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スキルの活用方法 セイの日記  作者: 江戸の夜桜
アロン内政編
240/315

239  エアトリアの相談2


「最後の相談というのは後継者の教育の問題なのよ。ヘンリエッタを見て教育を間違ったと思ったの。私やお兄様も家庭教師から教育を受けたけどお兄様は薬師として街に出たり街の者と交流があったので貴族としては珍しく平民に理解があったのよ。私は母の影響ね幼い子供の頃は街中で住んでいたので平民達の暮らしを知っているわ。でもヘンリエッタは違った。貴族としても領主としても失格だった。どう間違ったのかわからないのヘンリエッタの下に5歳になる弟がいるのヘンリエッタのような失敗をしたく無いの貴方が受けた教育ってどんなものか教えて欲しいの」


「失敗したなハルカを呼べば良かった。サージェ公は俺が異世界人である事を知っているんですね。「調べさせて貰ったわ」だったら話しが早い。俺達が受けた教育を此処でそのまま真似するのは難しい。俺達が受けた教育の根幹は国の制度としてなり立っているから。教育の内容は省きますが国民全てが5歳から15歳迄9年間教育を受ける事ができて国が学費を負担する。それから3年間、更に一歩進んだ内容の教育を受ける。そこから更に4年間専門知識を身に付ける為の教育を受ける事が出来る。この7年間は権利も義務無いけど国がその教育を受ける事が出来るようなサポートシステムが存在するので家庭の諸事情が無い限り22歳までは学舎で学ぶと言うのが一般的なんです。例外的に薬学、医療関係の専門知識を学ぶのは6年と定められているけどそんな制度此処では作れないし教育に関しての価値観が違い過ぎるんです」


「そんな期間を掛けて教育するのね。貴方の故郷ではそれも国民全員を」


「それだけじゃ無い。国や自治体が書籍を集め一般に無料で解放している図書館という物あるし学舎の中にもそれを小さくした図書室というものがあって図書館は誰でも自由に利用出来る様になっている。学舎で学ぶ事以外でも興味を持った事について様々な事が調べる事が出来る。その上通信情報網が此処よりはるかに発達していて知りたい事柄を端末機を使って検索すると即座に調べられるし、世界中の事件や出来事がはるか遠い場所に居ても知ろうと思えばタイムラグはあるが数分も掛からず知る事が出来るし各個人同士で全世界の主要都市ならお互い話しが出来る。そんな世界から俺達は来たんだ。価値観やこの世界の常識にかなり差異が出るのも解るでしょ」


「確かに真似は出来ないわね」


「俺達はその情報から故郷の歴史を学んだ事でこの世界に近い時代の事なら教えるよ。「是非聞きたいわ」俺達が生まれる400年以上昔、王家はあったが形骸され各地を治めた領主、貴族が力を持って国全体を統治出来なくなった時代があったんだ。各地の貴族達は武力を持って領地拡大に動き、各地で戦乱が行った。そんな時代が長く続き、貴族達は家、家系を絶えさせ無い為に領主は側室を設け多くの子供を設けた。基本領主は男しかなれなかったから女の子供は外交手段や家臣達との繋がりに利用され男の子供は長男が一応嫡子とされた多分この世界も同じなのかな?一夫多妻制は「同じじゃな」さて男の子供について話すけどそんな世の中だから後継者は有能な人物が求められる。凡庸な人物だと家を維持できないからその時代の事例として家臣に領地を奪われ滅んだ貴族もいるし、有能過ぎて家臣がついて行けず裏切られて死んだ領主もいて結局その血筋は残ったけどその家は分裂してしまって有能な家臣が取って代わり国を治める事になるんだけど貴族達に取って後継者の教育ってとても大事でその時代から様々な経緯が有って俺達が生まれた時代まで生き残った家の一例を上げるね。

 その家に武神の生まれ代わりと呼ばれくらい傑出人物が産まれ生涯戰で負けた事は無かったんだ引き分けはあったけどね。その人物は出生の為か神仏を崇め過ぎたせいかは本人でしかわからないけど生涯独身を貫いて兄の子供を養子として迎えた。その養子に迎えた教育が今から話すシステムです。

 当時学問を学ぶ所はお寺まあ教会だと思って少し違うけどその教会に高名な司祭を招いて教育を施すんだけど此処の世界の教会とは大きく異なるから勘違いしないで。司祭を家庭教師と思ってくれれば良い。此処と異なるのは嫡子一人に教育を施す訳じゃないんだ。家臣の中から年齢の近い子供を数人選んで同じ教育を施すんだ」


「なぜそんな事をするの?」


「一つは競わせるため。競わせる事によって自分の能力が解るしその子供の資質にも依るけど向上心が身に付く。後は選ばれた子供達は近習と呼ばれるけど子供の時から側にいるから親しみも出来るお互いにね。信頼関係を構築するのもあるし後継者への忠誠心を育てる意味もあるし後継者や家庭教師の監視役でもある。本人達はそんな自覚はないと思うけど授業態度、教師の授業内容は聞けるからね。家庭教師に面と向かって聞きにくい事も聞けるからね。この家の場合は家庭教師は一人だったけどその当時は学問はそれ程科目が多く無かったから主に兵法や貴族の在り方領主の在り方なんかを学んだらしい。剣術に関しては指南役がいてそこで学んだか家臣が教えたと思う。後守役と言って常識やマナー等躾を担当する者もいたかな。子供は何者にも染まって無いから周囲の環境によって変わる。守役も家庭教師も子供を煽てて我が儘し放題に育て、親の感心が子供に向かなかったらああなるよ」


「そういう事ね。高名な家庭教師を招いて専属メイドを付けたけど問題が無い報告しか入ってこないので安心していたら其処が原因だったのね」


「何も家庭教師が悪い訳じゃなく何を持って高名とするかだと思います。守役である専属メイドだってそうです。一例を上げた家の家庭教師は貴族としての在り方、領主たるものはどう有るべきかをしっかり教え、近習には忠義とは何かを教え込んだ。また、兵法や軍略を通して戦は一人で出来ない。兵士達がただ戦うだけなく物資の輸送や領民の協力が有って初めて戦が出来る事を教えたんです」


「ねぇセイ君どうすれば良いと思う?」


「学校というシステムが無い以上、家庭教師を科目毎に用意する。守役には後継者に対してきちんと叱れる者を選ぶ。近習を付けて一緒に学ばせる。家庭教師は高名で無くても良いから一定の知識を身に付けた後継者に媚びらない人格がしっかりした者を選び募集してテストする事。複数雇うのは思想的な侵食を防ぐ為と科目によって専門知識で恐らく優劣が出るのでそれを補う為。ステータスで子供の素養は解ると思いますが子供が何に興味を示すかはわからないから多様性を広げてあげる為にも必要な事かと思います。それと専属メイドは守役以外必要はないと思いますよ。専属メイドがいたら自分の着替えさえ出来ない子供になる可能性すらあるから自立心が育たなくなる。

後は、近習について最低5人は近習にする事一人は身分的に後継者に近い年上の人間を選び最低2人は平民に近い騎士爵当たりから選ぶ事後の2人は有能な家臣の子供を選ぶと良いかな」


「その理由は?」


「重要なのは年上の身分が近い子供の人選、後継者を注意できて他の4人の纏め役になれる子供。近習頭つまりリーダーの役割を担う。身分をひけらかさない人物がベスト。騎士爵当たりの子供を選ぶ理由は平民達と接触を持っていると思っての事。本当なら平民が良いけど恐らくそれは無理だから騎士爵当たりで妥協した。目的は違う世界を見せる為、出来たらお忍びで平民の生活を見聞して平民達と触れあえればベストかなぁ。つまり現実を見せるそれを見てどう思うかは後継者の自由でねじ曲げないようにするのはサージェ公を含めて周囲の大人達の務めだと思うよ。それと騎士爵当たりだと教育にそれ程お金かけれないでしょ。後の2人は適当かなぁ大した理由はないよ。後継者と競ってくれたらそれで良い。ただし近習は常にテストする事。学問や剣術のどちらにもついていけない者や横柄な態度を取る者、すり寄って媚び経面う者は変える事。後継者に悪影響が出るから。これぐらいかなぁ。後、家庭教師だけどね何を教えるかカリキュラムを作らせる事。適当に教えたら伸びるものも伸びないから」


「貴方に家庭教師を頼もうかしら異世界の知識を教えて上げて欲しいわ」


「5歳だったら理解出来ないし基本的な事と貴族としての在り方と領主になるという事はどう言う事かしっかり教えて色んな現実を見せる事が大事だと思うよ。貴族の現実は日々見ているから良いけど下級貴族の現実、平民の現実、奴隷の現実を。人格形成に力を入れるべきだよ。後は基礎体力を上げる事と魔法の基礎訓練かなぁ知識は後からでも必要になれば嫌でも学ぶさ。俺達の様にね。ギル爺さんは知っているけど役半年前迄は魔法は使え無かったんだ。魔の森で生き残る為に必死で覚えたんだ。ポーションも独学で作ったしハルカに至っては初級のヒールしか使え無かったけどレベルは低いけど今じゃ聖女よりも治療技術は上だもんな。そんなもんだよ」


「ありがと。とても参考になったわ」






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