311 貴族は商人?隙を見せれば・・・
「僕も質問良いですか?「ん?なんだ」なんで僕を此処に連れて来たんですか?」
「大した意味はないかな。ラインバッハとお前の倫理観や道徳ってやつの違いを見せるため。実際の戦争ってどういうものか見せるため。悠斗がどういう道を選ぶか解らないがお前の知識が悪用されればこういう事になるって見せるため。
知識って奴は人に役立てる事も出来るが欲張りな権力者に悪用されればこうなるって見本だ。喩えお前が作れないとしてもアイデア一つで誰かが作れるかもしれない。物理、科学、化学の知識は信用できる者以外話すな。俺もハルカ以外話した事はない。それといずれはお前も人を殺す時が来ると思う。覚悟だけはしておけ死にたくなかったらな。自分の手で殺したく無いなら他を圧倒する力や技術を持つしかない。それでも仲間や自分の身を護るために人を切らないといけない場合も有るんだ。今は漠然として実感がないかもしれないが頭の片隅に入れておけ。その時になって迷ったら死ぬからな。
それにお前に見せたいのはハルカがこれから行う戦争だ。こっちはチートな戦争だがハルカがやるのはハルカの知識を使った戦争だ。よく見とけ」
「イエス・サー!」
「今夜はまだみたいだから負傷した馬も助けるぞ!」
セイは馬具を回収して馬の遺体をインベントリに収納した。骨折以外の負傷した馬には悠斗やラインバッハが下級ポーションを飲ませセイは骨折した馬達を眠らせ骨折箇所を綺麗に繋いで状態異常を解き、中級ポーションを飲ませていった。治療完了後、関所にワープゲートを開き移動させ悠斗、ラインバッハをセコンドにいるファルコに預けた。その時にセイはファルコに
「ファルコ、そしてみんな今日はご苦労様。大戦果だった。サード軍を撃退すれば直ぐにフロントに帰還せよとの命令だったが変更する。明日の朝。全員、元隊復帰を命じる。もう、セコンドの契約は終了した。明日の朝、フロントの騎士としてサードに進軍せよ。サードまでの村は貴族のみ潰せ但し、略奪、村人への暴行は許さない。降伏した貴族は丁重に扱え。俺達の目的はサードのコズンただ一人二度とフロントに手が出せないようにしてやる」
「「「「「「「「「「ウォー!!」」」」」」」」」」
「村に関しては占領する必要はない。どうせ王家が仲裁に入ってしまうから貴族だけを潰して貴族の身柄は村の代表に聞け。村人から尊敬されている領主なら身代金を村人が払ってくれる筈だ。余り村の制圧に時間をかけるな。貴族の身柄を確保したら貴族屋敷の守備に5人だけ残して移動しろ。私財に関しては手をつけるな。セコンドにも分配しないと凝りが残る。傭兵費用くらい還元しないとな。村の制圧は後方からの襲撃を防ぐ為に行うのが目的だその辺、頭に叩き込んでおけ規律を破った者は処刑するからそのつもりでいろ。
ラインバッハ、お前はファルコに同行しろ。「イエス・サー」ファルコ、ラインバッハはもうお前達の上司ではないファルコの従者として扱え。少しは使える様にはなっているから村を制圧する時使ってやってくれ。決して甘やかすな。いいな。」「はっ!」
「ラインバッハもファルコを俺だと思え反抗や嘗めた態度をとったら解っているよな。お前には常に監視がいると思え」
「サー、イエス・サー」
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そしてセイはサードに飛んだ
「お前がコズンか?」
「お前は誰だ?警備はどうなっている」
「警備は来ない。働かせ過ぎたんだろうな。みんな眠っているよ。この部屋には結界を張ったから外に出る事も外から入る事も出来ない。俺以外はな」
コズンは逃げようとしたが見えない壁に阻まれ逃げる事が出来なかった。
「儂をどうするつもりだ」
「今はどうもしない。今は・・・これでも忙しいんだ。この書状を渡しに来ただけさ。フォースのモレルと結託してセコンドとフロントを侵略を企んでたんだろ。宣戦布告もなく領主の許可も得ずセコンドに進軍してただで済むと思うのか?」
「あれは、王国騎士団からの要請を受けてだな」
「王家は知らないって言ってるぜ。それにこの書状。ネタは上がっているんだ!」
「それは!」
「そう、モレルとお前との間で交わした念書だ。さて、本題だ。ギルバート・フォン・エリック辺境伯からの書状を渡しに来た。内容は見なくても判るよな」
セイはギルバートからの書状をコズンに投げつけ
「確かに渡したぞ。私こと、セイ・ワタヌキ・エリックがサード領主コズンに対して宣戦布告を宣言すると同時にフロント、フィフス及びセコンドはサードを敵と見なし同じく宣戦布告を宣言する」
「馬鹿め、もうセコンドには我が軍が侵略を始めておるわ!フロントも今頃、フォースに蹂躙されている頃だ」
「さあ、それはどうかな?結果は後で知るがいい。その結界3日程張ったままにしとくからじゃあな」
セイは気配を消して金庫の中身を頂戴してから屋敷の外に出て白に乗り飛びたった。一方結界に取り残されたコズンは騒ぎたてたが結界の外に音は漏れず翌日の昼まで誰も気付かずコズンの声は家臣や使用人に届かず結界を破ろうと半日かかっても破る事が出来ず下の階から天井を壊して床を破る事も試みたが結局無駄に終わった。
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セイはパンを噛りながら上空からモレル率いる王国騎士団を見ていた。騎士団はセコンド領境界の少し手前で陣をはり、その陣より後方かなり距離取って陣をはる者達がいるのを見つけその上空まで飛んで天幕の紋章を見て理解した。
『へーっ、近衛が出刃って来たんだ。あの武器、見られたくないな。どうせバレるだろうけど時間稼ぎぐらいするか』
セイは気配遮断をしたまま近衛の陣に結界を張って。魔力を多めに込めて近衛騎士団全員を眠らせセコンドに戻りエアリアル達と懇談した。
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「ご苦労様遅かったのね。祝勝会でもしてたの?」
「いえ、ファルコ司令に明日からの事を指示してました。傭兵部隊は解散ファルコ率いる第一騎士団は元隊復帰の上サードに向けて進軍を開始します」
「えっ!フロントに戻るんじゃないの?」
「既にフォースも占領したしフィフスも片付いてファルコの部隊も契約は完了したので余裕が出来たのでもう二度とセコンドやフロントに手を出せないようにしようと思って。フロントにも宣戦布告出来る名目は有るのでコズン伯爵に喧嘩を売ってきました。ついでに偵察もね」
「そう、何処までやるつもり?」
「王家が入ってくる前にまあサードを制圧しようかと貰う物は貰ってさっさと引こうと思ってますよ。それとサードの軍ですが盗賊として処理しませんか?」
「なんで?盗賊なの?」
「あれ?報告入ってませんか?まあどっちも同じですがサードの兵士として扱ったら身代金等の交渉って面倒だしコズンからは倍賞なんて取れないですよだったら手っ取り早く奴隷にしてしまった方が良いし奴隷の私財は主人の物だからサードの貴族の私財のほとんどが手に入りますが」
「でも体面がね・・・」
「えっと、ファルコとの契約内容はどうなっていますか?俺、見て無いんですが」
「こちらでございます」
セイはその契約書を読んだ。
「へーっ。かなり杜撰ですね。契約書には期限と通常報酬と成功報酬の金額と宿泊場所と食料の提供ですか。ちょっと酷いですね。戦利品や捕虜の取り決めについて何も書いていない。わざとでしょ」
「そ、そ、そんな事はないわよねぇ~アプリ」
「はい、ファルコ団長が何もおっしゃら無かっただけです。当方は一般的な傭兵契約のつもりですがそれが何か不都合でもありますか?」「アプリ~」
「ほら、見ろ。ミリア一般的な傭兵契約って戦利品と捕虜に関してどうなっているんだ?」
「そうですね戦利品に関しては傭兵達の物。捕虜に関しては身代金の取れそうな者つまり貴族は雇い主が買い取り後は傭兵達の物って言うのが普通ですね。まず戦争で無傷で捕虜は手に入らないので奴隷として売っても安いし誰も買いたがらないんですよ」
「ありがと。こっちが何も言わなかったら丸損していた訳だ。サリナ今回使ったポーションは?」
「下級ポーション7千、中級ポーション1千ってとこですね」
「今回の死者はと欠損が出た者の数は?」
「それは、私から死者が232人、欠損が出た者は534人ですね」
「じゃあ後4千程は?」
「矢傷なら下級ポーションで治療しましたから問題ありません」
「で、普通なら戦場でこんな事するのかな?」
「そうですねポーション自体これだけ使える事はなくましてや敵に使う事はないですね。稀に身代金を多く貰えそうな貴族に使うかも知れないですが」
「五体満足な捕虜が4千かその上装備品と馬、欲張り過ぎは良くないよ。今回は俺の武器とポーションでこれだけの戦果上げたんだから返して貰うね。それに食料の提供は良いけど宿泊費削る為に俺が作った馬の駐屯地は無いでしょ。あそこ俺が所有権主張出来るよね」
「ちょっと待って」




