236 アロンの未来構想
ノース達が退室した後、
「ブラーム、鉱脈の件だが陛下から承認をもらったので至急調査隊を編成してくれ。護衛に関しては今回は冒険者達は入れるな国家機密なんだろ?警察庁と防衛庁から護衛を編成してもらってくれ。出立はゴブリンの駆逐が終わってからで良いそれと仮設住宅の方はどうなってっている?」
「調査隊の方は承知しました。仮設住宅は順調で昨日だけで2棟完成しました。内部も見てもらいましたが問題は無い様ですので各部屋のトイレに入れるスライムの捕獲を冒険者ギルドに依頼する手筈です」
「入居は住める段階と判断したら入居を始めてくれ。ベッドに関してはこれを作ってみた。完成品とそうなる前のパーツだ。このパーツを組み合わせればベッドになる。これが説明書だ文字が読める人に渡して一度組み立てて誰かに使って貰ってくれ一応これを標準とするけどだいたい幅を変えれば良いだけだから用途に合わせて注文を受け付け安価で販売するので入居者にはそう伝えてくれ。ベッドを必要としない者もいるだろうしこのサイズじゃ不都合な人間もいるだろうからな。販売は仮設住宅の近くに販売所を設けるから其処で注文を取って販売する。ところでスラムの住民達の仕事の斡旋はどうだ?」
「今のところ外壁部は設計段階ですが順調に馬の世話をする人間が集まっていますが馬泥棒が出始めていますがどう対策を取りますか?」
「ゴブリン討伐が終わる迄はキャロット達にまかせて日中、巡回させて気絶した者を捕縛して尋問してくれ人手が出来たら詰所と牢を作るよ。それと2人にはこの腕輪を渡しておく10m四方の所有者登録を付与した収納アイテムだ。それとこのバッグもこのバッグには使用者制限は着けていない盗難には注意してくれ。魔石を嵌め込んでいるから問題無く使える筈だが魔石に魔力吸収を付与しているから身体に変調を来したら腕輪を外す事、時間が出来たら魔法を教えるから寝る時は腕輪を外して寝てくれ2人とも魔法の素養は有るから魔力を感じる事が出来たら魔法は使えると思う」
「こんな高価な物を頂いて良いのですか?」
「かなり余っているんだ気にしないでくれ。登録を始めるぞ腕輪を嵌めろ」セイは腕輪の登録をして
「他、連絡事項は無いのなら俺から。戦闘奴隷の件だ奴隷達の売却の許可が王国から許可が出た。市を立てるのなら近隣の街の奴隷商人や大きな商会に連絡を入れてなるべく人を集めた方が良いから商業ギルドとゼルフ将軍と相談して街としてどうするか決めてくれ。それと、他の捕虜達も希望者に限るが労働に従事させても良いと王国から許可が出た。食費の節約だそうだその辺のところも将軍と相談してくれ。外壁の工事がまだ掛かる事が出来ないなら外壁の外の平原を耕作地にするから言ってくれ。此処からが内密な話しになるが元冒険者、商人、兵士等使えそうな捕虜は先に確保したい。欠損があっても構わないから売却される予定の者全員のステータスを開示させてリストアップして欲しい。それとこれは宰相補佐官からゼルフ将軍への書簡だ渡して欲しい」
「承知しました。少し質問があるのですがよろしいですか?「なんだ?」仮設住宅の事ですが何故仮設なのでしょうか?十分住居として使えるではありませんか」
「あれは『アースウォール』の応用で作った建物だから10年は持つが魔力が無くなれば一瞬で消えるし、応急処置で作った物だから都市計画によって変わって来るから取り壊すか移転するか見極めてから本格的に補修するから仮設住居なんだ「ではあの外壁も」今のところはそうだが外壁はそのまま残して出来上がったと同時に魔力吸収魔石を取り付け崩れないようにするつもりだ。取り敢えず馬や捕虜の件が終われば軍も縮小されるだろうし労働力が戻って来るから今の間に手を打っておかないと溢れた者が治安を乱す事になりかねないから建築ギルドと相談しながらアロンの街の都市計画をしっかり立ててくれ。俺はこれ以上建物は作る気は無いからなどちらかと言うと産業の育成と子供達の教育、人材を育てたいんだ」
「セイ様が仰っておられた学園研究と交易都市の事ですね」
「そうなる良いな程度なんだけどね先ずは領民から飢えを無くす事から始めないと余裕が生まれない。せっかく広い土地が有るから農業や酪農から始めるつもりだ。綿花おっと此処ではコットンて言うんだっけそれと大豆、ソイ豆だっけ、後はコーンなんかの穀物と個人的には米を作りたい。アロンの街が落ち着いたらアロン周辺の村に手を着けて行くつもりだ。何年掛かるかわからないけど小麦だけに頼らない飢えない都市と言うのも目標かなぁ。それと交易の目的は各地の植物を知る事栽培出来ない物もあるだろうが有用な物は栽培したい。薬草も何故栽培しないのか不思議なんだ。採取出来ないのなら栽培すれば良いと思うんだけどね。多分俺の発想は此処の常識から外れいるんだろうね。「まあ」だから研究するんだ。薬草が街では育てられない理由は何かとかね。それには一人だけだと限界が有るからまだ常識に染まっていない子供から育てて人材を育成する必要があるんだ。まあ上手くいくかはわからないけど領民達が先ずは飢えないそれが目標ってことで」
「何故家畜の飼料を育てるのですか?誰も食べませんよ」
「所変わればって事でね俺の故郷では家畜の飼料にも使われていたけど一般的に食べらていたんだ。それと豆科の植物は土地に栄養を与える性質を持つコーンは比較的痩せた土地でも育つ。トマトに至っては適度な養分さえ与えておけば土はいらない。スラムでの病気に脚気の人が多かったが脚気はある栄養素が不足してなる病気だその栄養素を多く含まれるいるのがソイ豆だ。それに穀物は保存がきく。忌避感さえ取り除けば安価で手軽に手に入る。飢饉の時にも役立つさ。商業ギルドに王国の各都市の今年収穫した余剰穀物全てを押さえるように指示してくれ」「承知しました」
セイ達は館を出て森での作業を開始して夕方になる迄、森を切り開き次の日の昼過ぎに道を開通させ、森の入り口付近に高さ3m厚み1mの壁を100m四方に展開させ伐採した木材で門を作りその日の作業を終フロントの屋敷を経由してミリア達と合流後、王都に移動して侯爵家主催のパーティーに参加した。
侯爵主催のパーティーはセイに取って場違いに感じられた。侯爵家の執事に案内されホールに一歩足を踏み入れると出席者から好奇の目に晒され、値踏みするように露骨に遠目からじろじろ見る者もいた。殆どの招待客は若くても中年以上で大人の中に子供が一人混じっているようでセイの存在がこの上無く浮いた存在に見えた。招待客の中には戦利品の返還で見覚えのある者も何人かいたがそれらを無視してバルコニーの近くの柱にもたれかかってパーティーが始まるのを待った。
次々に来場される貴族達を遠目で眺めながら目線が合わないように女性の服装を見ていた。『こりゃ確かに浮くな』セイは年齢もそうだが貴族達の服装を見てそう思った。セイの服装は詰襟にスラックス色は濃紺ボタンは内側に隠され全く刺繍を外側には施しておらずアクセサリーとして左肩口から胸元上部にかけて緩やかに曲線を描く金のチェーンのみだった。同伴者の玉藻は赤を基調としたチャイナドレス、ミリアに至っては護衛なのに身体のラインが良くわかる肌を露出させたドレスに宝石をあしらったネックレスを着用していた。対する貴族達達は男性も女性もレースをふんだんに取り入れた衣装で男性は半ズボンでタイツ姿。色に関して言えば太いストライプ模様に好みの色を合わせてとてもカラフルな衣装を着ている者が多かった。『ピエロかよ』
女性に関してはセイの生まれた世界の中世ヨーロッパの絵画に描かれる貴族の女性の衣装その物がそこにあった。『帝国の方がスラックスでそれ程違和感がなかったけど此処迄くると逆に俺達がピエロに囲まれた感じするな。あの衣装は着ようとは思わないけど半ズボンにタイツは無いよな』
そう思っているうちにパーティーの主賓が登場してパーティーが始まった。




