232 ゴブリン討伐の傷跡
翌朝、セイはシロと共にアロン周辺のゴブリン中規模集落の討伐に向かいアルファ達はオークの中規模集落に向かい一番アロンから一番遠いオークの中規模集落はクロス達の餌場として残す事にして殲滅を開始した。一つの中規模集落を10分と掛けず殲滅していき5つ全ての集落のゴブリン達を殲滅し討伐数は2千体にも及んだ。5つの集落の内2つは洞窟を集落に使われておりその2つの洞窟にミスリルの鉱脈を発見したがセイの心は重かった2つの洞窟の入り口に結界を張りオークを含め全て集落を消し去り遺体を回収してアロンの冒険者ギルドに入って何も言わず中庭に出て2千体ものゴブリンの死体を積み上げ止めに入る職員を無視して訓練場に行った。それ見ていた周囲の者達はセイの出す怒りと悲しみに満ちた悲壮感とも呼べる雰囲気に呑まれセイを止めるどころか身動きも出来なかった。セイは訓練場に遺体を丁寧に並べていった。遺体の数は153体全てゴブリンの集落で発見されたもので内100体以上は死後2日も経っていなかった。
遺品の全てをかためて置き一連の作業を終え遺体の前で「神の御元で安良かに眠れ『浄化』」と唱えセイは受付の前に立ち机に拳を叩き付け机を叩き割り「ノースを呼べ!」と小さな声で言うと「えっ」「ノースを呼べ!」といきなり大声で叫んだ。
「セイ君どうしたんですか?みんな怯えています「うるさいノースを呼べ!」誰かバケツに水を」
職員は水の入ったバケツ受け取りセイに水を浴びせた。セイの身体から湯気出て「ふー、ふー」
「セイ君落ち着いて下さい。いったい何があったのですか?私達に解るように説明して下さい」
「悪かった。おかげ少し落ちついた。今日の早朝ゴブリンの中規模集落の殲滅を5箇所行った。そこで150人の冒険者の遺体を発見したが遺体の100体はまだ亡くなって時間が其ほど経って無い遺体だった。訓練場にある遺体がそうだ。
俺は昨日の早朝ノースにアロン周囲の森でゴブリンが予想以上に繁殖していると警告して集落の地図迄渡したのに全然役立て無いじゃ無いか!ゴブリンの中規模集落の討伐は冒険者ギルドでは無理だと言うからわざわざ今日の朝討伐すると言って俺が出場ってきたのに何で真新しい遺体が100体も有るんだ?この遺体を見た時は信じられなかった。夢なら覚めろと思ったぐらいだノースはいったい何をやっていたんだ?ちゃんと冒険者達に情報を流していたのか?」
「周辺の森にゴブリンの中規模集落が5つもあったんですか?嘘!ゴブリンが増えているから気をつけるようにとしか聞かされていません。もし知っていたら注意喚起ではなく止めてました。「ノースは今何処だ」ギルマスはまだ出勤していません」
「領主として命令するノースが出勤したら拘束して牢に入れろ。職務怠慢もいいところだ。帝都のオーレさんと話がしたい。ゴブリンと机はそのままにしておけ。この状態が続くのならアロンの街に冒険者ギルドは要らない潰して別の組織を作る。俺一人でやっていた方がましだ」
「ちょっと待って下さいギルマスの事はわかりました。冒険者ギルドを潰さないで下さい。職員達が路頭に迷いますし何より冒険者達が困ります。彼らはその日暮らしの人達が殆どです。蓄えもありません冒険者ギルドを潰したらたちまち生活が出来なくなります」
「だからどうした?冒険者は自由を手にする変わりに市民権を放棄した者達だ違うか?俺が保護する義務は無い。自由は本来、力を得た者だけが行使できる権利だ領主、国からの圧力や権力をはね除ける力を必要とするが個人ではそう成れる人間は稀だから人は集団を形成して組織を作った。それが冒険者ギルドの筈だ冒険者ギルドは冒険者を守る義務を生じるがアロンの冒険者ギルドは冒険者達を守るどころか情報伝達のミスで多くの冒険者達を死なせた。この事は領主として見逃せない。自己責任という言葉を都合良く使って責任を回避するのなら俺も権力を使わせて貰うだけだ。自由と言う名の幻想と今置かれている現実を知るが良いさ。仕事を斡旋して素材を転売するだけの組織なんか要らない」
「冒険者ギルドは仕事の斡旋と素材の買い取りだけではありません。魔物の生息地域の調査や治安維持の協力も行っている筈です」
「ふーん、それは他の街の冒険者ギルドの事だ。この街の冒険者ギルドは現状その事について機能していないよな「そんな事はありません」だったら何故ゴブリンが此処まで増えていた事に気づいていなかった。魔物が増えすぎて森に入れないと言うから一度森の魔物をリセットする為に間引いたと言うのに薬草採取もろくに出来ない。ゴブリンでさえ間引く事が出来ないそんな冒険者達に対して冒険者ギルドは何か対策をしているのか?此処は魔の森と隣接しているんだ近隣の森でさえ入れない冒険者しかいないのでは話にならない。俺が居なかったら数年後スタンピードでアロンは滅んでいるぞ」
「あれ?どうしたんですかこの惨状。何を揉めているんですか?」
「ノースいったい何をしていたんだゴブリンの中規模集落を殲滅したら100人もの真新しい遺体を発見したぞ。遺体は訓練場に置いてある。俺は地図迄渡して詳細な情報を伝えた筈だなのに何でこんな事になってる」
「へっ!私はちゃんと伝えて森に入るなら危険だから気をつけるように皆に伝えるようにと指示しました。そこの職員にその後、守備もとい防衛長官とゴブリン討伐打ち合わせをしていたんですが何故こんな事になっているんですか?」
「そこのお前が元凶か確認するがお前はノースからどう言う指示を受けた」
「ひっ、私はギルマスから地図を見せられ色々言われてたのですが私、地図を読めませんし中規模集落って何の事かわかりません。ただなんとなくゴブリンが増えて来ているから気をつけるようにみんなに伝えれば良いんだと思っていましたがこんな事になるなんて うわーん」
それを聞いたセイとノースは頭を抱えた。
「今まで頭に血が昇っていたが、急に冷めたノースが説明したのは解ったが理解出来ない者に指示を出しこのような事態になったのは事実だ。この不始末どう決着を着けて今後どうするのか書面と共に明日の朝8時にノース自ら報告に来い。罰としてそこの職員とノース2人だけで庭のゴブリンを処分しろ」
「セイ君、受付の机はどうするんですか?このままでは業務に支障が出ます。責任取って下さい」
「大本の責任はノースだろ怒りを押さえきれず受付の机を壊したのは確かに俺だ甘んじて受け入れよう『修復』」
セイが壊した机が巻き戻し映像を見るように元の机に戻っていった。
「これで良いだろ?他に何か言う事はあるか?」「ありません」
「俺から言わせて貰う冒険者共お前達は教養も力も素養も取り柄もろくに無いだから冒険者しか出来ないから冒険者になった溢れ者だと言う事を忘れるな。自由と言う甘美な言葉の意味を良く考えろ自由は己の力の範疇でしか及ばない。その日暮らしで金が無い。生活に困窮している?誰が助けてくれる自分自身が力を着ける以外に方法が無い事を忘れるな。まともな暮らしをしたかったら力を着けろ教養を身に付けろ日々努力を怠るなそして現状を打開するにはどうしたら良いのか考えろ。それがお前達冒険者の選んだ道だ」
「言いたい事言ってくれんじゃねえか俺達を馬鹿にしている事だけは解ったぜ小僧。確かに冒険者は力がものを言うそれだけ言い切ったんだ。お前の実力を見せて貰おうか」
「うるさい!邪魔だ。一人じゃ何も出来ないから数を揃えてってか人の実力も測れない雑魚は黙っていろ!教えてやるよ実力の無い奴が数を揃えても強者一人には勝て無い事を」
「強がりを言うのも今のうちだやっちまえ!」冒険者達は剣を抜き一斉にセイに襲いかかった。
セイは襲って来る冒険者達を尽く一撃で叩き潰した。全員を戦闘不能にしてからナイフを抜きリーダーらしき男の首元に突き付けて「ひっ」
「群がっていい気になるな。お前達は弱いそれを自覚しろ弱者が群れをなした所で弱者でしかない。強者に牙を向かれたら捕食されるしか無い哀れな存在だ。まだ動物達の方がましだ強者を見分ける能力があるからな俺に剣を向けたんだ当然死ぬ覚悟あるんだろ」
「悪かった。悪かったから謝るもう勘弁してくれお願いだ助けてくれ「助けてくれだと」すいません助けて下さいお願いします」
セイは襲ってきた者全員を下着姿にして装備品や財布を奪いギルドカードだけ残して立ち去ろうしたが職員に呼び止められた。
「待って下さい。セイ君のしている事は強盗と同じじゃないですか!」
「これで許してやっているんだ有りがたく思え。こいつら剣を抜き俺を殺そうした。こいつらを牢に入れて処刑しても良いんだぞ。こいつらは領主を殺害しようとしたんだからな。それにこんなもの迄持っていたぞこいつらの持っているカードもよく見ろ」
職員は渡された書状と冒険者カードを見て「えっ!」
「解っただろ。後でブラームに処理させようと思ったがギルド内部の問題だお前が責任を持てるならお前が処理しろ」
「お前ではありませんミーリアです。此処のサブマスです。どのみちギルマスから仕事を振られるのでこの件私が承ります」
「そうか、一応そこの職員も調べておけ。じゃもう行くわゴブリン討伐報酬はそのままにしておいてくれ冒険者ギルドに暫く預けておく」
そう言ってセイは冒険者ギルドを出て行った。




