249 抗菌薬
「湯液は作って飲ませているけど点滴は無理だなぁ注射器は作れなくはないがやっぱりチューブが欲しいよな。ゴムが欲しい」
「セイ様、セイ様のおっしゃっている事が殆ど理解出来ないんですがチューブとはなんですか?ゴムとは?」
「チューブは植物の茎で中が空洞になっているのがあるんだけど解るかな?植物の茎は折れるけどチューブは素材が触った感じ柔らかいし弾力があるんだ。図で書いてみるとこんな感じだ。ゴムは植物にゴムの木ってのがあってその樹液が固まると弾力のある樹脂になるんだ。その樹脂だけでは実用性に乏しいけど他の薬剤と混ぜれば様々な性質を持つ物が出来るんだ」
「あの~この図と似た物なら有りますよ。大きな声では言えませんが娼館で使われています。その~病気予防の為に。素材はオークの腸だそうです。それをよく洗って乾かし切って先を結んで」
「解ったもういい。俺の故郷でもオークの腸じゃ無いけど素材は違うけどあるよ。通称コンごほんごほん。でもありがと俺達が思っているの違うけどホースとして使えるかもしれない」
「ご主人様、それならスラム粘液はどうでしょうか?オークの腸は厚くって付け心地が悪いと言う方が多いので高級娼館ではスラム粘液を形に塗り乾燥」
「もういいからそっちから離れてくれ。でも使えそうだなぁ。ハルカ、動かせそうか?」
「何人かはまだ無理かな?馬車は揺れるしね。肆番倉庫の人達はLPはまだあるから運んでも大丈夫だよ。動けるようになるまで具の無いスープだけね。そのあとはソイ豆とコーンを煮込んだスープ。固形物が食べられそうならパンを上げて。その人達一応全員盗賊の称号と殺人もついているから気を付けて」
「聞いての通りだ特にその2人には気をつけろ粘膜感染とはいえ絶対素手で触るな。血液や唾液から傷口を伝わって感染する恐れがあるからな。使った手袋は必ず熱湯に入れて5分は煮込め革の手袋は使わず布を手に巻いても構わないあと、その2人は隔離しろ。もしその手の薬が有るなら飲ませるか教会で聖女様が治せるなら治して貰え聖女に頼むなら治療費は治せたら払うと言っておけ判断はお前達に任せる」
「セイ様。何故治療するのですか?」
「こいつらの為じゃ無い。お前達の為だ。もしお前達が感染でもしてみろ妻帯者は妻に感染させる事になるし、恋人がいる者や婚約者がいる者はどうする。この手の病気は妻や恋人、婚約者から不信感をもらい易いし逆の立場だったらどうする」「あっ」隊長は真っ青になった。
「ご配慮ありがとうございます。特効薬が有りますので直ぐに購入してきます」
隊長は部下を薬師ギルドに走らせた。
「薬は経費として落とせ。これからもこういう事があるかもしれん。対処出来るように予備を3本程購入しておけ俺が許す。予算が足り無いのなら俺に請求してくれ」「了解しました」
「クリス、カロン行きは中止だサリナをアロンに連れて来てくれ」「はい」
「ハルカ、裁縫道具は持っているか?」「うん、あるよ」
「担架を作るからこの布地を使ってくれ」セイは厚手の布地の反物を取り出しハルカに渡し、8本の丸棒を作ってハルカは適度な大きさに4枚切り円筒になるように縫い上げ、2本の棒を通して即席の担架を作った。
間もなくして荷馬車とシルビアが到着して肆番倉庫にいた者は感染症の2人を除き荷馬車に詰め込まれ警察隊の管理する牢に留置される事になった。
「シルビア商会の寮にこの人数のベッドの空きはあるか?」
「ちょっと難しいかな?35人も入り切れないよ」
「外壁部の仮設住宅にはまだベッドが設置されてないしどうした者かな」
「セイ様申し上げ難いのですが収容出来る場所に心当たりがあるのですが「どこだ」前商業ギルドのマスターの屋敷です。そこなら収容可能と思われます。ただ、この者達の身なりが・・・」
「構わない。アロンにいる以上俺の領民だ喩え身分が奴隷であってもな。それに、盗賊の戦利品は誰の物だ隊長。「あっ!そうでした」奴隷の主人は最低限、奴隷の世話をする義務があるんだろ。公務の途中使って悪いがあの屋敷に使用人がいる筈だ。35人を受け入れられるように先触れを送ってくれ。動かせる者から移動させる。「はっ!」シルビア、マリナ、ミレーこんな事になって悪い先発隊と一緒に行って受け入れ準備を手伝ってくれ。「「「はい」」」ハルカ、この盗賊2人を使って実験をする。「何をするの?」水を直接胃の中に転移させる。LPが減ったら教えてくれ。多分死ぬことはないと思うがこいつらなら喩え死んでも報いだと思えるからからな」「了解」
セイはコップに少しの水を汲み『透視』『転移』
「どうだ?水は胃の中に入ったけどLPは減ったか?」
「大丈夫。減って無いよ。経過を見ないとわからないけど水分が吸収されたら成功だと思う。あと10分待ってみよう」10分経過後「水分が吸収されてLPが少し増えたよ」
「さすがにオークの腸を食道に突っ込んで水を流す手も有るがこいつら2人に触りたくないしな転移が行けそうだからさっきの水の半分を自力で飲め無い4人に試してみる。LPを見ててくれ」「うん」
セイは少しの水を自力で飲めない者の胃の中に転移させて様子を観察した。
「大丈夫見たい。胃の中の水が体内に吸収されたようだねLPが少しだけど回復したよ」
「じゃ、後の3人もやるか」セイは少量の水を3人の胃の中に転移させて様子を見て透視で水が全て吸収された事を確認しながら胃の中に水を送り込んでいった。
「危なかったね。この4人の人達LPが一桁だったけどなんとか2桁に戻ったよ。これで自力で水分補給が出来ればいいんだけど」
その時薬師ギルドから戻って来た隊員が
「隊長、大変です。例の特効薬が無いそうで購入出来ませんでした」「なに!」
「薬の材料がなくって作れ無いそうです」「困ったな」
「御主人様どうかしましたか?クリスが直ぐに来いって」
「この2人を鑑定してくれ」
「ああ、淋しい病ですかそれなら薬があるはずですよ」
「薬師ギルドに行ってみたが薬が無かったんだ」
「白茸って白い茸を煮込んだら直ぐに作れますよ。この間、大量に採取したから持ってますけどここで作りしましょうか?ドランクさんからコンロ貰ったんで此処でも作れますよ」
「頼む。なるべく大量に作ってくれ」「了解です」
サリナは鍋とコンロを取り出し鍋に樽の水を入れて白い茸を入れて煮込み出した。「それが白茸か」
「ええ、この茸を煮込めば簡単に作れます。ただ、このまま飲ますと嘔吐、頭痛、下痢の症状が出るので煮込んだ物を10分の1の濃度に薄めて使用するんです。此のくらいの白茸1つに対してコップ此れぐらいのコップ2杯で煮込めば10本は出来ますね。それとコツは沸騰させない事です。白茸がしなっとして少し縮んだら目の細かい布で濾して10倍の濃度に薄めてポーション瓶に入れて完了です」
「簡単に言ってるけどちゃんとした知識がなければ作れないじゃないか」
「それはそうですよ薬ですから。でもこれ普通の物と違いますね」
抗菌薬 最高品質
風邪、インフルエンザ、淋病などに効果があり副作用が少ない。
「抗菌薬ってなっているな。結構用途が広いみたいだから良いじゃないかな」
「取り敢えず200本分作りました。壺に入れておくのでポーション瓶に詰めるのは任せますね」
「ありがと。12本は今、瓶に詰めて隊長に渡すよ」
セイは12本ポーション瓶に詰めて隊長に渡して
「隊長、この2人に飲ませてやれ10本は備品として詰所に配備しておいてくれ。効果が現れるまで2、3日かかるから一応隔離して様子を観察してくれ鑑定して病名が消えたら完治だ。それと、娼館の事で忙しくなるかもしれない先に謝っておく」
「とんでもありません。感染症が増えると更に私達が忙しくなるので問題ありません」
「ハルカ、もう動かせそうかな?」「少しだけど経口摂取できてきたから大丈夫だと思う」
こうして倉庫にいた全員を各所に移動させて3つの倉庫の庫内を『浄化』して警察隊に捜査を任せて、セイ達は隷属の首輪を嵌められた者達を搬送した屋敷に行き様子を聞き、今日は樽の生理食塩水を飲ませるように指示した。
「ハルカ、サリナ、クリス、チェリー、ミレー今日はこの屋敷に滞在してくれ。明日の早朝、様子見に来るからシルビアは商会の事もあるから警察隊の方に行ってくれ従業員達の事情聴取あるだろし「うん」俺はブラームと娼館いや歓楽街の感染症対策で話し合って来る。サリナ、往復させる事になるが館に一緒に来てくれ。別件で聞きたい事もあるから。みんな頼んだ。」




