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スキルの活用方法 セイの日記  作者: 江戸の夜桜
アロン内政編
229/315

228  夢の中(お花畑)


 夕食も終わり皆が解散した後セイとアルフは残って話しをした。


「アルフ、その借用書がどうかしたのか?」


「実は部下の娘の嫁ぎ先がその商人でして商売が上手くいかず多額の借金をしてしまい期日が迫って来ているがとても返済出来そうも無くこのままだと奴隷になってしまうとその娘が部下に金を借りに来たそうで部下も私に相談に来ていたのですが私も部下の娘の為とはいえ簡単に出せる額ではありませんから部下の娘とその子供を逃がす算段をしていたところでした」


「つまりこの借用書の主がその商人のものって事かな?「はい」金を借りた経緯は聞いているか?」


「なんでもアロンに買い付けに来た時に格安の食料が有るから買わないかと持ち掛けられ欲を出して借金までして食料を買ったそうですが」


「盗賊に奪われ借金だけ残ったという訳か。恐らく罠に嵌められたんだろうが完全に自己責任だなぁ。借用書を持つ人間とっては言い訳にもならない」


「ただ、その商人にも同情の余地がありまして子供が病弱で熱を頻繁に出すようです。フィフスにある薬は全部試したそうですが一向に良くならず危険を承知でアロンに薬を買いに行ったそうで少しでも良い薬を飲ませたいと思って欲を出した様です」


「詳細は解った。それでどうして欲しいんだ?新たに契約して先送りして欲しいのかそれとも生活できる金を残して店を畳んで一からやり直して残りの借金を返していくのか」


「いいえ、借用書通りで構いません。部下の娘と子供だけ見逃して頂ければ」


「歪な関係にならないか?」


「確かに歪な関係ではありますがその商人と部下の娘とその子供を引き剥がします」


「それはアルフが決めて良い事じゃ無いと思うが」


「いくら子供の為とはいえ多額の借金をする者と一緒に居させる事は一族の為にはなりません。引き剥がした方が諦めも付くでしょうから」


「俺としたら家族共々借金奴隷が好ましいんだが、身分的な事も有るから本人達に決めて貰ってくれアルフは絶対口を出すな。選択肢は4つだ


1 家族共々借金奴隷になって借金を少しでも早く返す。

2 夫だけ借金奴隷になって妻と子供は離れて暮らす。

3 夫だけ借金奴隷になって妻と子供は同じ街で暮らすが独立した世帯として暮らす。

4 この3つの選択肢を選ばず借金返済の延長を希望するなら新たに契約を結び直す。

  その時は返済プランを俺達に見せて納得させる事を条件とする。

  以上だ。


悪いが借金を棒引きにはしない。因みに家族全員借金奴隷となったら他に売らない。だから当然、俺の保護下に入る。家族の衣食住と子供の治療に教育迄面倒を見るが奴隷とならない場合は俺にその義務は発生しないから好きしたら良い。子供の病状を見ないとなんとも言えないが最善を尽くすと約束をする。どうするかはその家族の自由だ。

アルフも部下に助言するのは自由だがその家族に直接口出しするのはやめろ。どう選択するかはその家族の自由だ。アルフの一族で部下の娘と子供の面倒を見るのならそれも選択肢の一つだから俺は何も言わない。

治療に関しては依頼を受けたなら相応の代金を貰う事になる。一族を率いるのだから様々な事情があると思うから俺が口を挟む問題じゃないので部下と良く話しあって答えを出してくれ。俺はその商人の資質を見たい」


「奴隷という身分さえ気にしなければお館様の保護下に入るのが一番と思われますがお館様の事を知らない者はどう思うか」


「まあ、俺としたらどの選択をしても構わないが選択肢の4を選んで俺達を納得させるだけの返済計画が出せない場合はアルフに任せるよ。明日から1週間待つからどの選択をするのか聞かせてくれ。

子供の様態が芳しく無いようだから本当はもっと早い方が良いんだけど普通にフィフス迄行って戻って来る迄馬車で6日だもんなぁ真面目に郵便事業を考えなきゃいけないな。俺達とこの世界の速度の感覚のズレに慣れないや」


「承知しました。一族の連絡方法を使いますので返事5日後には届くかと」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

余談

5日後の朝知らせが届きセイはアルフ、ハルカ、ミリア、シロを伴いフィフスに移動してアルフの部下と合流して借用書の主の商人の元に向かった


「この借用書にあるサインは君のもので間違い無いかな?「はい間違いありません」それで君は返済期限の延長を申し込んで来た訳だがどのくらい延長すれば良いのかな「1年の延長をお願いします」借用書の期限を伸ばすだけで良いのかな?「はい。そうして頂けたら助かります」じゃ返済プランを聞こうか」


「まず武器を購入して武器を買い武器を売って儲けを出すつもりです。その儲けで更に武器を購入してもっと儲けを出すつもりです。どうですか良い案でしょ。今、王国と帝国は戦争しているしフィフス周辺も戦争準備をしています。きっと帝国に攻めいるのでしょうアロン当たりに。きっと武器は売れる筈です」


「もう良いよ。君は武器を扱った事はあるの?」「多少は」


「ハルカはこの話しを聞いてどう思った?」


「うーん話しにならないかなぁ状況分析が出来ていない上に見通しも甘いね。ろくに扱った事の無い物をどうやって売るの?販売先は決まっているの?「それは此から見つけます」無理ねさっき帝国と王国が戦争していると言ってたけど大量の武器は貴方には売れないでしょ。貴族や軍との繋がりが有るようには思えないし鍛治師や鍛治ギルドと繋がりはあるの?「ありません。ですが商業ギルドで買えます」貴方と同じ考えの人がいたら競争になるけど勝てるの?」


「もちろん勝てます。話術には自信がありますし、なんたって私は生まれながらの商人です。天職が商人なんです。凄いでしょ。生まれながらの商人ですからきっと成功しますよ」


「生まれながらの商人って単なるジョブが商人ってだけでしょ?私を説得も出来ないで話術が得意ですか。セイ君この人あの前侯爵や前領主と同じで、生まれながらの商人ってだけで必ず成功するって思っているよ。何言って無駄な感じがする」


「ありがと。ハルカ。アルフと部下の人はどう思いますか」


「話しになりません。実績も無い者に軍は取り引き等しませんし。鍛治師も武器の見る目の無い者等相手にしません。それにどうやってフィフスから出るんでしょう?護衛は?フィフスの冒険者ギルドは閉鎖してますよ」


「お頭の言う通りです。情けない」


「と言う訳だ俺も君のプランはで借金が返済出来るとは思えない。仕入れ先も確保出来ていない。売り先も此から探す。武器が此から本当に売れるかわからないんじゃ一つとして現実が見えて来ない。君の頭の中では成功しているのかは知らないが単なる絵空事だ。商人は信用と実績がものを言う世界だ。期限を1年延長しても利息合わせて大金貨4枚と金貨40枚を返せるとは思えないな」


「大金貨4枚と金貨40枚ですって、何故そんな金額になるんですか!借りたのは大金貨2枚の筈です」


「だから最初に聞いただろ。この借用書に本当に君がサインしたのかと。君は確かにサインしたと言った。この借用書は改竄も何もしていない何処に出しても通用するものだ。俺ならこんな借用書にサイン等しない余程手持ちが無く緊急を要しない限りはな月利10%なんて短期金利なら有りだがそれだけの資金を持っていて初めて借りても良い利息だよ。今日借りて明日返すぐらいの緊急時しか借りないものだ。それに計算の仕方では毎月利息を払っていかないと雪だるま式に増えるぞ利息が利息を生むからな。年利に直すと120%以上になるな。そんな契約を君はしたんだ。」


「そんな馬鹿な金貨20枚だって言って筈だ」


「間違ってないよ。確かに金貨20枚よ。但し、利息が月金貨20枚ね。商人なんでしょ借用書をちゃんと確認して内容を理解してサインしたんでしょう?」


「僕は足し算しか出来ないし初めて借用書にサインしたんだ」


「大丈夫だよ。まだ利息は金貨42枚だから」


「という事でまともに計算も出来ない君は商人失格だ。契約通り回収させて貰うよ。君は今日から商人ではなく借金奴隷だよ「そんな~」ミリア、ハルカ奥さんと子供を診てくれ。アルフの話しからすると魔力熱の可能性が高い「うん♪」アルフこの店の価値はどれくらいだろうか?」


「高く見積もって布地等の商品を合わせても大金貨1枚の価値もありませんね。現金や口座がどれくらいあるかわかりませんが」


「セイ君、予想通り魔力熱だったよ。まだ一歳だけど生まれながらに魔力が多いから熱が出たみたい。もう大丈夫だよ。奥さんに説明したし対処方法も教えたよ♪」


「後は、アルフの好きにしてくれ一族と家族の問題だからしっかり話し合ってくれ打ち合わせ通りシロと馬車は置いて行くからシロ、フロント迄アルフ達を送ってやってくれ」『ラジャー♪』


「承知しました。お手数をお掛けして申し訳ありませんでした」












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