266 パワーレベリング
ハルカSAIDO 会議が終わった後
「セイ君、シータちゃんとオメガちゃんを貸して♪パワーレベリングするから」
「そうだな今のハルカのレベルじゃいくら上空からの指揮だといっても心もとないな。魔の森の中層の基地に今から行こうか。ついでに召喚組のメンバーも何人か連れていくか」
「そうだね。それとアミカちゃんとサリーちゃん達も魔法を使えばなんとかなると思う」
「人数が多くても困るから希望者だけにしようか」「そうだね」
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場所は変わって魔の森中層の基地
「今からパワーレベリングをするけどはっきり言ってゲームのように強くなるわけじゃない。ライフポイントやMP、少しステータスが上がるだけでスキルが上がる訳じゃない。命がけで魔物と戦えばその限りじゃないけどな。この基地から外に出ると今の君達じゃ命を落とすと思う」
「じゃ、何でパワーレベリングするんですか?」
「理由の一つはフロントとセコンドで戦争が始まる。巻き込まれた場合少しでも生存率を上げる為と訓練はきついだろ?少しステータスを上げて基礎体力を上げて生きる為のスキルを身に付けて貰う為かな?訓練そのものきつさは変わらないけど内容が少し変わってくると思ってくれ。正直必要以上レベルを上げるつもりはないよ。急激なレベルアップは負担も大きいからな。
丁度、この基地の外周の掘りにフォレストウルフが落ちてるから魔法が使えるハルカとアミカは攻撃して仕留めてくれ後の者はアルファやシータ達がアルミタージをメインに麻痺状態で持って来るから仕留めるように。アルファ、シータ頼んだよ♪キャロットやオメガ達は魔物を追い立てて掘りへ落としてくれ。「「ラジャー♪」」ミーナとラピ、アップは護衛を兼ねてみんなが仕留め切れないような魔物の処理と解体を頼む」
「えっ!ミーナさんはともかくおいら達には荷が重いっす。ここの魔物ってBランクからCランクっすよね」
「一応動けない状態で槍を刺すだけだしイプシロンも待機しているから大丈夫だと思う。解体も毛皮がボロボロになっても修復出来るから気にしないで数をこなしてくれ。ミーナ達にはそのうちこの付近の探索や生態系の調査をしてもらうつもりだ。特にラピとアップには気配遮断と察知、魔力感知を鍛えて貰うつもりだ。この森で生き残る為には必須だからな。それと基地内は安全だとは思わない事だ。サイレントキラーが入ってくるから気を付けてくれ」
「若、探索って本気?」
「ああ、追々だけどな。魔の森付近の都市フロントやアロン周辺でも鳥がいないんだ原因は恐らくエルダートレントとフォレストボアだと思うが昆虫もあまりこの付近では見掛けない。この森の生態系は歪なんだ。後、植物採取も行って鑑定して図鑑を作ろうと思っている。この基地は謂わば訓練様に残しているんだ。ここ以外にも深層にもあるけどそこはクリスが管理している聖域だ。ミリア達でも危ない所だよ。
話しがそれたけどそろそろ始めようか俺は様子を見て大丈夫そうなら適当に採取や伐採をする」
それを聞いたミーナ達は青ざめた。
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ハルカとアミカ達のパワーレベリングは順調に行われた掘りに落ちたフォレストウルフやビッグボア(大きな猪)を防壁の上から魔法や弓で攻撃するだけなので比較的単純作業だった。本来ならハルカ達の魔法では威力も弱く仕留める事は出来ないのだが堀に落ちたさい脚や背骨等を骨折している為生きているが動けず重体なフォレストウルフが数頭いたのが幸いしてハルカ達の魔力が残り少なくなるまで魔法を打ち込み瞑想で回復しては魔法を打ち込むという事を繰り返し仕止めていき、仕止めた獲物をホワイトオウルのオメガが回収してラピやアップが解体する。そんな作業を繰り返した。
一方、召喚組の6人はと言うと一応希望したので連れてきたが槍とはいえ生き物を殺すという事に忌避感を覚え麻痺して動けないアルミタージ(角の生えた大きなウサギ)を殺す事が出来ずにいた。そこで業を煮やしたミーナがアルミタージを弱らせ杭に立たせて縛り付けてレベルアップが必要だったマリナに目隠しをして槍構えさせてアルミタージの方向に力を込めて背中を押した。セイが渡した槍には『刺突』『貫通』を付与したミスリル製の短槍でアルミタージの胴に見事に突き刺さりアルミタージの命を奪った。
「イヤ~ャ!」マリナは悲鳴をあげてへたり込んだがミーナは一喝した。
「お前達は肉を食わないのかな?あたい達は他の命を奪って生きているんだ。お前達は弱い!心も身体もそして生きていくためスキルさえ無い上に覚悟も無い。アイテムボックスを持っているなら尚更危ないんだよ。ここでは命は自分で守るのが当たり前なんだよ。はっきり言って朝の訓練は子供の遊びだ。村の子供はお前達の年齢になる前から魔物のいる場所で薬草なんかを採って生きているんだよ。お前達は護衛もなく街の外に出られるのか?最低限の事はしろ!お前達は望んで此処に来たんだろ。甘えるな!
ラピ、アップこいつら魔物を殺せ無いらしい。このアルミタージの解体を指導してやらせな。時間の無駄だ。戦争が始まるんだ自分達は安全だなんて思わない事だね」
「やれやれ困ったもんだ。はっきり言ってこれは作業でしかないんだ。忌避感を持つのは解るけどお前達は日本でも魚や肉を食べていたんだろ?パックに入った肉の元は牛や豚を誰かが屠殺して加工して売られた物なんだぞその事を理解しろ。ミーナ少し甘いかもしれないけど召喚組の女子だけ小屋に入れてくれ。男子はアルミタージの解体をしろ。ラピ、説明だけして手は出すな。
みんなに言っておくけどこの世界で安全なんてものは何処にもないんだ俺だって街中で何度も襲われているしこの森で何度も死にかけた。生きる為の努力と覚悟の無い者は死ぬ。一瞬で楽に死ねたらまだましだ。人しての尊厳を奪われボロボロになって死ぬのも珍しい事じゃないんだ」
「本当にそうだよ。はっきり言って君達邪魔なの。私なんて帝国に召喚されて脱走した迄は良かったけど戦争に巻き込まれて手足を切断されて奴隷として売られたの。たまたまセイ君と出会って助かったけど運が良かっただけ、君達は運が良いだけなんだよいつまでもセイ君が君達を護ってくれるなんて思っていたら見放されるよ。今の君達は何も出来ないお荷物なんだからね。セイ君の奴隷でも無い君達はセイ君が護る義務はないんだから甘えちゃダメ!それにこういう事をするって解ってついて来たんでしょ?やる気が無いなら小屋にでも入って私達の邪魔はしないで!
それに異世界人だから優遇されるとは思わない事ね。アロンの街で500人以上の人材をセイ君は手に入れたの。君達はその人達より劣っているの。君達の価値は下がるだけよ。アイテムボックス?鑑定?世間一般では価値があるかもしれないけど私達にとっては無価値なの。君達の能力よりもっと性能の良いマジックアイテムを作れるし、計算能力?小学生レベルしか無いでしょ半年もしたらアロンの住人達に追い付かれるよ自分達は今何ができるの?セイ君が護衛を付けて迄安全を確保する価値があるの?自分達の価値を示しなさい」
「ハルカ、もうその辺で良いだろ。女子に関しては難易度を下げる。男子に関しては正直ハルカの言う通りだと思う。生産性もなく街中でさえ護衛が必要で街の外にも出れない者にどんな価値があるのかな?今のままで契約が解除されたらどうするんだ?君達の財産なんてすぐ食い潰す事になるぞ。冒険者ギルドで護衛依頼の依頼料金見たはずだ。Dランク冒険者で一人だいたい一日食事付きで銀貨1枚普通はパーティ組むし一人だけじゃ済まない。奴隷を買うても有るが良い奴隷はそれなりに高い上に衣食住を保証する必要がある。奴隷に護衛してもらうなら3人はいるだろうなぁ。君達の財産でどれだけ維持出来るんだろうなぁ。よく考えて覚悟決めな」
「でも鑑定で強くて欠損した奴隷を買えば安く済むでしょ?」
「クリス、欠損を治す治療費はいくらするか教えてやってくれ」
「白金貨5枚は下らないかと」「だそうだ」
「でもセイさんなら欠損治せるんでしょ?」
「何故?君達に貴重な薬や能力、時間を使わないといけないんだ?君達に白金貨5枚以上の価値が有るとでも思っているのか?君達はこの世界に召喚されて何か必死で努力したのか?俺が君達を助力したのは単なる気紛れだ言われた事だけしてれば良いなんて思うなよハルカが言った通り君達を優遇して保護する義務なんてないんだからな。何時でも切り捨てられると思ってくれて構わない」
「でも契約が有るでしょ」
「雇用契約は確かに結んだけど雇用内容に契約の打ち切りの条項は書いてないよ1年たったら君達が残るかどうか決めるという内容だ。罰則事項もないし、雇用主は何時でも解雇出来るんだよ。日本の民法でも銘記されている。日本の場合は労働基準法があるから解雇を言い渡されて2週間は会社に居ることができるけど君達は俺が帝国から勝ち取った本来なら貰えない財産が有るんだ問題無いだろ?」
「だから、甘えるなって言ってるのよ加護持ちが何らかの努力をしていたらスキルが育つのよでも君達は何の変化も無い。この事だってそうでしょ楽してレベルが上がる?確かに楽だわでも経験や技術がないとレベルなんて意味無いの。正直レベルを上げて意味があるのは女子だけ」
「俺も甘いと認識させられたよ。まさか君達がこんな考えでいるとはね。後一月で自分達の価値を示してくれ価値を示していない者は契約を破棄する。評価はハルカとミーナに任せるから頼んだ。それと悠斗は俺と一緒に森に入るからそのつもりでいてくれ」




