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スキルの活用方法 セイの日記  作者: 江戸の夜桜
アロン内政編
251/315

250  歓楽街(花街)の感染症対策


「ブラーム、多分、日常的な事だと思うんだけど、今日、商会の倉庫でトラブルがあって盗賊や奴隷らしき者が瀕死状態で見付かった。そうなった原因は商会の所有者が変わって倉庫の鍵がリセットされて閉じ込められたと推測されるんだけど。本題はそこじゃない。その盗賊らしき2名が感染症に掛かっていた。感染元は不明だけど一応、歓楽街の感染症対策はどうなっているのか?というのが1点、今後の対策もあるので薬師ギルドのマスターと警察長官、冒険者ギルドのノースを呼んでくれ。待っている間サリナに聞きたい事があるから退室してくれ」「承知しました」


「御主人聞きたい事って何ですか?」


「スライム粘液の事なんだ。どこで手に入るのかな?」


「まあ!御主人様ったらそんな物使わずとも生」


「違う。そっちの事じゃない!俺達の故郷では薬の投与でチューブが使われているんだけどそのチューブの材質が聞いた話しだとスライム粘液が固まった物と似ているんだ。チューブがあれば今回のように衰弱が激しくて経口摂取が出来ない場合や胃液で薬効が無くなるような薬を血管に直接投与する事によって命を助ける事が出来るようになるし実験して見ないと解らないけどいろんな用途に使えそうなんだ」


「なんだ。そういう事ですか。スライム粘液は冒険者ギルドでのクエストになりますね。スライム粘液は増えすぎたスライムを処理する時にバケツに入れてスライムの核を潰すと皮膜と核の残骸、液体が残るので液体だけ冒険者ギルドで買い取っているんです」


「ふーん。スライム粘液って例の物以外でどんな使われ方をしているんだ?」


「それ以外聞いた事は無いですね」


「例の物だけだとスライム粘液の需要は少ないだろ?」


「スライム粘液の取り扱いが面倒なんですよ。空気に触れると24時間程で固まってきますから保存が効かないんです。1個体で取れる量もそれほど多くないんですが採取は比較的簡単なので受注して必要分だけ取るって感じですね」


「スライムって結構なんでも溶かしてしまうってイメージなんだけど粘液は危なくないのかな?」


「ああ、そんなイメージありますけど皮膜、粘液、核と別れていて核は石のように硬いもんじゃなく消化器官でもあるんです粘液部は捕獲する為の物ですね。ただ核は粘膜から出すと直ぐに固まるので勘違いされますけどね。酸や毒を飛ばすスライムもいますが核から生成された物を粘液部分を上手く使って押し出しているんです」


「よくスライムの事知っているな」


「子供の頃スライムって不思議だと思って飼ってよく観察していたんです。因みにスライムも魔物の一種なんですよ核を割れば本当に小さな魔石が出てきますから」


「分裂はだいたい想像がつくけど合体はしないのかな?」


「合体ですか?核と魔石が融合すると合体も出来るかもしれないですが自我が無いから普通は合体はしませんよ」


「自我を持つとか・・・・有用だったらテイムするのもありかな。取り敢えず捕獲して粘液採取した方が依頼するより早いかなぁ」


「加工するならその方が良いと思います。それとも捕獲だけ依頼してみれば良いのでは?馬が1万頭もいるんですから」


「そうだな。実験するにも、粘液を加工するにも今は素材も時間も無いからちゃんと全部整理して寝る前の趣味程度にしておかないと困った事になるな。ありがとサリナ」


「セイ様、全員集まりました。通して良いですか?」「いいよ。入ってもらって」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「急な呼びで申し訳無い。俺の所有する商会でトラブルが合った事はこの中の数人には報告が入っていると思う。現状どういった事情で3つの倉庫があのような事になったのかは想像はつくが現在警察庁の方で調べていると思うからその件は結果がわかり次第長官の方からブラームに報告してくれ。「はっ」

 問題は倉庫で倒れていた者の中から2人の感染症を持つ者がいた事なんだ。感染症事態それほど強力で死に至る病じゃ無いがその感染方法がまあ粘膜感染のため色々問題が出てくる。特に警察隊の場合は感染確率は低いが怪我の傷口から感染しないとも限らない。妻帯者が万が一感染した場合等メンタル面での被害が大きい。それで現在歓楽街での感染症対策は行政の側で何か手を打っているのか知りたいのと今後の対策をどうするのかそれを相談するために呼んだんだ。まず現状、行政として感染症に対して何か対策をしているのか教えてくれ。ブラーム」


「現在、歓楽街の感染症に対しては店の自主性に任しています。行政としては何もしていません」


「長官の方から警備隊の頃からの慣習や独自に何かしている事はないか?」


「隊員達が歓楽街で楽しむ事は禁止はしていませんが予防を徹底するように指導しています。警備、巡回に関しては長くなるので省かせてもらいます」


「冒険者ギルドは聞かなくても何もして無い事は判っている。自己責任だもんな」


「その通りですが、そこまで言わなくても言わなくても・・」


「よく解った。官僚達に関しても野放しと言うことで理解するがそれでいいな?」


「官僚達は貴族の出が殆どですのでそれなり教育を受けている筈です」


「じゃ、それなりの教育を受けている諸君に聞く歓楽街で起こりうる感染症はどういったものでどういう症状で感染が拡大した場合どうなるかその治療方法は?答えられる者はいるか?」


「「「・・・・・」」」


「黙り込んでしまったな。別に責めている訳じゃない。はっきり言って医療に携わる聖女でさえろくな知識を持っていないのに諸君達が知っている方が驚きだから。はっきり言って感染症は放置出来ないんだ。特にスキンシップを普通に行う風習のあるところでは。

 回りくどく感染症と言っているが性病は粘膜感染つまりセックスしたら感染すると思われるがちだが低い確率でもキスや怪我からでも感染する。淋病の場合、女性は無症状の場合があって不妊の原因にもなり得る。まだ淋病なら死亡率が低いが、梅毒、此処であるのか知らないがAIDS免疫不全症候群なんかがポピュラーだけどこれらの場合は重症となると死に至る。多分、諸君達の知識はオークの腸なんかを使うようにっていうのが教育されているのが関の山だろな。それも教育と言えば教育なんだけどせめて感染症についての知識を受けて教育を受けたと言ってもらいたい。

 さっきも言ったが軽い感染症でも男性、女性問わず男女間の不審を招くし貴族にあっては不妊は死活問題だ数は少ないが男娼もあるんだろ。それだけじゃない。普通の疫病と言われる病気も密接するから感染率が跳ね上がる。男だけの病気じゃないんだ。特に歓楽街では不特定多数の人間を相手にするから感染源を見つけ難いし感染症をばら蒔く事になりかねないし、戦争では略奪、暴行は当たり前に行われているようだ。倫理観の問題だろうが盗賊は婦女に対し暴行に及ぶケースは多いと思う。そういった輩が金を持ったら大概、酒や女に使うと思うんだが違うかな?街中に居れば遊廓や娼館で遊ぶだろ?それだけその技能に長けているしその傾向が高いから情報提供者として仲好くしているんだろ?長官。感染症が歓楽街で蔓延した場合の危険性は簡単だが説明した。各部署ではどうする?俺のいいたい事は以上だ」


「行政としては注意喚起するしか手はないかと」


「ふーん、果たしてそうかな?何のための権力だ。領民の生命や財産を守るために法を作り権力を振るうのに躊躇う必要があるのか?それとも何か出来ない理由があるのかな?ブラーム、長官」


「「そんなありもはん」」


「二人とも訛ってるぞ。なにゆえ鹿児島弁に通訳されるのか不思議だが。ブラームも男って事だし長官は別の理由ってのは知ってる。ブラームは行き付けの遊廓があって馴染みがいるんだろ。長官は元締めと仲が良いんだろ捜査の協力者でもあるし、隊員達の小遣いも貰っているようだしな」


「「何処さで知っただ」」


「咎めるつもりは無いさ。行き過ぎた優遇はして無いし警察隊の給料も安いしな。ブラーム次年度からの防衛隊と警察隊の下級職員達の給料を見直せ。話しはそれたが感染症に対しては歓楽街の為でもあるし街の為でもある。一応、元締め達と話し合う必要はあるが、


1 歓楽街の出店は許可制とする。

2 娼館や遊廓は月に一度の健康診断を義務付け、女性の接待を伴う飲食店は3ヶ月に一度の健康診断を義務付ける事とする。

3 感染症になった者は完治するまで客を取らせる事を禁じる。もしそれを違反した場合は店を潰す。

4 許可制を無視して営業して感染症患者を一人でも出した場合は店を潰すだけで無く関係者全員を犯罪者として処罰する。

5 歓楽街に診療所を設置する事

6 感染症を出した店は感染症患者を放置せず必ず店が責任を持って治療する事。


 これを元に風俗営業法を作れ草案を早急に作って元締め達と裏で話し合いをして合議上で俺を納得させろ。それと歓楽街に診療所を設置の件だが薬師ギルドから1名、出来たら冒険者ギルドから治療魔法が使える者を1名2人を定期的に交代で配置して健康診断する者は鑑定レベル3以上の者を2名以上で当たらせろ。俺からの提案はこれくらいだ」


「とても元締め達が呑むとは思えません。店を持たず客を取る者達はどうするのですか?」


「さっき言ったのは店用だ。個人は取り締まるなり、免許制か許可制にするなり考えろ。それと交渉するのに相手が納得できるものを出してどうするこれでも緩くしたんだぞ。なんならもっと付け加えようか。店の中の事まで店内を必ず1日一回浄化しろとか、感染症を出した場合の報告義務とか娼婦達の食事や健康管理義務とか客は1日2人までとか複数の相手の制限とか体罰などの禁止とかあげれば切りがない程あるぞ。正直歓楽街は必要悪だと思っている。ストレスや性欲の吐け口としての機能は有用だが必ずしも絶対に必要ではないんだ。最悪、歓楽街が感染症が街に広まる温床になるならそんなのは要らない。

 予防措置も取れない責任も取れないでは話しにならない。俺が頭ごなしに命令して逆らえば潰すのは簡単だ。特に商会の税金はザルだから潰しても産業を作れば問題ないんだ。現状、新しい産業なら4つ程人材さえいれば半年後には稼働させる事が出来る。

 商人として儲けているのなら街に迷惑を掛けない程度には還元しろと俺は言いたいんだがな。お前達のお手並みを拝見しよう。草案が出来て1週間で決められ無いなら俺が勝手に草案を書き変え公布して発令するからそのつもりでいろ俺も王国で色々学んだから引き延ばそうとしても無駄だ。それと歓楽街の感染症の強制調査を近い内に行う。長官そのつもりでいてくれありのままの歓楽街を見たい。ブラームと長官には以上だ。

 

 さて薬師ギルドのマスター聞きたい人材不足、材料不足は知ってるしその対策を考えて努力をしているのも知ってる。サリナ今日作ったポーションは従来の物と違うようだけど」









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