201 事の顛末
ヘンリエッタがフロントからセコンドに戻った当日ヘンリエッタはギルバートの実の妹であるエアトリア前侯爵の呼び出しを受けた。
「ヘンリエッタ貴女を呼び出した理由は解るわね。お兄様からの書状は受け取り報告も受けました。あのお兄様が此処までお怒りになるとは余程の事です。釈明の機会を与えます。お兄様を屋敷で貴女が何をしたのか何があったのか話しなさい」
「セイという平民が悪いのです侯爵である私の命令を訊かずたかが平民なのですよ私にひれ伏して当然ではありませんか私の言う事を訊かぬのです。無礼にも程があります。あ奴は私の命令を無視して関わるな等と言うのです。商人は私にひれ伏して当然の存在私は商会を潰すと宣言しましたわ。なのにあ奴は平然として出来もしない事を話すのです。ギルバート叔父様もセイと言う商人の話を聴くだけで私の味方をしてくれません。叔父様の力を持ってしてセイを潰せば良いものを侯爵である私を叱り、アルフに暗殺を命じたとたん私を打ったのですいかに叔父様とはいえ侯爵の私を打ったのですよ酷いではありませんかセイのみならずフロントにも報復せねば気が治まりません。セイの商会を潰しフロントにも兵を挙げて攻め込みましょう。お母様」
「そう、内容は報告や書状とだいたい同じようね見解の相違はかなりあるけどさぞや悔しい思いをしたようね本当に哀れなヘンリエッタ「お母様は解って下さるのですね」ええ解りますよ哀れで愚かなヘンリエッタ「えっ?」慎重で穏やかなギルバートお兄様が何故このような書状を急ぎ知らせて来たのか不思議で調べさせました。貴女の従者からも事情を聞き報告と照らし合わせ合点がいきました。その上で貴女の釈明を聞いたのです。貴女は反省もせず報復を考えているとは本当に情けないお兄様のお怒りが理解出来ました。ヘンリエッタ貴女をこのまま侯爵にしておくわけにはいかないわ。優秀な婿を取って侯爵家の安泰を願っていたのですがこうまで貴族としての自覚もなく領主としての振る舞いに欠けるとは情けない。総てに於いて失格です。誰か此処に「はっ」今この時よりヘンリエッタの領主の任を解きます。ヘンリエッタ幽閉しなさい!王家には長旅でヘンリエッタは病にかかり政務が出来ぬ状態で私が復帰すると届けなさい。「お母様私はこの通り元気です。政務も出来ます」可哀想なヘンリエッタ心の病に掛かってしまったのね。そうでないと説明がつかないもの領地まで巻き込んで滅びようとするなんて病がお兄様の元でわかったのはせめてもの救いね」
「お母様、私は病になど掛かっていません。私は、私は「お嬢様お見苦しいですよ」お母様!」
「エアトリア様、ヘンリエッタ様を今後どうされるおつもりですか?」
「そうね他家へ嫁に出すという訳にもいかなくなったわね。仮にも侯爵位を継いだのですもの追放しても良いのだけど我が子だけに可哀想でしょう家臣の褒美にでもして役に立ってもらいましょうかしばらくは病としてほとぼりが冷めるまでは幽閉しておきなさい。そして貴族の在り方を徹底して教えなさい。貴族は民を導く者です。私達の言動は領地領民の命運が掛かっている程重いと教え込みなさい。だから特別なのだと特別の意味を履き違えてはなりません。今回はお兄様だから大事に至らなかったのです。ヘンリエッタもそうですがまだ幼い我が子達の教育を見直します。お兄様と相談してみましょう道を誤らぬように「御意」しかしセイと言う者ヘンリエッタの従者達を報告を聴く限り恐らく異世界人だわ「勇者ですか?」わからないわただ異世界人はこの世界に無い様々な知識を持つと聞いた事があるのよ。報告では知識と言う面ではわからないけど発想と思考は従者達も驚かされたと報告があった。そしてお兄様よ、お兄様は誇張はしない喩えブラフであったとしてもね。現実的なところからカードを切る人だもの。あのアルフも認めている事からも相当優秀なのね。取り込みたいけど今はできないわね。それよりも王家からの賜り物をどうするかよ取り敢えずお兄様に詫び状を書くとして今回の一件他家に知られると不味いわ早々に手を打たないといけないわねお兄様に取り持って貰うだけじゃまだ足りないこの書状を内々にアルフに渡してちょうだい。「これは?」パーティーの招待状よ私も今から王都に行くわ爵位の交代は王家の許可が必要ですからねその時にパーティーを開催して彼を招待して内々で私が直接彼に詫びるわ表立って侯爵家が商人に詫びる訳にいかないでしょ。アルフならこちらの諸事情を理解しているはずだからアルフに口答で伝えて当主が詫びたいとそれで解るはずよ」「御意」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
少し時間は遡りヘンリエッタとの一件があった翌日の朝
「昨日は済まんかった」
「済んだ事だからもう気にしてないよ。此方の教育事情が解ってある意味収穫があったと思っているよ。教育を受ける事が特別なんだと理解したよ。ところで今から王都に行くけどギル爺さんの馬車を収納するよ。それからこれから応接室に行って貰うけどそこで起こる事は他言無用と質問は無しでお願いします」
「ウム、わかった。他言無用じゃな」セイは応接室にギルバート達を案内して扉の前立ち
「ハルカ、ミリア、ギル爺さんとロルフさんの手を繋いでこの扉を潜ってくれ」「「はい♪」」
「なんじゃ此処は?どこか屋敷の庭に出たゾイ」
「此処は王都の俺の屋敷元公爵邸の庭だよあの扉は空間を繋ぐ魔道具でフロントの応接室から王都の屋敷の庭を繋いでいるんだ。何も聞かないでくれるとありがたい。使用条件があるから限られた人間でしか使用出来ないようになっている」
「なるほどのぉ他言無用と言う訳じゃ質問もしない約束じゃから何も聞かないでおくわい」
「ありがと。紹介するよこの屋敷の執事のサバト此処はギルバート様辺境伯だ」
「存じ上げています。殿。お久しぶりです。ギルバート様」「久しいのぉ」
「知り合いだったんだ。サバト馬車を用意してくれ。「はい承知しました」で、どうするの?」
「そうじゃのぉ、儂の屋敷に向かうとしょうかセイ、お主も同行してくれんかハルカものぉ「どうして?」儂はどうしてもラインリヒトの事になると甘くなるからのぉ「わかった」それとセイに頼みがあるラインリヒトがヘンリエッタのようじゃったら現実を見せてやってくれ「どの程度まで?」自分の実力がどの程度のものかはっきりと自覚する迄徹底的にじゃ。「わかった。とめる迄やめないよ」構わん」
◆◇◆◇◆Ⅰ◆◇◆Ⅰ
「父上どうしたのですか?突然王都まで来られて」
「なに王都に用事ができてなそれにラインリヒトの事も気になってのぉ遠征中の事を聞きとうて王都迄来たんじゃが何か儂が王都に来ると不味い事でもあるのかのぉ?」
「いいえそんな訳あるはずありません」
「そういえばラインリヒト酒の匂いがするがどうしたんじゃ?」
「昨夜此処でパーティーを開きまして知人を招待して少し羽目を外しました」
「そうかそうか。パーティーをのぉ「父上この者達は何者ですか?」そうじゃったこの者達は儂が懇意にしている商人でセイじゃ」




