195 フィフス占領の影響2
「ところでどうやってフィフスを陥落させたのですか?叔父様の力じゃ無いでしょ」
「秘密と言いたいが・・・たまたま此処に戦略に秀でた者がいてなその者曰くゴーマンの戦略を真似ただけと言っておった。其奴なりにアレンジして実行可能なものにしたそうじゃが「それってどういう事?」詳しくは言えんが内部蜂起は同じじゃな違いは一人を英雄にせず兵士一人一人を英雄にしただけじゃて。略奪や婦女子に対する暴力を禁じ占領下の領民の不安を取り除き飢えている者に施す。それだけじゃ」
「それだけじゃないと思うけどその者の年齢は?さっき話しに出た英雄じゃ無いの?」
「英雄と言うのは儂らが思っているだけじゃ。儂も命を救ってもらったしの。しかし本人は全くそうは思っておらん儂らを悩ませ続けた盗賊団をたった一人と2匹の仔犬達だけで無傷で死者を出さず討伐してしまったからのぉ。少し変わったところもあるが気持ちの良い少年でな騒がれるのは苦手のようじゃったから関係各位に手を回して普通に暮らせるように通達したんじゃ。「あら、本当にそれだけですの?」そうじゃが他にあるとしたら貴族達に利用されない為と言うのも理由じゃったが要らぬ心配じゃったわ。本人曰く絡まれなければ人畜無害じゃそうじゃ」
「興味深いわね。腕も立つようだし私が囲おうかしら」
「無駄じゃ。あやつは地位も金にも靡かんよ。特に地位には興味を持っとらん逆に嫌っておる節がある。金も持っておるしあやつとは自然に人として接するのが1番じゃ貴族の論理等棄てての」
「地位や金が駄目なら女はどうかしら?」
「それも無駄じゃ。あやつの周囲には美貌もそうじゃが類い稀なる者達が集まっておるし、まだおなごに興味を示した様子は無いのぉ「きゃっ、じゃあ男に興味があるの?」有るわけなかろう」
「ところで、使徒様から委託された商人から通知が来たけど性格が婢ねくれているわね。身代金もそうだけど還して欲しい物に自ら値段をつけろなんて普通貴族に対して言えないわよ」
「恐らく面倒なのと物の価値がわからないからじゃろ。それと優しさじゃろうな。下級貴族の中に貧しい暮らしをしている者おるからのぉ人其々に価値が違うから値段をつける事が出来ないんじゃろうて後はいたずらじゃろうな「やけに詳しいわね」今の話題の主じゃからな。成り行きで商人をしておるよ」
「えっ、どういう事?腕が立って商人?物の価値がわからないって?」
「半年程前までは森で生活しておったそうじゃ。冬が来る前に人のいる街を求めて森を出たらしい。あやつは冒険者であり、商人でもあり薬師でもある。それも独学で学んだそうじゃ街にきた目的は色々な事を学ぶ為でもあったらしい。どうじゃ面白いじゃろ儂は一目で気にいってのぉ」
「さっき少年って言ったわよね。「そうじゃよ」その口ぶりだとまさか森で一人で生活していたの?「そのようじゃ」その子普通じゃないわ。なんで商人になれるのよ。それに薬師ですってそれも独学っておかしいわ」
「商人になったのはこの街に来て成り行き上仕方なくなったようじゃがそれ以上詳しいことは儂も知らん。森で一人で生活しておったから街での常識や法の知識が無くってのぉ周囲の者や儂に相談しておったから事実じゃろ。お主の事じゃから大丈夫だと思って話したがあやつは貴族等歯牙にもかけておらん貴族などの立ち入れぬ場所で暮らしておったからのぉ特に貴族の常識を嫌っておる下手に手を出すでないぞ」
「忠告として受け取っておきますわ。それより、叔父様はその子と親しいのでしょう?どうしても返還して欲しい物が3つあるの内々で交渉出来ませんか?」
「お主の所は裕福なはずじゃが何故、内々で交渉する必要があるんじゃ?」
「その3つの物は下手に値段を付けられないの先祖が王家より賜った鎧と剣そしてマジックバッグなの他の貴族達に付けた値段を知られる訳には行かないし何よりそのバッグに遠征費用や食料も入っていたし寄り子達からの借金の申し込みが多くて現金が余り無いのです」
「寄り子達の借金は今回の返還の為の借金かのぉ?「ええ、そうよ」じゃったら口を聴いてやっても良いが条件がある。侯爵家とその寄り子達の返還品を一括で交渉するんじゃ。王家からの賜り物を紛れ混ませれば良いじゃろう。あとマジックバッグの中の物はどうする?」
「勿論、返還して欲しいのだけれど」
「現金と食料だけは諦めるんじゃな。理由は解っておるじゃろ?小麦や保存食品は持つが生鮮食品は保たぬ、現金は意味が無いからのぉどうしても現金が必要なら相応の物と交換になるじゃろうな」
「王家から賜ったマジックバッグは使用者制限付きの時間遅延を付与された物なのよ」
「セイからの書状には収納アイテムの返還条件として誰の物か特定する為に特徴と容量、入っている中の物の申告を義務としマジックバッグの中の物とマジックバッグその物と切り離して交渉する。また収納アイテムの中に入っていた食料と現金は全て使徒が取り出し一括で保管しており食料等の返還を求める者は現在の相場での値段か同等の物で取引をする。それ以外の物は各自で値段を付けて価値を決めて欲しいと書いてあったな」
「良いわそれで当たり前と言えば当たり前の事だもの此方の思惑を見事に外されたけど寄り子達の分を含め一括で返還してもらった方が良いみたいね。まさか使用者制限を解除出来るとは思ってなかったわ」
「そこで、相談じゃがセイから儂や儂に今回の件で儂の親しき者には優遇しても良いと打診が有ってのぉ他の貴族達に不審がられ無いように2つのリストを作り王都で取引きする分と優遇して欲しい品のリストを作れと言ってきおった。裁定の件もあるしお主もこの話しに乗るか?ただしこの話しは他の誰にも漏らすな。漏れる事があるとこの話しは無くなる。此度の遠征に加わって困窮する事が眼に見えている寄り子や目を掛けている者達には儂がセイと交渉して立て替えてその者達に無償で返還するつもりじゃ」
「ええ、他言は絶対にしませんわ。叔父様には借り作る事になるけどそうも言ってられない事情がありますし今回の遠征で困窮する寄り子達が幾つかでるわそれの援助で此方も余裕が無くって助かりますわ早速リストを作らせますわ」
「そのリスト王都の儂の屋敷に届けてくれ。儂も王都に行かねばならなくなったしの王都にいる息子に王家からの通達を直接伝えねばならん」「では私達と同行しますか?」
「いや、緊急を要するのでなセイに緊急搬送して貰う。王都まで1日で輸送する方法があるらしい。人は6人迄しか運べぬらしいがな」
「私も同行させて下さい私と従者と2人ならなんとかなるでしょ?」
「あやつも忙しい身での」「そこをなんとか」
「ギルバート様、セイ様がお見えになりましたが如何致しますか?」
「ちょうど良い通せ」「承知いたしました」




