238 エアトリアの相談
「次に馬の事よ今回の事でセコンド騎士団の半数以上馬と参加した者達の武器や防具を全て失ったわ「フロントも同じじゃ」後、食料の備蓄も不足しているの。困った事に遠征に加わらなかった貴族達が領地拡大に動き始めたみたいでね各地で小競り合いが起こっているのなんとか馬や武器、食料の都合がつかないかしら?特に馬が不足して高騰しているの」
「フロントでも同じですか?」
「そうじゃのぉ。遠征に参加した騎士団の馬は全て失ったそうじゃ数にして200頭。武器、防具はお前も知っての通りじゃが食料の備蓄と武器は盗賊達の戦利品からの税金で賄う事が出来た。馬の方も全く足りぬという訳では無い。フィフスでの鹵獲した馬があるでな」
「食料と武器、防具に関しては親族ですから相場の半額でお譲りします。品目と数量を提示して頂けたら2、3日の内にセコンドのワタヌキ商会セコンド支店迄お届けします。ただアロンにいる馬だけはもう買い手がついていますので数百頭もの数となると輸送の問題もありますから無理ですね」
「食料と武器を相場の半額で譲って貰えるのはありがたいですわ。でも馬がいなければ騎士団の戦力が半減しますわどうしましょう困ったわ」
「確かに騎士団に馬が必要だと思いますが戦場をどう想定するかで戦い方が変わってきますよ。遠征の様に兵員輸送や機動力を生かしての平原での戦いでは確かに馬は有効かも知れないですが陣地を築かれると脆い側面も有ります。砦を攻める場合も騎馬隊は不向きです。戦場が森や山岳部では騎馬隊は十全に力を発揮出来ないでしょうね。アロン、フィフスやフロントの場合は森での戦闘を想定に入れて部隊編成した方が良いので騎馬隊は必要最小限で構成するべきだと思います。代わりに兵員輸送部隊を作るべきですね。此処での戦争のやり方は歩兵を歩かせて騎士団は歩兵に合わせて行軍するみたいですが戦場が遠い場合、時間がかかり過ぎるし馬の食料が嵩みますから費用がかかります。馬は人よりも多く食べる生き物ですから。それと兵装も考えるべきでしょね。重いフルプレートメイルに長槍や大剣に盾では森では殆ど役に立たない。セコンドの場合はどこが主戦場になるかで構成を変えてみるのも手だと思いますよ」
「セコンドの場合は平原が多いからやはり騎馬隊が必要なのよ」
「そうですか。後続隊の馬が逃げたのならまだ後続隊と戦闘した付近に群れを形成している可能性が有りますね。もし、逃げた馬を捕獲した場合はどうなりますか?」
「捕獲した者の所有物となるじゃろうな。盗賊の戦利品と同じじゃよ。以前の所有者が特定できれば返還請求されれば相応の対価で引き取られるが王家の馬の様に特別な馬以外魔法刻印なぞ施さんからのぉ。まず、特定は不可能じゃ。馬に余程の思い入れが無い限り特定は難しいじゃろうな」
「だったら、俺が捕獲するのでセコンドで逃げた馬を受け入れ可能なら馬市でも開きますか?アロンでも馬市を開催する予定ですがどうしますか?」
「面白い話しだけど千頭程が限界ね」「フィフス、フロントでも3千頭が限界じゃろうな」
「だったら分けて受け入れてくれ無いかな?何頭いるかわからないから取り敢えず千頭迄セコンドに残りはフロントとフィフスに受け入れ出来ない場合はアロンに輸送するってことで良いかな?」
「だったらお兄様、貴族流のやり方で解決しませんか?「どういう事じゃ」馬を欲している貴族はどこも同じでしょ予め一族、縁者に融通してあげるの。セイ君が捕獲した馬をセコンドに輸送して貰ってその日の内に割り振れば大半は捌けるでしょ。馬の値段も落ち着く筈どうかしら」
「問題が一つ馬の選別が出来ないけどそれでも良いかな?」
「声をかける貴族達には選べ無い事を伝えておくわ値段は低くなるけど馬市を開く準備期間の飼料代や売れ残りを気にする必要はなくなるからその方が都合が良いわ」
「取り敢えず調査してからだいたいの頭数を把握してからですね」
「そうね。各騎士団の半数以上が逃げ出しと聞いているから5千頭以上はいると思うけど魔獣に襲われている事も考えられるから調査が必要ね」
「調査は明日行って明後日には頭数をお知らせします。順次捕獲して一週間後を目処にセコンドの郊外に連れて行きますのでセコンドの防壁外部に簡単な壁を築く許可を下さい。其処に馬達を収容して後は任せます。取り引きが終われば壁は崩しますからご心配なく」
「わかったわ。どうやって壁を作るのか気になるけどセイ君は出来るのね。許可します」
「魔法ですよ『アースウォール』で壁を作って簡単な門を取り付けるだけですから半日も掛かりませんし捕獲も従魔達に協力して貰うので遅くとも3日後には完了すると思います。移動で2日ってとこですね。早くて4日後にはセコンドに到着すると思いますよ」
「セイ君に任せるわ。収容が完了したら門番に連絡して頂戴。騎士団長に話しは通しておくから。でも声をかけて返事を貰うのは早くて4日後それから引き取りに来るのが早くて4日ってとこかしら。残ったら選別して一部は王家に献上して商人に売却したらどうかしら?」
「出来たら商人には売却せずフロント、セコンドの統治する村に下賜した方が良いと思いますよ。名目は復帰祝いで農耕馬として利用して貰った方が開拓や生産性の向上に繋がるし下賜された馬を大切にするでしょうから商人への売却は最後で良いのでは?」
「なるけどな。各村の生産性を上げるとは考えたものじゃ」
「確かに目先のお金よりもはるかに有効だわ。生産性が上がれば税収も増える結果的に私達も領民達も潤う事になるわね。それで行きましょ。後は、貴族達の売却額は私達に任せて貰って良いかしら?」
「構いませんよ。どうせ必要なのは僕と従魔達の労力だけですからどの道セコンドでは馬が必要になり購入しなければならないのでしょ?馬を育てるのとは違いますし市場に一気に放出すると馬の値段が暴落する恐れがあるので内々に処理した方が良いと思います。サージェ公とギル爺さんには手伝って貰う報酬として馬の代金は無料という事でどうですか?」
「助かるわ。馬と言っても軍馬は高いのよ。日数的にも此方で選別も出来るしセイ君が5日後にはセコンドに輸送してくれるだけでも相当な費用が掛かるのに申し訳ないわね」
「まあ、一族の方々へのご挨拶と言う事で今回に限りサービスします。それとお金の工面に苦労している方がおられるのでしたら金額相当の特産品の物納か次年度の特産品の先物取引でも良いとして下さい。その時は念書をお願いします」
「此方としては助かるわ一族の寄り子達から借金を申し込まれるでしょうから次年度の特産品の物納なら問題ないでしょう今年は豊作とまではいかなかったけど実りがあった年だし。飢饉の兆候も見られ無いから大丈夫でしょう」
「ところでセンスの領主には声を掛けますか?」
「微妙ね。私達一族とは対立していないけど派閥が違うの」
「センスの領主にも声を掛けてもらえませんか?「どうして?」返還請求の時会ったのですが実直な人でした恩を売って置けば良いかなっと思っただけです。提案を受けるか断るかは彼次第ですから」
「そうね。身内だけで固めてしまうのは確かにもったいないわね。此方で割り振ればなんとでもなるでしょうから一考の余地はあるわね」
「馬に関して頭数が確定しない事にはサージェ公も動け無いので明後日迄には報告をギル爺さんに入れますからこの辺で終わりにして最後の相談とは何ですか?」




