301 戦争の時間です2
アレン達との雑談も終えセイはパンをかじりながら白に騎乗して関所の上空を通過して敵の本隊を見つけた。丁度、関所から馬車で1日ぐらいの距離だった。
『うーん、まあ予想通りの行軍日程だけど正規兵の騎士達はともかく歩兵は疲弊しているみたいだな』
セイ達は馬車での進軍を想定していた。フォースの思惑は手薄なフロントを叩く事にあると読んでフォースの進軍スピードを馬車でのスピードで考えていた。実際は歩兵がいる以上徒歩となり更に魔物の襲撃を考慮すると更にスピードは落ちる。道も舗装された道で無い上にフロントとフォースとの交易はそれほど盛んではなかったため道は狭く荒れていた。
何故、セコンドの進軍を選ばずフロントを選んだかと言うとセコンドを攻める口実がなかった事、何より騎馬隊の数と質が違っていた。帝国への遠征で半数にまで兵力は落ちてはいるが騎馬隊の数はまだまだ多く戦場が平原だけにフォース軍の損耗が激しいと考えたからだ。
一方フロントはと言うと騎馬隊に重点を置かずどちらかと言うと歩兵に重点を置きその上軽装備だった。その点がフォースと違っておりフォースは歩兵にも金属製の鎧を配備していた。フロントの場合は領内に森が多くまた、魔の森に隣接している為に冒険者が頼りにならなくなった時点でゴブリンやオークを間引かねばならなくなり森での活動が自然と多くなり金属製の鎧は音と体力の消費が激しく連戦となった場合は不向きと判断されて魔物の革鎧が採用されていただけの事だったがフォースはフロントの兵士達を装備を見て嘗めていた。
その上フロント領に攻め込む口実もあり兵力もフィフスの一件で分散されている上に主力部隊は王都にいて手薄まさに好機そう思い自分の立場を利用して近衛や王国騎士団の好を通じている連中に声を掛けてフロントを手に入れた曉には各村を与えると口約束して軍を勝手に編成し演習という名目で王都を出さえすれば王国騎士団という名で屈服させる事が出来ると思っていた。だが王都を出て3日目に現実を突き付けられる事になる。とは王都を出て1日目のモレルは知るよしもなかった。
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セイは眼下の敵を見下ろし『羊いや鰯の群れだ』と思った。『勝手に罠に飛び込む鰯の群れだ』戦うのに値する者達ならボルド達の協力も仰ぎ知力を尽くして戦いに挑もうと思っていたがセイは眼下の敵を見て失望してやる気が失せた。疲労仕切っている歩兵達。目を違う方向に向けると酒を飲んで騒いで力自慢をしている金属製の鎧着ている男達。多分、正規兵なのだろう。粗末な鎧を着てる歩兵達はパンを大事そうに食べていたが正規兵の食事は全く違いそれなりに豪華に見えた。『後、2日我慢しろ食事だけでも解放してやる』と思考が斜め上にいってしまった。『もう自重するのはやめる』そう思ってその場を後にした。
自ら課した枷を外したセイは500人程の補給部隊を見つけアルファ達に強襲させて物資と装備品を奪い意識を失っている兵士達をクリス達が馬車に詰め込みゲートでボーダーへ大小約15箇所程あるフォースの村を3箇所を除き貴族屋敷を襲撃して警護の兵士と屋敷の住人を捕虜にしてボーダーに送り女性と子供を兵舎に隔離して貴族の屋敷内部を調べて回った。
結果、3つの村の貴族屋敷だけが慎ましい生活を送り貴族としての体面を守っている事が解った。翌日日の出と共に空輸馬車10台を空間拡張を使って10人乗りに改造してボルド率いる傭兵部隊を16名部隊長4名を引き連れ各村を回り兵士達を制圧して。村の代表を呼び出し
「この村はフロント軍が制圧した。現在フロントはフォースと戦争状態にあり我がフロントはフォースの理不尽な進行に激怒して宣戦布告を通告し我々は作戦行動中である。よって反抗する者は敵と見なし容赦なく切り捨てる。
ただ、安心して欲しい我がフロント軍は横暴な真似はしない村の住民に危害加えるつもりはない」
「それは本当ですか?」
「ああ本当だ。我がフロント軍は規律を重んじ民間人への正当防衛以外の理不尽な暴行、略奪行為は固く禁じてある。万が一規律を破った者がいたらセイ・ワタヌキ・エリックに知らせてくれ事実を確認の上でそれが事実なら即刻住民の前で首を跳ねる。傭兵の場合は奴隷に落として村中を歩かせそいつに石をおもいっきりぶつけてくれそれで恨みが張らせるのなら殺さない程度にやってくれその分俺が死にたいと思うぐらい凝らしめるから
さて、集まって貰ったのは他でもない。君達に選んでもらいたい事が2つある。此処領主だった者の処遇もう一度言うだった者だ。君達がお金を出しあっても助けたいかどうかそれを聞きたい。
もうひとつは君達は村の後ろ盾を選ぶ権利がある。フォースでもフロントでもセコンドでも構わない。後ろ盾は要らないのならそれでも構わない君達が村を守っていけるのならそれを選択して欲しい。後ろ盾になった領主は代官か別の貴族をこの村に送ってくる事になる。その領主は君達をいろんなものから君達を守る責任と義務が生まれるそして君達は税金を払って守られるんだ。正直そうは変わらない。セコンド、フロントどちらもそう変わらないと思う。
もう税金を払うのはいやだというなら好きにして良いが税金を払わないのなら君達は村の事全てを村が行うって事だ魔物を退治するのも村を守る柵や壁も全て自分達でやってくれもちろんフロントは今は攻め込まないがフォースやセコンドが力付くでこの村を襲って来ても感知しない。まあ、俺がいなくなったらフロントも必要だったら奪いにくるかもしれないからそれまでに力をつけてくれ。
俺は良い事だけは言わない出来ない事は約束しない。2目の問はフロントにとってどちらでもいいからの問だ。戦略上欲しい村は強制的に領地にする。今すぐ答えが出るなんて思わないから領主とその家族の返還を求めかどうかだけ答えて欲しい」
「それならば即答できます。そのままエリック様のお好きになさって下さい」
「そうか、それと、屋敷にある者全て押収させて貰った食料の備蓄もな。勝手に入って盗むような事はするな少しでも侵入した形跡があったら盗賊として連帯責任を取ってお前達も一緒に処罰するからそのつもりでいろ
隊長、2人で此処の兵士達を掌握出きるか?兵士達に選んでもらえ奴隷になるか従うか。そしてフロントの兵士としてそぐわない者は拘束しておけ5日後引き取る」
こうして9箇所の村を回って行った。
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そして翌日、スカイ達からフォース本隊が関所を発ったと連絡が入った。
「今、スカイから本隊が動いたそうだ。念のため夜襲に備えてくれ」
「明日の作戦はどうしやす」
「歩兵達を見て自重するのはやめた。今夜、緩衝地帯で陣を張るなら分断して閉じ込める。武装解除して無力化しておくから明日の朝、投降を呼び掛けろ応じた者には暖かいスープとパンを与えるとな。6千人の食事の準備をしておけ多分、ここだけじゃ無理だからバタン、フロントの街中でパン一つ銅貨一2枚で焼いてもらう様にシルビアに指示してくれ『銀の小鹿亭』と俺達関連の焼いたパンは足が出るから銅貨4枚で買い上げて小麦は備蓄から放出、今日15時までのアルバイトをしてもらえ」
「6千ですか?少ないのでは?」
「パンに関しては購入するのはいくらでも良い。ボルドやクリスの持っているアイテムは時間遅延があるから1年でも持つから問題無いけど問題は入れ物だよな。よし、街中の安い布を集めて風呂敷にするか」
「風呂敷って?」
「此処でもパンを焼くときにパン種を布に包むだろその布を大きくしたものだ。召喚者に聞いてくれ布を切るだけだからすぐ出来る。今回、商業ギルドは儲けが無かったから多少は関係がない所で儲けさせようか
話はそれたが正規兵達は2、3日自分達から降伏を申し出るまで放置しておけそれまでは戦争は終わらないし情報遮断も出来るし捕虜でも無い監視だけして抜け出したら捕らえろ」
「それで6千なんですね」
「ああ、壁の幅は5mで硬化は一応かけておくが階段は作らない屋上に昇る時はボードを使ってくれ」
「ポールは?別に要らないだろ壁より少し低くしておけば壁の上にたどりつけるだろ一人壁屋上に降りたら問題なく屋上に降りれるんだから板を持参しても良いし」
「さて、何人が壁の上からダイブ出来るでしょうね」
「身体強化が使えないと15mからのダイブは死ぬな」
「まあ、壁を昇る方法を思いつくかどうかも疑問ですが」
「さあ、人を梯子や階段にして服をロープにすれば登って降りれるがな。今回は全て剥ぎ取ってやるから草で紐を作って更にそれを撚ってロープにしないと難しいな。そこまでできたらスカウトするよ」
「旦那、壁登りってスキル在りやすぜ」
「さすがにそれはレアだろ。ジョブはレンジャーかスカウト、忍者ってとこか。カールとイプシロンを配備させるから100人程配置して包囲してくれ。その壁を突破出来たら優遇する事にしよう。でも油断だけはするな騎士団だからって暗部がいないとは限らないからな。壁登りかチャレンジしてみるかな?」
「旦那はそんなスキル無くったって壁は壊せるし必要無いでしょ」
「必要かはどうでも良いんだ。遊び心が大事なんだ。登坂や壁登りのスキルを付与した手袋や靴があったらどうする?実際俺達の故郷では城壁よじ登って城に潜入したりした者もいたかもしれない。まあ、実際に100m以上の建物の上から飛び降りて空を滑空する人もいたからな」
「えっ、空を飛んだんですか?」
「魔法やペガサスのような生き物は無いけど道具は発達してたからな」
「そんな世界だったんだ旦那の故郷は」
「まあ、良いのか悪いのか戦争ばかりしていたせいで取り敢えずは戦争に勝つ為の道具が発達してそれが性能を落として民間に広まるって感じで道具が発達したんだ」
「旦那、そろそろ」
「悪い、戦争の時間に戻ろう」




