246 馬の搬送
翌朝、セイは夜明け前に目覚めそのままペガサス達とシグマやミュー達共に集積場に行きペガサス達に夜間は此処に戻るように指示を出し四阿と飼料配合用の木箱を作り詰め所の横に小屋を作り、ベッドを2つ作成して廃村に向かい門を解放して廃村にいる馬達の餌を用意して、セコンドから歩いて1時間程の平原に飛び500m四方の高さ3m幅50cmの壁を築き馬車が往き来できる木の門を設置して、門の横に詰め所を2箇所作り全体の『硬化』を掛けて幾つかの穴を掘りその中心に水脈迄小さな穴を掘り下げ馬達の水飲み場を作って後は任せる事にしてフロントの集積場に戻った時刻は昼過ぎだった。
ザイとロックがいたので不具合等を聴くと別に無いとの事だったがフロントの屋敷の井戸にポンプを設置して欲しいと言われ直ぐにフロントの屋敷に戻り屋敷の井戸全てにポンプを設置して少し遅い昼食を取り、ボルド達から鑑定が終わり美乃里をアロン迄送り、3人を冒険者ギルドに連れていったと報告があり、シロを連れて王都に移動してエアトリアとギルバートと打ち合わせを行った。
「一応、セコンドから歩いて1時間くらいの平原に馬達を収容できる所を作ったけど内部は馬達の水飲み場しか設置していないんだ。何時でも収容は可能だけどどうしたら良いかな?」
「えっ!もう収容する所が出来たの?」
「ええ、半日程で出来ると言った筈ですよ。内部に関しては設備を作るのには時間が掛かるけど簡単な構造物なら時間はそれ程かからないから。一応ギル爺さんには言っておいたけど7千頭の内、4千頭程の馬は馬装具が装着されたままだったから痩せ細っていたから2千5百頭程はフロントで療養させているんだ。元気な馬は3千頭程で内700頭はフロントの兵員輸送に使っている。元気な2千300頭程の馬達は平原の施設に収容して残りの可哀想な馬達をセコンドでも受け入れて欲しいんだ。因みに可哀想な馬達の方が軍馬としては質は良いと思うよ。「何故?」馬装具、鞍なんかがそのまま装着されていたから。元気な馬のほとんどが鞍がついていなかった。この意味解るよね」
「そう言う事ね。元気な馬は予備か馬車馬、駄馬の類いで軍馬として訓練されていない可能性がある訳ね」
「そう言う事です。ただ全部がそうだとは言えませんが」
「良いわ。その可哀想な馬達をセコンドでも受け入れるだけ受け入れましょ。書簡を書くから騎士団の者に渡してちょうだい。でも、千頭程が限界よ残りはどうするの?」
「後はフィフスにで収容して貰うかアロンで療養させるのが妥当なところだと思います。さすがに千頭もの馬の世話は一人で出来ませんから。ギル爺さんも構わないかな?」
「構わんよ。フィフスの司令官に書簡を書くで渡しておくれ」
「了解です。だいたい1週間程で元に戻ると思う。セコンドの平原の収容施設の事と売却の手順はサージェ公に任せますから後はお願いします」
「そっちは任せて♪問題は平原施設の内部ね。騎士団に任せるとしてフロントではどうしているの?」
「フロントでは区画整備の解体で出た瓦礫の集積場が僕の所有地なんで集積場を利用して餌や世話をする者をワタヌキ商会のメンバーと冒険者ギルドから募集して依頼を受けてくれた冒険者達でなんとかやってくれてます。セコンドでテイマーがいるなら馬達を統率しているリーダーをテイムして朝から放牧しておけば15時過ぎの餌やり1回で済むと思うけど」
「放牧はちょっと無理かな。先ずテイマーがいないしセコンド周辺でもグラスウルフが生息しているからね」
「人手を集めて餌やりするしかないと思います。どうせ長くて2週間なんですから天幕を使えば問題ないし街から歩いて1時間程ですから街に帰れるし人も集まると思いますよ。それに遠征なんかの野営とほとんど変わらないからそのノウハウは騎士団が持っているのではありませんか?2千3百の行軍と思えば歩兵を使えば問題無いかと」
「そうね。此処は現場の判断に委ねるしか無いわね」
セイはエアトリアとギルバートから書簡を受け取り王都の屋敷に戻って廃村に移動してフィフスに行き司令官に書簡を渡して守備隊と騎士団を合わせて千頭の馬を受け入れてもらい残りをセコンドに運び込む手筈となった。フィフスから廃村に戻って150頭程の元気なバトルホースがいたので100頭とブラン、ラックを残し元気な馬達を平原の収容施設に入れて、スマートすぎる馬達をセコンドの門付近まで移動させ門番に書簡を渡した。
暫く待つと騎士達が来て事情を説明をして騎士に書簡を渡してその騎士は部下に全騎士団を動員するよう命令を出し、取り敢えず引き連れた馬達を守備隊と騎士団の厩舎に案内されて馬達を厩舎に引き取って貰い。騎士団で侯爵家から依頼のあった武器や防具、そして食料等の物資をリストの複写と共に渡し品目、数を確認して貰い原本のリストに受領書の代わりとして余白に日付と受け取った事を明記してサインを貰い。平原の馬の施設まで飛び騎士団の責任者から守備隊200頭、騎士団500頭。平原の施設にて約2千3百頭の馬を引き取った旨の受領書にサインを貰いリボンのついた馬がバトルホースだと告げ気をつけるように言って後は任せ最後に残した100頭のバトルホースとシロ、ブラン、ラックと共に王都の屋敷に移動して、サバト達と相談の上邸内の馬術訓練場キャンターに収容して侯爵邸に向かった。
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「セコンドでの取引と馬達の件全て完了しました。馬達は騎士団に預け一任しました。これがいただいた武器や食料等の物資のリストですがこれの余白に受け取り書の代わりとして受領書としてサインを貰いました。それとこちらが馬達の受領書です。ご確認下さい」
「確かに。本当に助かったわ。ありがとうセイ君。直ぐに代金を支払うわね。ちょっと待ってて」
「その事ですがセコンドでは織物が盛んだと聞いています。その代金を織物で頂けませんか?」
「まあ♪良いの?今年は遠征のせいでどの貴族も物入りで社交会シーズンも迫ってきていると言うのに織物の受注が例年よりも少ないの生産を落とす訳にもいかないから少々貴族向けの織物、絹製品がだぶつき気味でね商業ギルドに安く買い叩かれるところだったのよ。本当に助かるわ♪ではサージェ家が融資している工房に手紙を書くから工房で受け取ってちょうだい」
「わかりました。それと少しお願いが2つ有りまして「どんな事かしら?」セコンドでワタヌキ商会が商業ギルドを通さず。他のギルド、各工房特に織物の工房との直接取引が出来るよう許可が頂きたいのと王都の僕の屋敷に100頭のバトルホースを連れて来ています。元気だった馬達の中から選別しておきました。一応セコンドの方でも50頭リボンを着けて直ぐに判別出来るようにしていますが調教を受けているのか僕にはわかりませんから気をつけるようにと伝えてあります。もう1つのお願いは100頭のバトルホースの処遇というかサージェ家とギル爺さんとで王家の献上を含め分配等して欲しいんです。僕の屋敷では世話仕切れませんから各屋敷で引き取って貰えませんか?」
「セイ君の配慮感謝します。いくら値段が安くっても駄馬(此処では運搬用の馬の事)ばかりでは不満が出るものね。それに私達が良い馬を独占したと噂されるのも気に食わないし、軍馬として調教されたバトルホースは普通の軍馬の値段よりも3倍以上で取引されているけど調教されていないバトルホースは気性も荒いからセイ君の手から離れると怪我人が出るかも知れないわね。セイ君の所は兵士達配備されていないのよね各貴族の騎士団の方は扱いが慣れているからバトルホースの件はお兄様と相談して明日中に引き取りに行きます。
それとセコンドでの各工房での直接取引の件よね。別に許可を取らなくても構わないのよ。法律で決めている訳じゃないから。ただ、信用の問題か食肉に関しては冒険者ギルド、小麦や穀物や各ギルドからの製品を商会に卸すのが商業ギルドって慣習があるだけよ。セイ君の所は知っての通り織物繊維以外での各村への流通を一手に握っているから交渉次第で色々食い込めると思うわよ。商業ギルドと冒険者ギルドが自分達の縄張りを荒らされるのを嫌って訴えて来るかも知れないから念の為に許可書と認可の印を押すけど。それだけじゃ今回の馬達の報酬が安過ぎるわね。セコンドでの小麦、穀物、塩や調味料の商会での売買いの認可を出します。塩は値段が決まっていて旨味がないけど調味料は別で価格は自由に決めて良いからね。小麦や穀物に関しては侯爵家やセコンド配下の寄り子達から直接取引が出来るわ。各村に関しては既に持っているし商業ギルドと競って高く買い取ってくれるとありがたいかな」
「それ、わざと商人としての僕を計っているでしょ。食品に関しては肉は加工食品、小麦はパン以外はまだ手を出すつもりはありませんし、原料の肉に関しては冒険者に各ギルドを通さずに売れる事知らせてアロンではデフレが起こらない程度に物価を下げたいだけですよ。他の街まで感知出来ないし冒険者達がそれやったら計算も出来ない者が搾取されかね無い。商業ギルドは商売という点で利益を追及するので今のギルドのやり方が普及して固定してしまったと思いますが税をいくら下げても物価下げる即効性が無いので少し風通しを良くしたいだけです」




