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スキルの活用方法 セイの日記  作者: 江戸の夜桜
アロン内政編
204/315

203  捕虜の有効利用

 本編です。セイがフィフスを制圧して2日後に戻ります。


セイはゼルフ将軍の元を訪れ一般の兵士達についての書状を渡した。


「さすが使徒様のご紹介されたご仁こんなに早く王国も対応するとは侮れませんな」


「王国も色々考えての事でしょう一般の兵士達の解放もそうですが王国が約束したのは一般の兵士達の解放する為の言わば身代金とそれに掛かる食費だけですその金は王国流通貨幣なら今此処でお渡し出来ますがどうされますか?」


「申し訳無いが此方で金銭の授受は出来ないのだ物資の購入は問題無いのだが帝都の方に直接渡して貰えぬか書状を書くゆえしばし待たれよ。」


「解りました。お金の方は帝国宰相補佐官にお渡します。少し提案があるのですがよろしいですか?「何かな?」捕虜に働いて貰ってはどうかなと思いまして戦乱でこの近辺の村は田畑が荒れた状態になってます。賃金を捕虜に払って田畑の復旧を図ってはどうかなと思いまして現在捕虜はお金が無い状態です。王国に返しても金が無い状態では野盗化する恐れがあります。王国内部であれば王国内の問題ですが帝国に舞い戻り盗賊になる可能性も否定出来ません。王国がどの程度まで一般の兵士達を運ぶのか今のところ不透明です。それに返還にあと1週間はかかります。せっかくの労働力です。このままにしておくのは勿体ないと思います。5日程働いて貰ってはどうでしょか?今だけですよ多くの労働力を得るのは」


「面白い提案だが私の権限の外に当たるそれも書状に認めておこう」


こうしてセイはゼルフ将軍の元を離れ帝都に飛び帝国宰相補佐官にお金と書状を渡した。


「書状と身代金確かに受け取りました。セイ殿の発想は面白いですね。しかし今すぐ命令を発しても急いでも3日はかかります。現場での準備もありますから実行するのは難しいかと思います」


「今回は俺が届けるよ。正式な命令書は後で発行すれば良いのでは?正直、田畑の復旧は帝国にとって急務だろ戦争による労働力の不足は各村にとって深刻な問題だし帝国の税収にも関わる5万もの捕虜がいるんだそれを労働力として僅な期間だが有効活用して自分達が荒らした田畑を復旧してもらった方が良いと思う。それと5万もの捕虜が現在何も持っていない状態だ返還したら終わりでは済まない可能性がある。王国の対応にもよるが食い詰めた者達が盗賊になる可能性が高い。帝国も国境から隣接する王国領土を割譲されるのなら割譲された地域で多くの盗賊が出るのは好ましく無い事態だと思う。臨時収入だし数日食い繋ぐ賃金を渡してやれば喩え盗賊になったとしても帝国領より離れている所でなるだろうしな。それと王国と条約が結ばれていない今だけが捕虜を自由に扱えるし軍馬も数多くいるんだ。農耕馬として活用すれば良い」


「活用は解りますが問題もあります。農具が揃いませんし農具は武器にもなります。暴動や逃亡の可能性も考えられます」


「多分、暴動や逃亡はしないと思う帝国兵士達が虐待や横暴な振る舞いをしない限りな賃金は少ないだろうが払うんだ。期間も短期間だし、それが終われば王国に返還される事を知らせてやれば暴動を起こす必要性は余り感じない筈だ。それに暴動や逃亡を謀る者はとっくに実行しているだろうし貴族達の身代金交渉もまだ決まっていないのならアロンへ輸送して軟禁すれば良い。貴族達に農作業は役に立たないだろうし切り離した方が良い。それと奴隷達の処遇の事もあるだろう?農具に関しては必要数を言ってくれれば俺が揃える相場の値段で支払いは一年後、物納でも構わない」


「ありがたいお話しですが返還後農具が余ってしまいます」


「そんな事か各村や街に安く払い下げすれば良い輸送は俺が受け持ってやるさ名目は女帝即位の恩賞とでもしておけば良いんじゃない?代官に通達して購入希望者を募れば余剰分の幾らかは捌けるだろそれに微々たるものかも知れないが生産も上がる可能性もある。女帝陛下のイメージが農民達の間で良くなると思う。残ったら俺が引き取るよ。王国で売れば良いだけだから」


「何故そこまで農民の事を気にかけるのですか?」


「不思議かい?貴族達は余り農民達の事を気にしない者が多いと思う。搾取する側だし人と思っていない奴もいると思う自分達は農民達を支配していると勘違いしているんだ。農民も人なんだ貴族はある意味農民達に生かされているんだ。貴族達はそれなりに教育を受けて政務が出来るが貴族は農業が出来るのか?社会はそれぞれの役割分担をして成り立っているだろ足らないものをそれぞれが補って人は生きているんだ。帝国は特にいままで農民に重税かけて苦しめて来たんだ。税を下げたところで生活が楽になるには時間が掛かる経済は底辺の生活が豊かにならないと大きく発展しない。現状では生産力を上げる以外方法が見当たらない。人は道具じゃない人が育つには10年以上の年月が掛かる道具のように直ぐに取り替えが出来ない。兵士だってそうだ一人前にするのに数年は掛かるだろそれに農民が疲弊していたら生産力も落ちる。貴族達は確かに大金を使うが経済の器で考えると取り引きする器は小さいんだ。国を豊かにすると言うことは底辺の者達の暮らしを少しでも楽にする事で貴族達だけを豊かにする事じゃないし軍を増強して農民達を疲弊する迄働かせる事でも無いんだ今の帝国で最も重要な事は税を下げた分何処で減収したものを取り戻すかだ。新しい産業を立ち上げるにしても宛てはあるのか?有ったとしても現状のシステムでは秘密主義で広まらないし広まる迄に数年は掛かる一番手っ取り早いのは農業や工業の既存のものの生産を上げる事だと俺は思うよ。取り敢えず帝国の荒廃した農地を元に戻す事が大切なんじゃないか?」


「セイ殿のおっしゃる通りですね。人は疲弊していては動けませんし生きる為の活力や希望が必要です。陛下が農民にまで心砕いておられると評判になれば民の希望に成りましょう。鍬を1万、鋤を1万、馬鍬を千を揃えられますか?」


「ああ、明後日には揃えよう。少し遅くなると思うがゼルフ将軍に直接届けても構わないよな」


「勿論です。旨くいけば来年度は増産されるやもしれません。セイ殿忘れるところでした。身代金は兵士達に分配するとの事でしたが馬はどうされますか?王国騎士団の馬や貴族達の分を含め約1万頭を鹵獲しております。馬も戦利品となります故、使徒様の物となりますが一度に放出されると馬の値段が暴落してしまいます。馬を育て生計を立てている者達にとってかなりの影響が及ぶと予想されるのですが」


「そうだなぁ。まず王国と馬の返還交渉はしない。王国の戦力を削ぐ意味も有るけど帝国の生産力を上げる為に使う。俺も欲しい馬がいるかも知れないから選ばせてくれ。その後軍馬として優秀そうな軍馬の一部は今回の内乱で活躍した者達の報奨にしてくれ。農耕馬になりそうな馬を各村に出来たら番で陛下の名前で下賜して残りをアロンで競りに掛ければ良いさ。「競りとは?」オークションの事だよ最低落札価格を相場より少し低めに設定しておけば暴落もしない筈だ」


「商人や貴族達が談合した場合はどうされますか?」


「競りは王国や帝国の貴族や商会に案内は出すが誰が参加しても構わないその会場に入る為に商人や冒険者は銀貨1枚、商会や貴族なら銀貨5枚を参加費用としてもらい入札制にすれば良いんじゃないかな?冒険者達も馬が必要な者もいるだろうし余剰分の荷馬車もそこで併設して売れば良いさ。余剰分の荷馬車が売れ残れば適当に各村に配備すれば良い。商人や貴族達達が談合して買わないならそれでも構わない表向きは帝国が一括で買い上げ各村に下賜するが商人達の商売の機会を奪うのは心苦しい陛下の恩情を持ってオークションを開催するとしておけば談合の意味はないと思うよ。買い手既についているんだから陛下から下賜された馬を取り上げる貴族はいないだろうし村人も馬を大事にすると思うよ。下賜した馬は印を付けてくれ売却出来ない様に」


「しかし、我が国にそれだけの馬を買い取る予算がありません」


「村に下賜する馬や報奨にする馬の代金は要らないし各村への輸送も俺が引き受ける農具の輸送と同時に行うよその代わりアロンに駐屯させる軍を借りたい。奴隷達や捕虜で身請けされなかった者達の売却もその時期になるだろうから王国や帝国の商人達が集まる筈だ受け入れる体制も整えておかなければいけない。治安維持の面で街中は守備隊にさせるが馬の競り市は街の外に競り市を開催する場所を俺が作る馬市を開催する期間、警備を頼みたい冒険者ギルドと商業ギルドの協力も必要だから領主権限を代理人として使う許可をくれまだ表向きはアロンは独立自治区じゃないから施設に関しては俺がなんとか出来るが運営に関しては俺だけでは無理だし結構な人員がいる金の受け渡し一つ取ってもな」


「解りました。それぞれに書状をしたためます。セイ殿は帝国皇家の家紋が入った短剣をお持ちですよね。「ああ持っている」アロンの代官に書状と家紋の入った短剣をお見せ下さい。それで理解する筈です」





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