200 フィフス占領の影響7
セイ達が去った後、ヘンリエッタの周囲の者達は緊張から解放され胸撫でおろした途端にヘンリエッタが爆弾を落とした。
「このままじゃ許さない絶対にひれ伏せてやる!泣いて許し請うても許さない平民の分際でよくもよくも私に逆らってアルフあいつを殺して!いいえ殺すだけじゃ飽きたらない生かしたまま連れて来て私の手で切り刻んで泣き喚きながら死んで行く姿見ながら笑ってやるわ」
「ヘンリエッタ様それはなりません。セイ殿の恩情を無下にするのですか!」
「この馬鹿者が!恥を知れ!」ギルバートはいきなりヘンリエッタの頬を平手で打った
「何をするの叔父様。お父様にも打たれた事無いのに!」
「まだ、わからんのか!侯爵家だけでなく一族総てを破滅させる気かこの愚か者!」
「セイが本気で怒ったら王国等一溜まりもなく滅びる。大国5ヵ国の軍勢を持ってしても止められるかどうか解らん。セイの周囲には伝説と言われたミリアとそのパーティーメンバーがいるそれだけではない。Aランクの冒険者も解っているだけで4人それよりもセイの実力がずば抜けて強い加えてセイの従えている従魔達は総てユニークと報告が入っておる「テイマーなの?」セイは特殊じゃ魔の森の深層に行って生還出来る程にな。セイの職業を詮索するだけ無駄じゃ高度な魔法も使える上に武術の腕もある」
「それだけではありません。親方様の生来の戦闘スタイルはアサシンだそうです。気配遮断に探知は見事なもので未だに親方様の後ろを取れません。「嘘」本当の事でございます」
「でも何か弱点がある筈よ!」
「ではお嬢様お一人で親方様に挑んで下さい。恩義も在りますが純粋に敵にしたくないお方ですゆえそれに御館様に手を出せば私共もお嬢様の敵と認識させて頂きます」
「ペンを持て妹いや一族に書簡を送る。この愚か者がセイに手を出せぬようにする」
「叔父様たかが平民をなんでそこまで恐れるの?」
「恐れる?恐れて等おらんよ儂はな。儂が恐れているのはヘンリエッタお前のような愚かな者がセイを侮り手を出して我が一族を破滅させる事じゃ。セイは元来穏和で優しい性格じゃ。だがその一方で敵と認識したら容赦はしない性格じゃ。アルフはどうみる?」
「ギルバート様のご推察は正しいと思います。この間の屋敷への襲撃も殺さず敵を無力化して捕縛しました。お優しいから人を殺せ無いと想っておりましたがとんでも無い間違いでした。単に殺す必要が無いから殺さず生かしているだけで捕らえた襲撃者を見る眼は冷たく感情の無い何かつまらないものを見ている眼でした。あのような眼をする者は人を殺せます。現に帝国の勇者の一人を躊躇いなく四肢を切断して数日放置していましたから。甘いだけではない一面を見てさすが御館様と感服しました」
「帝国?勇者?いったい何者なのあの平民は」
「セイ曰く遠い遠いもう戻る事の出来ない所で産まれ育って此処に迷い込んだ者と言っておったのぉ本当にただの人間じゃよ「嘘よ、ただの人間があんな子供があんな思考出来る訳無いでしょ」セイの言葉に嘘は無いぞそれを見抜けぬ程耄碌しとらんよ。セイの産まれ育った故郷は此処よりずっと高度な教育を施されるそうじゃヘンリエッタ、セイやハルカに嫉妬しているだけのようじゃの好奇心ではなく普通の人間とは認めたく無い感情が強いようじゃヘンリエッタ身分と能力を一緒するで無い事実だけを認めるんじゃな。セイやハルカはあのような思考ができるように育てられたんじゃろうな知識にしても膨大な知識を蓄えられた所で様々な知識を得たんじゃと言っておった。儂に嘘は通じんのは知っておろう。ヘンリエッタお前は侯爵という身分ではあるがただの人間じゃそれを認めるんじゃ「・・・・」そうでないと今日のような事態を引き起こす。ヘンリエッタお前は今日、何をしたか自覚はあるのか?お前の変な嫉妬と意地のせいでセコンドの民を巻き込み大変な事になるところだったんじゃ「あんなのハッタリよ」少なくともセイとハルカは嘘は言っていなかった。実行可能な作戦と思っているんじゃろう。ヘンリエッタお前個人にどんな力あるんじゃ?さっきのセイとのやり取り全て人に頼っておった。セイ個人の力でフィフスを数時間で落とした。「人脈も力よ」確かにそうじゃがお前は儂の面子を汚した事に気がつかんのか?さっきもセイが言っておったのぉ敵と認識している者に何故施されねばならんとな。儂とセイは友好関係にある。どちらが偉い訳でも無いお前にも事前にセイの事を話したであろう貴族の常識を嫌うとそれと一部であるがセイの能力を話したそれをお前は認められず儂の友人を平民と侮り侮辱して喧嘩まで吹っ掛けた。この屋敷でそれも儂の面前でのぉそれが何を意味するのかヘンリエッタにはわからぬようじゃ教えてやれ」
「恐れながら説明させて頂きます。まず、ヘンリエッタ様とギルバート様のお二人だけの歓談中にお部屋に招き入れたと言うことはセイ殿はギルバート様とそれだけ親しいお方だと推測され、ヘンリエッタ様にとって有益な人物として紹介する目的もあったと思われます。セイ殿とハルカ殿はギルバート様にお嬢様が驚く何かをされたと推測しますそれを見てお嬢様はセイ殿に嫌われる態度を取って話が拗れ先程の話しになったようですね。ギルバート様がセイ殿を咎め無いと言うことはお嬢様がセイ殿に平民と言うだけでセイ殿の立場、商人としての力、影響力を何も考えず先程のような事をされたのですか「そうじゃ」ギルバート様、ヘンリエッタ様が大変失礼な事しました。申し訳ありませんでした。お嬢様、ギルバート様になんと言う失礼をされたのですか!ギルバート様が良かれと思いセイ殿を紹介したのにセイ殿を不機嫌にした処か侮辱して脅迫までするいかに親族とはいえギルバート様の面目は丸つぶれです。先程のセイ殿の立場はギルバート様のご友人または御客人なのですよ。ギルバート様から絶縁されて当たり前の行為をお嬢様はなさったのです。これを口実に決闘を申し込まれてもおかしくない程ギルバート様を侮辱したのです。お嬢様はセイ殿が気に入らぬのでしたらその場は流し関わりを持たねば良いだけの事でした。ギルバート様の話しが本当ならばお嬢様はドラゴンに素手で戦うところだったのですよ!それもセコンド総てを巻き込んで短慮にも程があります。「ドラゴン!」ギルバート様やアルフ殿の仰る事が本当ならば化け物です。ドラゴンよりも質が悪い。ドラゴンは単なる力だけで暴れ廻って去って行くだけですから私達はかなわないと思ったら逃げれば良いだけですがセイ殿と戦うとなると逃げる訳にもいきません諸侯から笑い者になるだけですからそれに戦の場は商人の戦場です。一つの商会を潰すのは簡単とお考えなのでしょうがそれが小さな商会なら潰れても影響は少ないので問題は色々ありますが可能でしょう。しかし、経済と言う分野での戦場では私達は圧倒的に不利です。セイ殿の持つ商会を一つ潰すにもかなり期間をかけて準備しなければならないのです。セイ殿は簡単に支店を引き上げる。取り引き停止と言っておられましたが本来なら普通の商人ではあり得ない事です。許しを請いひれ伏すのが普通です。セコンドでの利益は決して少なくないでしょうからしかしセイ殿は迷いもなく引き上げると言ってのけた余程の財力をお持ちなのですね」
「セイの個人資産は儂が知る限りでもフロントの年間予算の数倍はあるの「ええっ!」セイが言っておったじゃろセコンドの経済封鎖を数年に及んで出来ると。セイは武力を使わなくてもお前達が準備しようがセコンドを潰すのは簡単なんじゃ。人脈にしても王家と繋がりを持っておる。不思議に思わなんだか今回のフィフスの裁定を」
「はい、王家の動きが早すぎます。「じゃろ」諸侯の動きを止め戦禍の拡大を防ぎ王家の威信を見せつけ裁定にしても王家の顔が立つような裁定でした」
「総てセイが仕組んだんじゃ。「ええっ!」ゴーマンの陰謀や横領の証拠を宰相殿に渡してフロントの宣戦布告をリークして戦禍の拡大を抑えるように依頼したんじゃ。裁定は王家の判断に任せ誰もが納得出来る裁定を下し王家の威信を示すようにしたそうじゃ。じゃからラインリヒトにも罪が及んだ」
「まさか一商人にそんな事が出来るのですか?」
「商人と言うのはセイにとって一つの顔でしかない。薬師であり医師であり一流の冒険者でもある他にどんな顔を持つのかはわからぬが王国宰相殿を動かせる実力を持っているのは事実じゃよ。そんなセイから見たらヘンリエッタお前は幼い子供じゃ単に侯爵という身分を振りかざし我が儘を言う子供じゃ。何故セイやハルカが色々セコンドを攻略する方法を話したかそしてラインリヒトの事を取り上げ噛み砕いてわかり易く領主のあり方を話したか解るかセイの優しさじゃよ本来なら何も言わず有無を言わさず侯爵領を蹂躙すれば良いだけじゃそれだけの力をセイは持っとる儂の顔を立てたのもあるのじゃろうがお前の言動一つで領地の命運が左右されるその自覚が無い者に領主の資格は無いと遠回しに何度も言っておったわ。お前は耳をかさず単に気に喰わない。たかが平民が生意気だと思って感情を向き出しでセイ達を敵視しておった。愚かな事じゃそれで諸侯を相手に渡りあえるのか?身分などただの役職に過ぎんお前は特別だと思っているようだが産まれたところが侯爵家というのが幸運で特別なだけじゃよ身分が無くなればお前は無力な赤子じゃよ。いくら言葉を尽くしても無駄のようじゃこの書状にも書いたが此度の事の顛末とお前の行動総て書き記した。そしてお前の身分を剥奪するように書いてある。「そんな」これだけの事を引き起こし何も無いわけが無かろう。深読みをすればセイは儂をも測っておる身内の不始末をどう処理するするんだとな。侯爵家の問題じゃ好きにするが良いじゃが儂が納得出来ぬ処遇をしたなら儂は一族の長としてお前達と縁を切る。ヘンリエッタ、お前の言う人脈は産まれた一族に起因するものじゃお前自身が築き上げたものなど何も無い儂も疲れたヘンリエッタの従者達よ事の顛末正しく妹に伝えよそしてセイの言葉もな伝言は一つだけ此度の不始末をどう処理するか儂を納得させよとな」




