284 つかの間の休日2
「そもそも兄妹だから正式な約定なんて交わしていないし約定を正式に交わすのは王家は認め無いでしょうね。司令に聞くけどこれは貴方達のプライドを酷く傷つける行為よね。一時的にせよ騎士を辞めて傭兵になれって。ましてやお兄様ではなく血のつながりの無いセイ君からの命令だもの反発したいわよね。
何も無ければ書類は全て燃やしてしまえばここでの話しもなかった事にはならないわね貴方達の感情がそうさせるでしょうね。
司令、ハルカちゃん、セイ君以外この部屋から出て行きなさい。命令です」
侯爵の家臣達は侯爵の命令に従い全員部屋から出て行った。
『俺達以外3人いるけど護衛かな?まあ侯爵は知ってるいそうだからまあいいか』
「司令伏して頼みます。この通りです。セコンドを救って下さい」
「司令、俺からも頼む。フロントの騎士がなぜセコンドを守る為に傭兵になってまで命を賭けないといけないんだと思っているかもしれないがセコンドの問題だけではないんだ。
セコンドを突破されれば勢いに乗ったフォースのモレル伯爵率いる騎士団達が本命のフロントに攻め込んで来るのは火を見るより明らかだ。
俺とアルファ達とミリア達が出たら済むかもしれないがフロントなら出来るがセコンドでは傭兵としても俺は参戦できないんだ。ミリア達も俺の奴隷なので同じ理由で直接の戦闘は出来ない。俺は帝国アロンの領主だ皇帝の許しもなく勝手に他国の領地の争いに介入すると言う事は王国の威信を傷つける事になる。
せっかく和平へのテーブルにつこうとしているのにまた戦争になる可能性が出てくるだから戦闘に直接加わる事が出来ない。フロントに関してはフロントの民を護ると言う大義名分があるので話しは別だ。
俺は民を護るの為ならどんな手段を使ってでも最善を尽くすフォースが一万の軍勢でフロントに進軍して来て明日にでも関所は突破されるそれに呼応してモレル率いる王国騎士団と近衛がセコンドへ演習と言う名目で進軍してくるだろう。その数5千は下らない。そして王家の命令と勘違いしてあわよくばと思ってしゃしゃり出てくる貴族がサード方面から来る公算が高い現状セコンド軍が王国方面の進軍してくる軍に対して盾となってくれるがサード方面から来られれば側面から食い破られる。そして本命のフロントへ駒を進ませる事になりフロントはおよそ一万の軍と戦う事になる。だったらセコンドで迎え打った方がフロントへの被害は少なくて済むしこの戦争を最小限の被害で済ます事が出来るだから頼む」
「そう、上手くいくのですか?」
「ああ、フロントでは地形を利用して迎え討つのは500人と200人の傭兵だ。それで勝つつもりでいる」
「えっ?500ですか?」
「ああ、それで十分だフォースの1万はな。因みに俺は指揮ぐらいしかしないぞ少し小細工ぐらいするが」
「セイ君何かやった?」
「別に何もただ生産職の戦いをしただけさ。それがたまたま上手くいったというか見れば解るかな」
セイは2つの弓を見せた。
「コンポジットボウだね」
「それはハルカ専用だ風属性と聖属性を付与してある魔石を嵌め込んであるのでスペアの魔石を持っていれば数日使い続ける事が出来る。最悪上空から打ち続けたら無双出来ると思うがしないでくれ。因みにそれも同じです。風属性しか付与してません。好みがあるので両方作ったけど
それは弓を作る上での副産物一般の兵士にはそれの付与無しの量産型を配備してクリスの部隊全員にそれと同じのを配備した。
ここから本命で作ってる最中につい遊び心が出てちょっと矢に細工した。この4種類の矢を作ってみたんだ。試射すれば解るので訓練場をお貸し下さい」「面白そうね良いわよ」
セイ達は訓練場に案内されてセイは土の壁を5つ縦に並ぶように作り出しその土の壁から400m離れた位置にハルカ達を立たせて
「ハルカ的に当たらなくて良いから今から弓と矢を渡すので試してくれ」
最初に渡された弓は外れるどころか届きもしなかった。そして射つときに魔力を通すように言われて魔力を込めて矢を射ると的から外れて訓練場のかべに突き刺さった。次にこれが一般の兵士に配備した弓だと渡されもう魔力を込め無くていい普通に射つように言われて射つと的に当たったが刺さらなかった。次の矢は的の壁1枚を突き抜け。次の矢は5枚突き抜け訓練場の壁に突き刺さった。そして最後の矢は的に当たると爆発して的の壁を粉々にした。
「セイ君、自重した方がいいけどこの弓凄いね。素人の私でもこんなに離れた所から的に当たるなんて本当に凄いよ。ついでに私専用の弓も試して良いかな」
「Nタイプと属性ならいいよ。ほら、これ。と、まあこんな感じなんだけど、この弓矢が有れば射かけるだけで敵の兵力を削れるだろ?この作戦に参加してくれたらこの弓矢を全員に配備するし。傭兵の報酬とは別に俺からの報酬とし君達が希望する『魔鋼鉄』製の武器をあげる。その弓でも良いけど矢はフロント軍で管理するからあげられない」
「個人的な事に関わってきますので速答は控えさせて下さい」
「うん♪それが当たり前の対応だよね」
「此方からも報酬を提示します。通常の傭兵の相場の報酬と契約期間の間の食事、宿泊先の提供。その報酬とは別に撃破してくれたら成功報酬として各自に金貨1枚を約束します。少ないかしら?それとも傭兵団に金貨1000枚と言った方が良いかしら」
「わかりました。王都からセコンドまで普通に進軍して10日、フォースと足並みを揃えるのならフォースがフロントの関所を破った日に王都を出発するでしょうね。明日の朝迄にお返事差し上げます」
「司令、この作戦は強制参加じゃないから。契約が切れてフロントに戻った時点で源隊復帰して貰うからその点は安心してくれて良いよ。先に帰って部隊の者達と話し合ってくれ。俺も後からそっちに顔出すよ」
「承知しました。では失礼して退席させて頂きます」
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◆
「セイ君、面白い物をフロントは手に入れたみたいだけど当然セコンドにも提供してくれるんでしょうね」
「提供出来なくはないですが高いですよ」
「量産型で素材は『魔木』と『魔鋼鉄』。専用タイプはエルダートレントの枝とミスリル合金。長弓は素材で変わります。矢も同様で鏃は『魔鋼鉄』本体は『魔木』矢羽は魔木の葉を使っています。爆破型は使い捨てですし、貫通型も何割かは破損します。製造段階から部品ごとの特殊な加工が必要ですので普通の矢では同じ性能は望めません。一種の魔道具ですから。
それと簡易タイプの弓は身体強化や魔力を流せる者でしか扱えませんし、出来ない者達用は小魔石を組み込みその魔石を加工する必要があるのでさらに高価になります。現時点で素材の確保は俺だけしかできません」
「で、いくらなの?」
「ミリアこの弓相場じゃいくらするんだ」
「そもそもそれは量産型と言うがおかしいのです。専用タイプは私の弓と性能は遜色ありませんので大金貨5枚ってところで量産汎用型で大金貨2枚。魔石の加工抜きの交換型で大金貨1枚簡易型のコポジットボウで金貨50枚。長弓で金貨5枚ってところで。矢に関しては一本金貨1枚はするのでは?『エクスプロージョン』のスクロールと同じ値段に設定しました。弓は装飾抜きでの値段で後のカスタムは要相談でしょうね。それと矢筒に関しては内容によって値段が変わるので要相談ですね侯爵閣下にプレゼントされた物で白金貨1枚相当の代物です」
「確かに高いわねでもそれに見合う性能だもの欲しいけど財政がぁ~。セイ君なんとかならない?」
「消耗品だけ購入で後はレンタルではどうですか?」
「それと『釣り野伏』するつもりなんだろ。この麻痺毒を使え。それから華陽とポーラを副官につけるから色々相談すると良い」
「侯爵閣下と相談してどうするか決めるわ。おそらく王国騎士団が負けた時点でセコンド側の仲裁が入るけどサード方面からの進行は撃退だけじゃ旨みが無いので速やかに逆進行する必要があるし進行した貴族がサードの貴族でなくてもサードに抗議して宣戦布告して金貨一千枚稼ぎましょう」
「そうね。王国騎士団との仲裁はあくまでも王国騎士団とだけの仲裁だもの。サード方面の許可無き軍の進行は宣戦布告と同義喩えサード軍でなくても通過を許可したサードも同罪だもの王家はなんの要請も出していないのだから。少なくとも今回の戦費は回収する必要はあるわね」
「まあ、正直、進軍するのはサードしか無いと思うけど戦力を見誤らないようにしろよ。それと司令達は逆進行には使うな。撃退したら帰還させてくれ。フロントもフォースの占領で人手いるから速やかに帰還してフロントの守備に戻って貰わないと困るからな」




