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スキルの活用方法 セイの日記  作者: 江戸の夜桜
アロン内政編
295/315

294  親心

「爺さん、良いけど秘密だぜ」


セイはセコンドのワタヌキ商会にワープして商会から領主の屋敷向かった。セイはシータとダイア通してギルバートが侯爵に面会を求めているので了承を得て欲しいと伝え暫くしてから『侯爵はお会いになるそうよ』という返事が返ってきた。


「爺さん面会の許可は降りたよ」


「どうやって連絡したんじゃ?」


「シータとダイアを通じてハルカと話したんだ」


「ほーっ便利じゃのぉ」


俺達は侯爵家の屋敷に到着し、メイド長に応接室へ案内された。


「お兄様どうしたのですかこんな時間に?それに王都に居られるはずでは?」


「済まんの、セイが今日、宰相殿と会ってのフォースの事で色々話をしたそうじゃ。そこでフォースの今後の事を聞けたそうじゃ。先ずフォースの街は子爵が治めるそうじゃ。候補は2人いてまだ決まっておらず周辺の村は切り取り放題と明言したぞい」


「なんでそんな事言ったのかしら?」


「それはちょっと釘を刺したんです。今回の戦争勝利してもあまりにもフロントやセコンドに利益がありません村一つじゃ割りに合わない。賠償と思っているかもしれないけど我々が勝った場合モレル家は取り潰される訳でその沙汰を下すのは王家、モレルの私財は王家が奪いかねないと思ったのでフォースに組する貴族を潰して私財を奪うつもりなんだけど分割統治って言ってたんでどうするのか聞いただけです」


「つまり王家はフォース以外は好きにしろって事ね」「そうじゃ」


「俺としては、明日関所を突破してくるフォースの騎士団2千を盗賊として扱い私財を没収、本隊を壊滅させた後、逆進行してフォースを包囲その間にフォース周辺の村の貴族を潰して回るので占領する村を決めて欲しいかなと思って爺さんに話したのですが」


「一族の者に打診して見ても口を揃えて戦場に出るのは嫌じゃと言いおった。勝った後、村の領主に推挙してくれるならその村の領主になる事も考えても良いとぬかすんじゃ」


「まあ!なんて事を言うんでしょ」


「そこまでして村の統治を任せとうはないんで今回の戦で活躍した者を推挙して領主に抜擢しようと思っておる故、ヘンリエッタを参戦させんか?」「えっ?」


「実際、王家の仲裁が入る迄にどれだけの村を奪えるのかが今後のフォース周辺の地図を変えて行きます。村の兵士達、せいぜい50人くらいを無力化すれば問題なく占領できますから。欲しい村だけ50人程度の兵を派遣して占領して宣言すれば問題なくその村の統治者になり上級貴族が認めれば晴れて領主の誕生ですね」


「ヘンリエッタと参戦の意味がわからないんだけど」


「儂もラインバッハを参戦させるつもりじゃ。こう言えば解るかのぉ」


「??????」


「次のフォースの領主には悪いけど爺さんとエリア姉さんは望む村を手に入れる事が出来る。やろうと思えばフォース以外の全ての村を占領できる訳でその1つをヘンリエッタさんやラインバッハ君?に任せてみてはと提案しているんですが」


「しかし、戦に参戦せねば村の民もこの戦に参戦した者全てが領主になる事を納得せんじゃろう。まあ、ヘンリエッタが嫌だと言うなら無理強いはせんがのぉ」


「2人に再起の機会を与えてはどうかと思って爺さんに提案したんです。余程の事がない限り戦闘らしき戦闘は無いでしょうが戦争を間近で見てもらいたいのと特にラインバッハ君には最前線に出てもらいます。1兵士としてね。お二人は特別と言う意識が強いので本当の特別を体験してもらいます。ヘンリエッタさんにはハルカの側についた方が良いかもし知れませんが」


「どういう事?」


「多分、セコンドの方が負傷者や死者が多く出るからですよ。ハルカは戦闘指揮も取るでしょうがもともとはいや本質は治療師ですからきっと進んで敵、味方の区別なく負傷者の治療に当たる筈です。

俺も帝国の内戦で帝都で野戦病院を開設して治療に当たりましたが自分がいかに無力で傲慢だった事を身に染みて思い知らされました。もっとポーションがあったら。魔力回復薬があったら、兵士達がポーションを持っていたら後少し早く此処に連れて来られたら目の前で助けられなかった命の事を暫くはずっと考えていましたから。あの体験は二度としたくないので今回の戦争ではやれる事は全てやりました。取捨選択をしてね。

自分の事は置いといて、貴族とは領主とはと考えてくれたら良いですね。戦争は・・今回は特に理不尽から領民を守る為に戦うのですから。まさに貴族や領主そして騎士達はこの時の為にあるのですから。


侯爵閣下1つだけ進言をフロントの兵士、傭兵にはフォース進行時、村民に対して略奪、暴行等の横暴な行為は固く禁じています。もしそれを行った者は村民の前で首を跳ねると伝えています。セコンドでもそれだけは徹底して遵守させて下さい。お願いします」


「あら、傭兵や兵士の稼ぎを何故奪うの?」


「此処ではそれが戦争の常識でしょうがそこに住む住民にとっては強盗と何ら変わりませんよ。民に憎悪の念を持たれて統治するのですか?力を持って鎮圧をするのですか?住民を恐怖で縛っても従う振りをするだけです。略奪行為をすれば村も村人達の心も荒廃して復興に時間もかかります。今後の統治の事を考えればデメリットの方が大きいですから。

爺さん俺、関所に行って指揮取るから行くわ。侯爵閣下、失礼します」


セイは部屋を出てそのまま関所に転移した。


◆◇◆◇◆◇◆◇


「お兄様、フロントでは略奪行為を禁止しているって本当?」


「フィフスを占領した時から禁止しとる」


「それでどう?フィフスの現状は」


「兵士達と住民との関係は特に問題ないのぉ。治安も以前よりは良くなったと言われているみたいじゃな」


「そう、兵士達から不満が出ないかしら?ハルカにも聞いてみようかしら」


「多分、同じ答えが返って来るじゃろうな。「どうして?」セイ達の居た世界の常識じゃそうな。軍には規律が求められ住民とのいざこざは軍にとって損失とか言っておった。占領した土地で軍が反感を持た住民が蜂起して軍がそれを鎮圧する。それが何度も繰り返されたら住民は減り生産性は落ちる。


それだけならまだましな方じゃ。住民が反抗勢力や他領の貴族と手を結び破壊工作なんかされたら目も当てられんと言っておったのぉ。兵士達が不満を持たぬように平等に臨時報酬や褒美を与えたりして不満を和らげるのも領主の務めじゃとそもそも領主がきちんと公平に利益の分配をしないから略奪しなければいけない事態になるんだとな、セイ達の世界はずっと戦争ばかり何処かでしておったようじゃその教訓から得たのが兵士達の略奪行為の禁止だそうな。

事実、フィフスでは上手くいっておる。治安が良く安心して住める街は人も増え発展する。統治する者が欲張って民や兵士達に富を分配しないから不平不満が出て欲張った統治者の真似をするんだともな。親の姿を見て子は育つ。親が領民達を苦しめている姿を幼い頃から見ているとそれが当たり前になって親が貴族は平民と違って敬われ尊い者で神から選ばれた存在だからと言って平民には何をしても良いし罰っせられないと言い聞かせていたら誰でも欲望のままに動くじゃろうて」


「考えさせられるわね。お兄様はラインバッハをどうするおつもり?」


「セイに任せるつもりじゃ。無理矢理にでも戦争に参戦させて性根を叩き直して貰う。多分、これがラインバッハにとって貴族になる最後のチャンスじゃからな」


「そう、私はハルカと相談して決めるわ」


「そうじゃの、女じゃからの。それがええ。おいとましたいがセイがおらんので王都に帰れん今日はロルフと共に泊まらせてくれ」


「お兄様がお泊まりになるわご案内して。それとハルカを呼んで頂戴」


◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆


「・・・・・・と言う話があってねハルカはどう思う」


「そうですね。略奪、暴行の件はセイ君と同じです。軍は規律を守るものという意識を徹底させなければ集団戦はできませんから規律を守らない者は処分する。これは私達の世界では常識です。一人の勝手な行動が全体を危険に晒す事になる場合もあるからです。それに楽しんで略奪や暴行を行う奴は軍に要りません。それなりに褒美や特別報酬を与えるなりして不満を軽減させればそれが当たり前になりますから。

私達の故郷の軍隊では新入隊員には新人教育を行い奴隷以下の扱いをするんです。奴隷以下と言っても衣食住は普通に与えられますよ。特別な訓練以外は。教官は普通の訓練意外に一般常識から少し外れた理不尽とも言える命令をだし、口答えや反抗的な態度を一人でも取ると教官の部隊全員に体罰を与えます。勿論、反抗して教官を襲ってくる者もいますが教官は殺さない程度に今後逆らえないように徹底的に痛め付け更に連帯責任として体罰を与え人間性を無視した訓練を行うんです。


場合によっては村に敵が隠れていて引き渡しに応じ無いから村を焼き反抗する者は殺せと命令されれば1兵士であれば普通の人間性を持っていれば拒否したくなりますよねでもそれが軍隊では間違いです。一人の兵士が哀れ思って一人の人間を助けたが為にその部隊の所在が知られその部隊が全滅したなんて事例は山ほどありますから。私達の故郷は平和では有りますが戦争の歴史を積み上げてきた血塗られた歴史なんです。その教訓の一つが占領してこれから統治する場所はもう自分達の領地であり住民達は同じ領民であるだから正当防衛以外の暴行、略奪、レイプは禁止されて当然なんです。占領を受け入れた時点で敵ではなく同胞となった人達に暴行や強盗をすれば犯罪でしょ。それに兵士達に分配するのは領主の務めでしょそれを自分の分け前からすこし多く兵士達に与えるだけで住民の信用が買えるのなら安いと思いますよ」


「なるほど。その通りね」


「因みにあまり薦めませんが支配する気が無いなら脅して財産を差し出させ領主が一度全部回収して分配するというのも行われていましたね。この行為や略奪はどんなに綺麗事や正統性が有っても突き詰めて見れば盗賊や強盗なんですよ。被害者からみたら」


「良く解ったわ。明日の朝、全ての兵士達にいかなる理由があろうが略奪、横暴な行為は禁止。それを破りたる者は衆知の前で処刑すると私の名で全軍に伝えて」


「承知しました。ヘンリエッタ嬢の事ですが本人望むかどうかですね。私の元にくるのでしたら人間扱いしませんから『人の命』を預かっていますから彼女う言う違う意味での特別扱いをしますよ。先程、私達の故郷の軍隊の新人教育訓練ようにそれでも構わないのなら私に付けて下さい。それと彼女にはこれを渡して下さい」


ハルカはメモを渡した「これは?」


「ちょっとした挑発です。私を選ぶかセイ君を撰ぶのかそれとも・・・うふふっ」













『貴女が特別なら私より優秀な所を見せなさい簡単な事でしょ逃げたければ逃げなさい貴女には下級貴族の側女がお似合いよ。  元侯爵閣下へ奴隷より』と書いてあった。







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