234 ミスリルの鉱脈
ゼルフが退室した後、ブラームと長官が残りセイは地図を広げ話しを続けた
「ブラーム、この2つのゴブリンの巣穴から鉱脈を見つけた。これがそのサンプルだ」
「これは!ミスリルではありませんか」
「多分な俺の鑑定はあまり当てに出来ないから調査する必要があるがこの場合どうなるんだ?国に摂取されて国の物になるのか?」
「いえ、街の管理下に置かれますので問題は無いかと国には産出した10%を納める事になりますが、この場所でしたら他の街も領有の主張は出来ないので助かりました。明日、帝都に行かれるのでしたらこのサンプルを見せて陛下から発見した場所はアロンのものと承認を貰って下さい。因みにこの2つの鉱脈はどうされますか?街へ全て売却されますか?それとも個人的に所有されますか?」
「取り敢えず街から遠い場所はまだ手が付ける事が出来ないから個人の所有で俺が必要な時勝手に採掘するこの近い方はアロンに売却しようか」
「鉱脈の調査を終えてから値段が決まりますが問題は此処に行く方法ですね途中までは馬車で行くとして森の移動となると5日はかかりそうですね」
「森の移動は心配要らないもう半分程森を切り開きアロンへの直線で結べるように道を作っているから後、数日有れば馬車が2台通れる道が開通出来るが問題はそこじゃ無い「人員ですか?」ああ、人員だ。ミスリルが産出されるとなると其を狙って来る奴らが必ず出て来る。採掘現場の人員もそうだが警備の人員が必要になる」
「おっしゃる通りなのですが普通の鉱山と違ってミスリルが採掘される鉱山は国家機密に属し秘匿されますので軍が関与して来ます。その辺の事を含めて中央とお話しされれば良いかと。まだ発見されただけで埋蔵量も判っていませんし鉱石の含有量も判明していない状態です。調査隊を派遣してからでも遅くはありません」
「そうだな。今は発見されたそれで良いか。ただ中央との話しでどうなるかわからないが半年後独立自治区になるんだ最悪、警備に関してもこちらで全てする事になるかもしれないからその事も頭の隅に入れておいてくれ」「はっ!」長官が退室してブラームと2人になった。
「ブラーム長官の前では言えなかったけどミスリルの鉱脈は2つ共かなり『サーチ』で調べたがかなり大きいぞその上、最奥にはこんな4種類の鉱脈もあった。2つはプラチナとアダマンタイトのようだが後の2つは俺が知らない鉱石だから鑑定不能だ一応入り口には結界を張っておいたから誰も侵入出来ないがこの事が他の街が知ったらどんな横やりが入るかわかったもんじゃない。それに鉱脈が剥き出しだから当分は鉱脈を探して掘り進める必要も無いんだ」
「まるで大地の神様からの贈り物のようですね」
「全くだ。多分贈り物なんだろうな。鉱山技師ぐらいしか採掘現場には働き手はいないと思うから重罪人の判決は遅らせてくれ。それと5人の暗殺者はどうなった?」
「一応、取り調べが終わり明日、公開処刑の予定です」
「処刑は取りやめるか偽装して生かしておけ」
「どうして処刑をしないのですか?領主の暗殺を計ったのですよ」
「奴隷として活用する。そこそこ戦闘も出来るし森の調査にうってつけだ。また同じ手を使われたら今の冒険者ギルドでは役に立たないしアルファ達もゴブリンは好んで狩らないから冒険者達が育つまでは森が手薄になるからそれまでは奴らを使うブラーム専属の暗部にでもすれば良いさ」
「嫌ですよ。私は奸計を巡らすのは好きじゃありません」
「何も暗部は暗殺だけじゃ無い。だいたいが情報収集が目的の方が多い。俺の故郷ではかなり昔ある一族が王の側近になり草と呼ばれる組織を作った。その草の役目は主に情報収集で各地に潜入してその土地に根付き代々その土地の情報をその一族の長に伝えるんだ。根付く土地の地形や地図、街の情報なんかをな。不穏な動きがあった時いち早く察知するために作った組織だ。その応用で今でもテロ組織なんかでもスリーピングスパイなんて呼ばれる事もある」
「気の長い話しですね」
「兵は神速を貴ぶという故郷の諺が有るんだけど謀は密なるを貴ぶ本来の密は秘密と言う意味だけど俺の解釈は密は綿密、緻密と言う風に捉えている。謀は計画と捉えると軍の運用に関わってくる。軍を運用する場合は入念で綿密な計画を立てていざ行動を起こす時は作戦通り迅速に動く。計画は別にどれくらい時間をかけても良いんだ敵に気付かれないのなら。ただ行動に移したら素早く行動して目的を達する事が重要で失敗したらどうするかなんだけど今回の敵はどうするのかな?」
「恐らく失敗したとの情報はまだ届いていないかと」
「そうあって欲しいね何処にでも草は生えているからね。奴らが手を打つ前に叩くとしようか俺は一仕事して帝都に行く。ノースにこの手紙を至急渡して指示通り帝都と連絡を取れと言ってくれ。通信室が盗聴されている可能性があるからその確認だ欺瞞情報を流す。まだ中規模集落は発見されたばかりでアロンは騒然となっていると言葉で説明して文字で真実を伝えて貰う。盗聴されていなければそれで良いし盗聴されていれば相手の油断が生じる音を漏らさない結界を張っても盗聴の魔道具が結界内に有れば魔力伝達で盗聴される特にギルドの通信設備は魔力消費が多いから設備を起動して初めて盗聴の魔道具が起動する仕組みなら発見は難しいからその確認だ。「承知しました」じゃ、後は頼んだ」
セイは退室後直ぐにアロンの近郊都市トロンに飛びトロン冒険者ギルド会館と代官屋敷に気配遮断を使い忍び込みギルドの通信端末とギルマス、代官の執務室にあった犯罪の証拠となるもの収納して隠し金庫を探しだし金庫の中の全てを奪って、帝都に飛び帝国宰相補佐官と面会した。
「済まない。こんな時間に緊急を要するに事が起きた」
「まだ、執務をしていましたから大丈夫です。緊急を要する要件とは何ですか?」
「この調書を読ん欲しい」セイは補佐官に調書を渡し、それを読んだ補佐官が顔色を変えた。
「これは!」「真偽官のサインもあるし事実だ」
「それにトロンの冒険者ギルドのマスターとトロンの代官と吊るんで奴隷狩りですか。もっと証拠が欲しいですね」
「そう言うと思ってうbゴホン手に入れて来た。他にも自宅や愛人宅があるみたいだからもっと色々出て来るかもしれないが取り敢えずこれだけ手に入れた」
「冒険者ギルド本部から指令書と奴隷狩りとのやり取りの手紙と代官とのやり取りの手紙ですか後は脱税、横領の裏帳簿ですか。十分な証拠ですね。代官は此方で早急に手を打ちます。トロンの冒険者ギルドのギルマスの捕獲をお願い出来ませんか?出来たら帝都までの運搬と」
「ん?何故俺に捕獲を依頼するのかな?」
「現状トロンは代官の手中にあります。首のすげ替えは容易ですがこの調書を見る限り冒険者ギルドには一定の戦力が存在します。無闇に守備隊を動かせば抵抗されて死傷者が出る可能性が高く最悪の場合アロンの軍を動かす事になって籠城戦になったら目も当てられません。できたら騒動になる前に納めておきたいのです。勿論只とは云いません。トロン冒険者ギルドのマスターの私有財産全てで手を打って頂けませんか?」
「もう1つ奴隷商人の資格を只でくれ。店は持つ気はないんだ契約の為に一々奴隷商人を呼ぶか行かなきゃならないのが面倒だし時間がないんだ。うっかり商業ギルドで資格とるの忘れてしまったんだ」
「それなら直ぐにでも手配します」
「ありがとう。それともう一点此方は次いでなんだが、さっきの調書に出てきたゴブリンの中規模集落の内洞窟の巣穴で鉱脈を発見した。これがそのサンプルだ」
「これはミスリルの鉱石ですか?「恐らく」これは凄い事ですよ。場所は何処ですか?場所によっては街と街で取り合いになりますから」
「此処と此処だ」セイは地図を広げ場所示した
「二ヶ所共、魔の森の方角ですねこれならアロンの物だと承認出来ますがその前にこの鉱山をどうされますか?個人所有となりますと運搬や採掘、治安維持やその他掛かる諸経費全てがセイ殿個人の負担になります」
「この街から離れている鉱脈は俺個人の所有としたい。今のところは、この場所は街から離れている上に魔の森にもそう離れていないからまだ俺しか採掘出来ないそれに運搬するにしても現状冒険者も軍もかなり危険が伴うからこの周辺地域の開発をしないと手が出せない。それに比べて此方の鉱脈は街からそう離れていないから此処と比べると開発は容易だ。この鉱脈は街に売却するよ」
「国としても助かります。取り敢えず陛下の承認を頂いて参ります。後はブラームに任せて置けば国との手続きはやると思います。鉱脈の大きさと鉱石の含有率、採掘量等で軍の派遣もあり得ますので了承して下さい」
「ああ、ブラームから聞いたよ。数日の内に調査隊を派遣するそうだ」
「採掘出来るのは早くて1年ぐらいですかね」
「いや一月も有れば採掘する準備は出来る。調査が終わらないと人員確保は出来ないから」
「そうですかそれは楽しみですね。それと人員で思い出しました。ゼルフ将軍にお伝え下さい。身代金に関してはまだ時間がかかりますが、食費を浮かせるならば捕虜達の労働を希望する者は認め、また戦闘奴隷達はリストにある者以外は売却を認めるそうです」
セイは書簡と書類を受け取り、アロン近郊都市トロンに飛びトロン冒険者ギルド会館にいる全ての人間を眠らせてギルマスを捕縛して調書を複写して帝都冒険者ギルドに飛び調書の複写と共にオーレに引き渡した。




