2 取り敢えず眠い
『おめでとう♪貴方はこの世界で生きる資格を得ました。この世界で生きる術
ヒントを一つ与えます。ステータスと念じて見ることです。では迷い人よ、強く
生き抜いて下さいね』
急に脳内に流れたメッセージ
「エッ?なんだなんだ?誰だ!」辺りを見渡すが誰もいない
「此処は何処なんだ?いるなら返事をしてくれ!」
しかし返事は無い幾度となく、呼び掛けるも応答もない。鳥のさえずりしか
聞こえない。再度、周囲を見渡すと自分に置かれた状況にはたと気づいた。
「このまま此処に長時間留まるのは不味い」
むせ変える程の仕留めた兎の血の匂いが辺り一面充満していた。
「獲物を狙って別の奴が現れるかも知れない。なるべく早く此処から
離れなければ······」
幸いにも頸動脈を切ったせいで血抜きは終わっていた。セイはペットボトルの
お茶を一口飲むと兎を木から引き抜き、腹を裂き内臓を取り出して放り投げ、
それから、塩ビの袋を畳んで紐状にし、兎の足を縛って運びやすい様にした。
痛む身体にむち打ち、森の中に入って行った。
程なくして、木登りが出来そうな木を見つけなんとか登る事に成功。
太めの枝を跨ぎ、木の幹に背を預け荷物は別の枝に引っ掛け休息をとることした。
「そう言えばあの声なんだったんだろう?
生きる資格?ヒント?意味不明だ······そうそうステータスって言ってたな
一応念じてみるか『ステータス』」
その瞬間目の前に10インチ程の透明なパネルが浮かび、なにやら文字が
書かれている
名前 晴 四月一日♂15才
種族 ヒューマン
職業 無職
Lv 1
LP 100
MP 200
魔法適性 全属性
スキル サバイバル Lv 3 鑑定 Lv 1
言語理解 Lv 3 体術 Lv 1
ユニークスキル インベントリ Lv 1 知識の書 Lv 1
称号 迷い人
加護 時の女神クロノスの祝福(隠蔽)
「なんだこれ?ラノベかゲームみたいだ····どうなっているんだ···
とりあえず死ぬのはゴメンだ!
とりあえず、スキルに関して後回しで寝る場所の確保が優先しよう」
現在地(木の上)から辺りを見下ろし危険がないか確認して一旦降りて見る。
蔓草を見付けたので3本程2ヒロでナイフを使い、切り揃えその3本を縒り編む
これで簡易ロープが出来たので、先程の木に登り木に自分を縛り固定。
バックからお菓子を取り出し空腹を少し満たし、ペットボトルから水分補給を
して一息付く。「疲れた····眠い····」辺りは朱色に染まりつつあり、極度の
緊張と疲労と取り敢えずの安心感からか、急に睡魔が襲い不覚にも眠ってしまった。
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夜の森は不気味で夜に獣は活発化して活動するこれは地球でも同じで
野生動物は大概夜行性である。
Uoooooo Uoooooo 狼らしき遠吠え
落ち葉や枝を踏みつける音など暗闇のなかで、恐怖心が増すにも関わらず
セイは深く眠ってしまった。幸いにも襲われることはなかったが、たまたま
天候と運に恵まれ、無事に朝を迎えることができたに過ぎなかった。
「なんとか朝を迎えることができた!
さて、これからどうしたらいいかな?取り敢えずスキルの確認して移動だな」
『ステータス』と念じて見る。
サバイバル 鑑定 言語理解 インベトリ 知識の書
「これどうみてもラノベだよな、どうやったら使えるるのか解らん。
ステータス画面触ってみても、フレーバーテキストは出て来ない不親切な作りだ
色々試してみますか、取り敢えず鑑定から」(そうセイ愛読書はラノベなのです)
ペットボトルをじっと見つめ『鑑定』と念じて見るしかし何も起きない。
ただ念じるだけでは駄目なようだ「ならばこれならどうだ」
『これはなにか知りたい』と念じる
《ペットボトル 異世界で作られ物》ペットボトルの上に表示された。
「やったw 成功だ!これでスキルの詳細が解るかも知れない」
僅かだが少しの希望に胸を膨らました。




