252 組み立て式家具
「ブラーム、俺の屋敷で35人を保護しているのは知っているか?」
「詳しくはまだ報告が上がっていません。倉庫のトラブルの事でしょうか?」
「そうだ、事情聴取が行え無いくらい全員衰弱していた。今日中に事情聴取を受けるのは無理だと思う。詳しい報告が上がるのは明日以降だと思ってくれ。それと外壁部の厩舎の事だが水飲み場や穀物倉庫、餌箱の準備が出来ていないが今日中に完成させるからスラムの住民で働きたい者は明日から働いて貰ってくれ。賃金は1日銀貨1枚ではどうだろう?」
「多すぎます。賃金は私達に任せては頂けませんか?作業内容によって決めさせて下さい。それと仮設住宅ですが移動できる者は移動させて2ヶ月の間は家賃を取らず朝はパンを1個配給して炊き出しも1日一回にしてこちらが発注した仕事に限り昼食を提供して賃金を相場に抑えたいと思います。セイ様は働き過ぎです。セイ様が動くとなにかと別の問題が浮上してきます。今回もそうです感染症は見逃せませんが、人員にも限りがあります。帝都から5人くる事になっていますがそれでも足りない勢いです。現在、引退した下級官僚を臨時で召集している最中で防衛庁や警察庁も再編に当たり300名の増員を考えている所です。
馬に関しても先日千頭の馬も合流して農具を返還したいとゼルフ将軍から伝言がありました。そろそろ馬の事も説明して下さい。商業ギルド本部からセイ様に一度会わせて欲しいとオファーが来ています。出来たらセイ様に秘書官を着けさて頂きたいのですが良いでしょうか?」
「神様が面白がってやっているんだろうなぁ。スラムの住民達の事は任せる。秘書官は暫く待ってくれブラームの方が必要ならつけると良い。俺の場合クリスしか思い浮かばないんだ。
王都や帝都の屋敷の事もあるし帝都には放置している6つ?の商会もあるし放置して抱えている私的な懸案事項が20近くもあるんだ。アロンの領主の仕事を除いてな。
今日、懸案事項の一つであるアロンの商会の金庫や倉庫の整理をしようとしてこのありさまだ。倉庫で倒れていた者達も1日発見が遅ければ何人かは死んでいた。話が逸れたな。馬の事だったが、馬は選別して皇帝陛下に今回の内乱と王国の戦争での褒賞として下賜される馬を献上する。のと王国の王家の馬を返還する事になっている。その前に特殊な馬も選別しておく事になる。成体になると人の手に余るからな。そして残った馬達を最低金額を決めて一回切りの入札制のオークションを皇帝陛下の協賛として開催して売却するんだ。
売れ残った馬は皇帝陛下が一括購入した形にして帝国中の各村に下賜されると言う手筈で帝国宰相補佐官に話を通してある。それと商業ギルドだが王国で高値で売るつもりだろうが無理だと思う。既に7千頭を捕獲してセコンドで貴族達に売却する準備をしている。王国でも馬の価格は落ちつくだろうな」
「馬の事はまだ聞かない方が良かったですね」
「奴隷市と同時期に開催するつもりだったんだ。そろそろ準備をするべきだろうし人が集まるのなら歓楽街に手をつけておく必要があるから丁度良かったのかも知れない。
馬市に関して言えば厩舎の周りに壁を巡らし会場を作り入場料を取って入場料を払った者は誰でも入札できるようにして馬に厩舎の番号と馬の番号を着けて馬の側に馬の番号を書いた箱と紙を置いて馬の前には最低落札金額を表示して、紙に氏名と購入希望金額を書いて貰いその場で入札。全部の馬の箱には俺が最低落札金額を書いた紙でも入れて置いて売れ残りは無いように見せる」
「支払いはどうするのですか?カードでも現金でも構わないようにして馬と引き換えに即座に引き渡す」
「引き取りに来なければどうします。次点で高値を付けた者が落札者となる。他に誰も入札者がいないのなら最終的には俺の物になるが落札して放置や金が無い者は妨害行為と見なし失格として反則金を金貨10枚と慰謝料として馬を入札した金額を徴収するさ。
この方法は事前に今回馬を買いに来た業者や商会、貴族達を集めて説明会を開く。多少の混乱はあるだろうがなんとかなると思ってる。一応簡単なゼッケンと立て板、木箱の用意が必要だし、値付けをする者を雇う必要があるからアロンで馬を取り扱っている者達も参加させてみようと思う。準備に2ヶ月は必要と思ってるけどどうかな?」
「大きな馬市ですから行政も参加しても問題ありませんし収入から10%の税金を頂いても相当な金貨になるので企画段階から部下を派遣します。今回もセイ様が動くおつもりであればお止め下さい。オークションのアイデアを頂き部下に祭りとしてやらせます。選別と壁や追加の施設に関してはお願いしますが、部下達の仕事を見守ってやって下さい」
「了解した。その方が助かる。後、歓楽街だが今回だけは感染症治療は無料で俺がやる。だから多少譲歩は認めるが元締めに診療所の設置と健康診断を認めさせろ。
承認や認可で徴収する金は診療所や健康診断を行う上での維持するための費用だ。その分客に解らないように上乗せするか安全対策として理解を求めるかしろと言ってくれ。
後は薬の値段だが白茸がどれくらいで取引されているか調べてくれ。銀貨1枚までに抑え診療所で仕様する場合は半額こちらで負担してやれば店や遊女達の負担も少ないし大事な商品なんだから元締めも呑むと思うんだ。それとも客から10%程税金を徴収して財源にするかだな。こちらが容認できないのは感染症の拡大につながる部分だ。
元締め達が行政の関与を嫌がり自分達で管理すると言うのなら一度引け、引く間際に歓楽街で感染症に掛かっている者が見付かった場合は強制的に立ち入り歓楽街を潰し感染症を広げた罪で全員を逮捕して娼婦達を管理下におくと伝えてくれ俺はこの件に関しては本気で取り組むつもりだ。
明日の夜は仲間と共に歓楽街に視察を兼ねて繰り出すつもりだ感染症を1日でも放置するとそれだけ感染者が増えるからな。本当なら今日にでも行って歓楽街の現状を把握したいんだがさすがに倉庫で倒れていた者を放置も出来ないからな」
「承知しました。歓楽街の元締めとの交渉はお任せ下さい。それと守備隊もとい防衛隊とゼルフ将軍から組み立て式のベッドの問い合わせが有りました。夜営に使える上に今回の宿舎にも使えると木工ギルドのマスターも木材を切って金具を埋め込むだけなので熟練者は必要ないので人を雇って作れるので作らせて欲しいとの事でした」
「産業になるなら作らせてやれば良い。鍛治ギルドには金具を発注して材料費を合わせて原価計算して値段を出して防衛隊とゼルフ将軍に交渉してくれ。
あの組み立て式なら簡単な箱型の3段ボックスを作ってやれば棚やタンスの代わりになるし安価で出来る筈だ。色々故郷のパクリだが組み立てを省けば生産は上がるし価格は下げる事が出来るので見本を幾つか作っておくので受け入れられる物は作ってくれ。代表的なのがこれだな」
セイは3段ボックスを作り出しブラームに見せた
「これが多目的の棚だ用途に合わせて何にでも使える。例えば食器を置いて埃が被るのが嫌なら薄い布の端切れで前の部分を隠せば良いし衣服を畳んで置く事も出来る。側面に空いている穴にピンを差し込みこのように棚の高さを変える事が出来る。これを応用して上部に丸い棒を取り付けハンガーをかけると衣装棚にもなる。衣装棚は貴族達の使用人達ぐらいしか使わないだろうけどな」
「ハンガーとは何ですか?」「衣装を掛ける道具だよ」
セイはハンガーとパイプでハンガーラックを作り「これがそうだ」ハンガーを見せ自分の上着を取り出し使用法を説明して見せた。意外とハンガーを見てブラームのメイド達が食い付いた。洗濯であったシーツ等で場所を取るが衣服も袖をロープで通す為に場所と時間を取りロープを外すタイミングを間違えると洗濯のやり直しであった。
「ハンガーは必要なら作って貰えば良い。考えたら屋敷の人間は生活魔法ぐらい使える者が多いし俺も自分で毎日使っているから洗濯出した事無かったんだ。組み立て式の特徴は正確に寸法が出せて正確な位置に穴を開ける事が出来たら作れるってのが特徴かな。木ネジやネジが要るけど組み立てには道具さえあれば短時間で組み立て出来るから下級兵士達や寮なんかの家具にお勧めかな。需要があれば作らせて見ると良い。
話し込んで時間が立ってしまった。馬達の設備を完成させてくるよ。完成させたらそのままフロントに直帰する」
セイは外壁部の厩舎に飛び馬達の水飲み場、穀物倉庫、餌箱は作業中に多重思考でインベントリの中で作り出し、一応、フロントの設備と同じように作り、穀物の入っていた袋を全て収納袋にしてハルカ達の元に行き様子を聞いた。




