208 アロンの掃除
セイは冒険者ギルドを出てフロントの屋敷に戻り夕食後主要メンバーから状況を聞いた。
「寮に関しては受け入れ準備は出来ました」
「了解、ポールやサバト達と相談して受け入れてくれ」
「ドレスとアクセサリーのデザインは出来たからサーシャさんお願い出来ますか?」
「お任せください。ブラウニー達も喜んでいますよ」
「女帝と女王の分は俺が受け持つけど他の分はポーラに任せて良いかな?「勿論です♪」宝石は美乃里に鑑定して貰っている分を使ってくれ必要な材料があるなら言ってくれ」
「では宝石に負け無い台座が欲しいのでミスリルのインゴットを下さい」
「わかった。此れぐらいで足りるかな?」「充分です」
「シルビア帝都の借用書のリスト出来上がったか?「はい」じゃ明日帝都の冒険者ギルドに行って調査を依頼してくれミーナはその護衛「「はい」」あとボルド、召喚5人を明日の午後フロントの冒険者ギルドに連れて行ってくれ書類整理や鑑定なんかの仕事があるそうだ。社会勉強にもなるし鑑定の訓練にもなるから依頼を受けさせたいガガと相談して送り迎えの護衛を頼む」「へい♪」
「アルフ商業ギルドの報酬はどうなっている?」
「物件を選定しているところです一つは工場用地と隣接している所は決まりましたが他はまだ決まっていません」
「そう急いでないからじっくり選んでくれ」「畏まりました」
「これから話す事は全員聞いてくれ明日中にアロンのスラム街の住民全員を強制的に退去させる。その後スラム街を更地にする。サリナとハルカは保護した住民達の治療に加わってくれ教会や冒険者ギルドにも応援を求めるからそのつもりで準備してくれ。更地にするのは明後日からだが医療は緊急性を認めるならハルカとサリナにはアロンに来て貰う宜しく「「はい」」それとラピとアップには明日からアロンに滞在して情報収集をしてもらいたいが瓦礫の件はどうなっているのかな?」
「瓦礫の件は明日中に終わります」
「じゃあ明後日からで良いか。ボルド2人にはそう伝えてくれ」
「へい、情報収集ってどんな情報を集めるんですか?」
「たわいのない噂や評判の良し悪しで良い特に官警や商会、金貸しなんかの評判を耳にするだけで良いこちらからわざわざ聞く必要はないよ適当に話しを振るのは構わないが怪しまれない様にして欲しい。情報収集したい者がいるなら明後日から適当にチームを組んで観光がてら行って良いぞ」
「「「はい♪」」」「じゃあ解散」
セイは自室に入りハルカがデザインしたネックレスとティアラの台座をミスリルで作り魔石や宝石や真珠をちりばめ完成させてオートアジャストとオートリターン、結界を付与した。そしてダイヤを空間遮断を使って24面体にカットしてイヤリングとネックレスを2つづつ作り結界を付与して作業を終え日課をこなして眠り着いた。
翌朝何時もの自主練を行いミーシャからパンを多めにもらいミリアとクリス、アルファ達を伴いアロンの街に移動した。アロンの街に入りスラムの様子を見に行くと兵士は誰もおらず兵舎に行き訓練場を見ると其処には野晒しのまま放置された住民がいた。セイは即座に代官の屋敷に行き代官を叩き起こし、怒鳴りつけた。
「起きろ!いつまで寝てる!」
「これはセイ様いったいどうしたのですか?」
「どうしただと。俺が命令した事の半分も出来ていない。お前はどういう命令をしたんだ!」
「スラムの住民を強制的に立ち退かせ訓練場に連れていけと命令しましたが」
「そうか、お前は俺が命令した事の伝達もろくに出来ないわけだ。俺は説得してから強制的に立ち退かせろと言った筈だ。それに全軍で包囲しろとも言ったが兵士等誰も居なかったがどうしてなんだ?それに手厚く保護しろとも言った筈だが野晒しだったぞ。テントぐらい用意しろ!」
「すみません。色々忙しくって」
「言い訳はいい守備隊と警備隊の責任者の両名を呼べ」
「えっ、この時間からですか?」
「誰のせいか自覚が無いのか?帝国軍から切り離されるんだぞ編成は進んでいるのか?」
「これからは王国で言う領軍となるんだつまり領主の私兵だ忠誠は皇帝ではなく領主に向けられて当然だし軍に時間等無い緊急時はどうする。いいから呼び出せ。来ないなら解任するだけだ」「はい」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「緊急の呼びだしご苦労。昨日は突然の命令済まない。俺はセイ・ワタヌキ此処の領主代理だアロンの皇帝陛下より全権を委任されている。これが陛下より承った書状だ。「はっ!」代官より昨日説明があったかどうか知らないが俺が出した命令と齟齬があった。遅くとも3日後、アロンに王国軍の捕虜2万と戦利品である馬が約1万頭が来る。また、王国との外交交渉や条約締結もアロンで行われるその為の受け入れる場所が必要となった。受け入れ場所をスラム街とし、昨日スラムの住民を強制的に立ち退くように代官は指示したが俺は説得をして反抗する者を強制的にスラムから排除しろと言った。また、説得に応じた者は手厚く保護しろとも命じたがどれも守られていない全て命令をいい加減に流した代官の責任であり命じた俺の責任でもあるよってこれからアロン守備隊及び警備隊の全軍の指揮を取る」「はっ」
「守備隊は門番以外は全て出動して訓練場に天幕やテントを有るだけ全て設置しろ。それと炊き出しパンとスープをスラムの住民に無料で提供しろ費用は此方で持つ取り敢えずアロンの食料の備蓄分を使え後で俺が補填する。警備隊はチームを組んでスラムの住民の説得に当たって貰うが暴力は振るうな。住民にはしばらくはテントや天幕で過ごして貰う事になるが食事の無料提供と病人には無料で治療すると説得しろ。それに応じず建物に立て籠る者は包囲するだけで良い。俺が対処する。また、反抗して暴力に訴えてきた時は容赦なく自衛権を行使して捕縛しろ。絶対に殺すな。警備隊や守備隊が住民に横暴な振る舞いをした場合俺が厳しく処断する俺の従魔達が監視しているからそのつもりでいろ。ブラームは官僚達に受け入れたスラムの住民の名簿を作成して人数の把握と大まかで構わないから食料がどれだけいるか算出しろ。後、このあとのスラムの住民をどうするのかその対処を討議して全て案を俺に書面で提出しろ。奴隷にして売却するのは認め無い。最後に守備隊も設営が終われば炊き出し以外の者を除いて警備隊と合流して説得に当たれ。以上質問はあるか?「「ありません」」よろしい。すぐさま準備してかかれ!」「「「はっ」」」
セイの命令はすぐさま実行に移されそれぞれが動いた。セイは教会を訪れ炊き出しと治療の人員を出してくれるように要請して教会はセイの要請を受け入れてくれた。これは善意では無くセイが帝国白金貨1枚を喜捨したからだった。それから冒険者ギルドに訪れ治安維持の為冒険者に街の巡回とスラムの包囲を要請した。また、冒険者の中でもヒーラーと鑑定持ちに依頼を出して病人の治療に当たってもらった。
最初は疑心暗鬼だったスラムの住民も孤児達や病人や怪我人を抱える家族が説得に応じ保護されていったが当然抗う者達もいて暴力で反抗する者は捕縛されて牢に入れられた。そして昼過ぎになると建物に立て籠る者しか居なくなり立て籠る者達は十数回ヶ所に及んだ。セイはアルファ達に立て籠る者達の無力化を指示してすぐさま実行され建物から引き摺り出されことごとく連行して、屋内を隈無く捜索され盗品や犯罪の証拠となる物が次々と発見され、中には貴族や商会からの殺人や誘拐等の依頼の手紙もありセイはその者達をことごとく捕らえ私財を全て没収した。その中には商業ギルドのマスターや薬師ギルドの幹部もいて街は騒然となった。
「ご苦労。諸君達の活躍で街のゴミ掃除が出来た。おって皆に報奨を授ける。引き続きスラムの閉鎖と捕らえた者達の取り調べと家屋の閉鎖、治安維持の為の巡回をしてくれ」「「「「はっ」」」」
その夜無人となった商会や貴族の屋敷に侵入する者が多くいたがアルファ達が無力化して翌朝連行されていった。




