表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルの活用方法 セイの日記  作者: 江戸の夜桜
アロン内政編
265/315

264  ヴァーサの進軍

 フォース軍は兵士を動員して領内の各村から食料や穀物を徴収した。その為、もともと食料や穀物の生産力に乏しく主な産業は鉱山から採れる鉄鉱石の輸出だったフォース領内では長年にかけての採掘で鉱山周辺で鉱毒が地下水を汚染して作物が収穫できず一気に食料が高騰した。利に敏い商人達もそれに便乗して食料や穀物を買い占めたのも食物高騰に拍車をかけ領民達を苦しめた。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◆


そして此処は王城の一室3人の男性と一人の女性が懇談していた。


「フォース軍が集結してセコンドかフロントに進行するみたいなんだがどうしたら良い?」


「フォース軍の進行ですか・・・」


「別に王家に泣きついて助けて欲しいって訳じゃ無いのは解っているよな。王家としてはどこまでが許容範囲なんだ?それを聞いておきたくってって面会を申し出た」


「勝負は水物ですから・・・」


「本気で言っているのか?」「いえ冗談です」


「まあ、セイそう上から目線で威圧するな。宰相殿も困っておる」


「確かに勝負は水物ですわね。でもね宰相殿フォースが全軍率いてセコンドかフロントに進軍してたとしてもセイ君抜きでもフォースを陥す自信は有るわよ」


「それはどういう事ですか?」


「フォースは情報収集が甘いのよ」「うむ」「確かに」


「セコンドのとフロントの兵力を見謝っているんだもの当然でしょ。はっきり言ってフロントやセコンドの兵力を合わせれば今のフォースの全軍兵力はあるもの片方に兵力を傾ければ手薄になったフォースはどうなるでしょうね」


「フロントは確かに今は手薄じゃが防戦なら出来るしのぉ。それに後、数日で主力部隊もフロントに到着する予定じゃ」


「私達は兄妹ですもの協力するのは当然でしょう?勝ち目が有るのに協力しない訳無いじゃない。それにセイ君以外でも優秀な軍師がいるしね」


「ああ、俺が一番敵に回したく無い奴がいるな。それは置いとくとして今回は俺も出るし防衛戦を受け持つつもりなんだが何処までやって良いのか解らなくってな。はっきり言って撃退だけじゃこっちとしては不満だ。色々戦略は考えられるが俺と仲間達だけでも手段を選らばなければフォースを壊滅させる事も出来るんだけど落とし所が解らないんだ。撃退しても此方も損害が出るしフォース自体に魅力を感じないし勝ち過ぎてしまうのも問題だろ?」


「本音で言えば確かに勝ちすぎてしまうとあなた方の勢力が増して王家にとって余り良い事ではありませんね」


「じゃあ、こうしない?王家が適当に介入して戦況次第だけど境界線を引き直してちょうだい。私達が勝ったらお互いの村一つづつ貰うわ。フォースが勝ったらフォースの望むようにしたら良いわその辺は王家の判断に任せるっていうのはどう?それと捕虜に関しては従来通りで」


「それでかまいません。適当なところで介入しましょう。フォースの街を壊滅させるのだけはお止め下さい」


「ああ、解った。ただし村や関所は補強するがフォース軍がフロント領内の村を焼き討ちした場合はその限りではないと付け加えさせてくれ」


「そうね。村を焼き討ちされたら村一つじゃ割に合わないもの。此方の兵士だって憤るでしょうし抑えが効きにくくなるわ」


「それに俺は領主いや貴族になった時一つだけ決めている事が有るんだ。義務を果すってな。俺は誰にも忠誠は誓わないが義務は必ず果す。王や貴族の最大の義務は民を理不尽から護る事だと俺は思っている。その為だったら俺の能力を最大限使う。喩え何が敵に廻ったとしてもな。今回はフォースの一方的で理不尽な理由で侵略行為を行おうとしているそれに加担する者は容赦しない。その事だけは伝えておく」


「セイ、我々は王国を混乱させたくないのじゃろ。だからこうして宰相殿と懇談しておる。宰相殿、王家の思惑もあるじゃろうがフォースを奪おうとは思わぬし王国を混乱させとうもない。我々が勝ったとしてもフォースを占領して我々の領土とするのも望ましい事だとも思わぬ。ただのぉ、フィフスもそうじゃったが野心を持つ者が多いのも確かじゃ。

今回は儂らが隙を作ったのは事実じゃが戦争の口実を与えた覚えは無い理不尽に対して民を護る姿勢を見せなければ他の領主から嘗められまた理不尽を押し付けられる事になる。だから戦うんじゃ。仲裁をするのならその点を留意して公正な仲裁を願う」


「セコンドとフロントの言い分は解りました。フォースの侵略は現段階では可能性として聞いておきます。実際に事が起こった時は公正な判断の元に裁定を下す事を誓います。またフォースの領主は近衛の士官ですが近衛や騎士団を動かす事はさせない事もお約束します」


「あら、別に近衛や騎士団を使っても構わないわよ。その事も折り込み済みですから」


「これこれ、そう煽るでない。その時はその時じゃて儂らが望まぬ戦禍が拡大するだけじゃ。信用が置けぬ王家と決別するだけじゃからのぉ」


「爺さんこそ宰相を脅すんじゃないよ。仮定の話しだがフォース軍が進軍を開始して関所を破り進行して来たら撃退して数日でフォースを包囲して降伏を呼び掛けるが抵抗するなら外壁を破壊して容赦なく街を占拠するつもりだ。仲裁のタイミングを間違えないでくれ。それと、王家の仲裁を飲まなかった場合はこっちは勝手にやらして貰うし、近衛や王家の騎士団が全軍出てきても構わない相手になってやるから」


「使徒の力は封印されたのでは?」


「ああ、王国との戦争のことか?悪いけどあの程度じゃ広域殲滅魔法を使うまでもなかったよ。ハンデを付けて魔法は使わず戦ったが後続は一時間持たずに壊滅したぞ。烏合の集団だからかもしれないがな」


「では、王国軍の半分はセイ様の武術と数頭の従魔で壊滅したと?」


「そうだ。勝手にパニックに陥り自滅してくれたよ。指揮系統がバラバラだったのが災いしたみたいだし、パニックなった兵士を立て直す素振りもなかったな。はっきり言って帝国軍の方が戦術面では優れていたな。内戦を空から見ていたがきちっと統制が取れていたぞ。帝国の弱点は広がり過ぎた領土にあるのと長年に渡っての戦による疲弊だ。帝国が防御にまわり国土が回復し、多方面作戦をやめた時は気をつけな。今のままじゃ敗れるぞ。たった一人にかき回されてパニックになって指揮する者がいなくなる軍隊なんか集団の意味はないからな。正直近衛だろうと王国騎士団だろうと怖くは無いさ。俺ともう一人が指揮を取るしもう何人かは副官として育てようと思っているから問題はない」


「そう言われるのでしたら此方の思惑も有りますので勝手に振る舞う騎士団や近衛にたいしては放置します。これはお願いですが出来たらなるべく殺さないで下さい。騎士団や近衛の被害が心配ですので」


「確約出来ないが配慮しよう。その代わり騎士道精神なんて言わないでくれ」


「あら、宰相殿近衛や騎士団の被害を最小限にって虫が善すぎないかしら?此方が勝利したら何か配慮して下さいな」


「そうですな。侯爵閣下、近衛や騎士団がこの戦いにフォース軍の味方として参加してその上で双方最小限の被害であなた方が勝利したのならフォース伯爵家をとり潰し分割統治であなた方の一族の誰かを推挙して下さい。出来たらその者を今回の戦いに参戦させて武勲を上げて頂くのがベストですね」


「無難な所ね。ただ山岳部は問題よねあの辺りの土地は作物が育たないじゃない?そんな土地を領地として貰ってもねぇ」


「その辺はどうなんだ?」


「分割しても山岳部は誰も欲しいと思わぬじゃろな」


「だったら山岳部と平地を切り分けて分割統治させて誰も欲しがらなかったら俺にくれ錬金術や魔法の修行の場にする。アロンでは鉄は取れなかったから丁度良いし爺さんも弟子を育てるのに丁度良いじゃないのかな?作物が育つ場所は含まないで適当に割り振って構わないからどうだろう」


「確かに鉱山はフォースの主要産業じゃどうしたものかのぉ」


「どのみち分割統治となると男爵か子爵迄の下級貴族になるんだろ?だったらどちらにせよ近隣の上級貴族の寄り子になるしかないと思うけど」


「そうですね実質的フォースの解体ですね。街そのものは残るでしょうが・・・」


「まぁ、今のところは服案で良いじゃろ宰相殿の希望が叶うかどうかも解らんからのぉ。儂らはさっきセイが言った通り動くから王家が仲裁に入るのならタイミングを見誤らぬ事じゃ」


「そうね。一応、御忠信だけはしたからね。私達が勝った場合の事だけ言ったけど負けたら好きに采配して良いわ」


こうして会談は終わり宰相はため息付き、「セイ様が参戦するならフロントとセコンドの連合軍が負けるはずない」と溢し、配下の者を呼びだしフォース領内の事を探るようそして近衛や騎士団の動きを逐次報告するように指示してから数日後宰相の元にフォース軍がフロントに向けて進軍を開始したのとの報告が入りそれから更に数日後、フォース軍と呼応するように騎士団の一部と近衛の部隊3千が軍事訓練との名目で王都をセコンド方面に向けて出発したと報告が入った。


宰相はその報告を聞くと女王陛下に上申し女王は近衛騎士団団長に500騎の近衛兵を率いてセコンドでの戦いを見守り決着が付き次第介入するように命じ、宰相には仲裁の全権委任を託し丸投げをした。


王家にとってフォースがどうなろと問題ではなく戦禍が拡大してセイが介入する事を恐れた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ