡した装備一式普通に買えば大赤字だぞ。罰としてこの金はお前達が受け取って構わない。捕虜と馬は俺が貰う装備やポーションの代金の回収としてな。それにお前達に4千もの捕虜と2千以上の馬を管理して捌く事出来ないだろ。食料や住む場所に管理する人をどうするんだ?
多分、その場所を借りるだけでお前達は破産する。商業ギルドや奴隷商人に売るにしても直ぐには売れない。戦争捕虜なら尚更相手との交渉後となる。それにお前達の個人装備は別にして消耗品や装備はフロントや俺が貸与している物だ一時の事だからそのままにしておいたがお前達が利益を得ようとするなら使った消耗品と装備品の貸出し料金を請求するぞ。4千の捕虜と捕獲した馬には素で7千の下級ポーションと中級ポーションが1千を使用した。どうしても自分達が処理すると言うのならそれでも構わない。そのまま傭兵でもやってくれ但し、貸与した物は全て返却、使用したポーションの代金と合わせて請求、貴族籍の在る者は除籍になるがどうする?」
「若、虐めないで下さい。戦利品や捕虜に関して契約から抜け落ちた事は申し訳なく思っています。装備品や消耗品に関して考えた事が有りませんでした」
「だろうな。軍は兵士達だけで運営されているわけではない。食料、装備品や消耗品の調達を含めお前達の給与や予算の分配。商人達との交渉を含め事務方がお前達現場の人間が円滑に働けるように頑張っているんだ。目立たないが彼らがいないと軍は立ち行かない。確かに戦場で華々しい活躍を見せれば称賛もされるが、彼らの仕事は100%出来て当たり前の仕事なんだ。それがどれだけ難しいか解るか?
お前達兵士の任務に100%は求めていないそれは理想であり結果的にそうなっただけと思わないと作戦立案が出来ないからだ。常に現場の状況は変化するからな。だが彼らの仕事は常に100%の仕事を要求される。準備段階で90%の仕事をされて見ろ食料や装備、消耗品は不十分、給与も支払いが遅れるなんて事になるとどうなるか解るよな」「あっ!」
「彼らは在る意味お前達兵士の命を握っているんだ。戦場に出ないと軽く見られている様だが彼らの戦場はお前達の戦場とは全く違う戦場で毎日戦っているんだ。命を賭けて戦っていないと蔑む者もいるけど俺はそうは思わない。賭けているのは自分の命ではなく兵士達の命だと思っている。自分の仕事いかんで多くの命が失われる事だって有るんだ。今回の戦場だってそうだ。装備が整っていたからこのような戦果を残せた。ポーションが無かったら?5千近い捕虜と2千以上の馬を捕獲出来ていたか?ファルコや他の士官達には事務方を蔑む事だけはして欲しく無いから伝えておく」
「承知しました。部下達にも若の訓示伝えておきます」
「それと後1つ敵の装備品だが見た所大した物はないし損傷あるのが殆どだ。一括で俺が銀貨1千枚。金貨10で買い取ろうと思うけどけどどうかな?それと戦利品の中に収納アイテムがあった。中は殆どが食料と水と夜営用のテントと予備の武器が少しと金が金貨20枚程だった。性能の良い収納アイテムは無かったから収納アイテムは第一騎士団で使えもしかしたら返還する事も有り得るからそのつもりでいろ。「はっ!」
それと食料はそのまま今回のサード攻略で使用しろこちらでも食料は用意してあるが必要なら村に配布しても良い。後は先程言った通りだ。村の制圧、占領はセコンドに任せて主力はサードまで駆け抜けろ歩兵部隊は後続として後から追い付けばそれで構わない。サード攻略に関しては電撃戦を展開してやり方はフィフスの時と同じだ。セコンドの騎士団の到着が遅れるのなら村の制圧部隊を残して出発しろ。遅れる方が悪い。
一応、潰した貴族の私財は折半となっているので監視の為に数名腕の立つ者を置いておくようにセコンドが横暴な態度を取るようなら報告してくれ。俺が処分する。セコンドは俺達の慈悲でサードに進行しているに過ぎないがお前達がいさかいを起こすのは良く無いから俺が直接処分する。
そうそう忘れてた捕虜達の財布の中身はみんなで分配してくれ。それと収納アイテムに入っていたテントや天幕は俺が使う。捕虜達に必要なんでな。予備武器と金貨20枚は共有財産として第一騎士団が持っていろ」
「承知しました。しかしそれでは若の取り分が無いのでは?」
「はっきり言って大赤字だ今のところはな。俺の私財をかなり投資したが問題無い。安定したフロントとフィフスが俺にとってとても重要なんだ。アロンと商業活動に集中出来るからな。お前達が俺にも報酬をと言ってくれるのなら捕虜の空になった財布をくれそれで構わない。今回の戦の記念に俺からちょっとした物を作ってサード占領後に渡す事にするよ。
今回の戦争でフロントの得る物は結果的に大きい。略奪を禁止している以上俺の取り分は少なくとも構わないお前達の不満の方が困るからな。さっき言った分はあくまでも今回セコンドで傭兵としての報酬の取り決めだ。此よりはフロント第一騎士団として働いて貰う分は爺さんからもらってくれ」
「承知しました。ただ今を持ってフロント少将ファルコ。フロント第一騎士団を持ってフロント軍総司令セイ殿の命令によりサード攻略に邁進します」
「宜しく頼む」
セイは第一騎士団に金を払いファルコはそれを兵士達に分配した。
「「「「「「「「ウオー♪」」」」」」」」
兵士達の思ってもいなかった臨時収入に喜び歓声上げそれを聞きながら陣地を後にして捕獲した馬達をワープゲートを開き関所に移動させ騎士団の陣地の横に同じ壁を展開して捕虜を収用出来る場所を用意しセコンドの兵士達に捕虜に腕輪を嵌めてもらいかなり遅い時間だったが捕虜達にテントや天幕を設置させ容態の安定した重傷患者達も天幕に運び込まれ捕虜の収用は完了した。
その後、フォースに移動してアレン、ボルド達にセコンドの事を伝えフォースの占領状況を聞きシルビア達がフォース入りした事を知った。
「シルビア、突然で済まないが明後日の晩にはサードも落とす3日後にはサードに回せる人員を確保しておいてくれ」
「多分大丈夫かな人数も多いしその頃には目処がついていると思うから」
「済まんが頼む」
一通り報告聞きフィフスに飛び作戦開始の命令を下し兼ねてからの打ち合わせ通りフィフス駐留部隊はサードに離反した村に進行を開始し更に王都に移動して王都に在るモレル邸、コズン邸を制圧してサバト達に占拠させてギルバート邸の守備隊と早朝交代するように指示して王国宰相の元に行った。
「眠っているところ済まない。これだけを渡しに来た」
「これは?」
「モレルとサードのコズンとの念書の複写だ。原本は俺が持っている。既にセコンドではサードから来た盗賊達とセコンドで雇った傭兵達との戦闘が行われ盗賊達は討伐された。その中にサードの騎士団がいた。これを持ってセコンド、フィフス、フロントはサードは敵と見なしサードの街とコズン家またそれに与する者に対して宣戦布告をしたので一応報告をしておくのとフォースは既にフロントにより占領させてもらった。
明日中にモレル傘下の村は無くなる事になる。それと王都のモレル邸とコズン邸も制圧占拠しているので悪しからずモレルやコズンが降伏し謝罪しない限りフロントは戦争を続行して占領した街や村はこちらで勝手に占領政策を取らして貰う。こちらからは以上だ。寝ている所済まないが王家の思惑とかなり違ってくると思って教えに来た。
まあ、王国騎士団とセコンドとの戦いでどうなるかわからないけどフロントもセコンドも無条件降伏しか認め無いからそのつもりでいてくれ。さて、王家はどう仲裁に入るのかな?俺はお前達に踊らされる程、愚かでも暇でもないんだ。こっちを利用するつもりならそれなりの代価を貰う。そう俺が言っていたと今回の戦争を思い描いて台本を書いた奴に言っておいてくれ。今回は見逃すが二度はないと」




