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スキルの活用方法 セイの日記  作者: 江戸の夜桜
神々の依頼
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194  フィフス占領の影響


 フロント騎士団がフィフス占領を宣言して2日後の朝、フロントの後続軍が到着して本格的な占領政策が始まり、フィフスの民は歓迎した。治安が以前よりも良くなったからだ。衛兵の横暴は無くなり、重税を掛けられ困窮にあえぎ食事もろくに取れない者達には配給を行い。濡れ衣を着せられ衛兵達の横暴で投獄された囚人の解放等フィフスの民にとってフロント軍は救世主に思えたからだ。

 フィフスの民は税を下げる事を商業ギルドを通し要望したがこの点だけは司令官は拒否せざる得なかった。フロント軍は一時的にフィフスを占領したに過ぎず。王の裁定が出るまで治安維持とフィフスの防衛を行っているに過ない。王国では税の決定は領主に与えられた特権であり、税率を変える事の権限は持っていなかったもし、税率を変えてしまえば最悪王家や全ての貴族達を敵に回す事になりかねないし、喩え税率を下げても王の裁定で決まった領主が税率を戻す可能性があり混乱を招く恐れがあったからだ。司令官はその事を商業ギルドのマスターに丁寧に説明して理解を求めた。


 その頃近隣の街やゴーマン子爵と縁を結んだ諸侯はフロントがフィフスに対して宣戦布告したとの情報に驚いていた。ゴーマン子爵は戦略家と知られ武人でもあった。方やフロントの領主は辺境伯とはいえ歳も若く戦場にも出た事の無い未熟な若者と認知され、前領主のギルバートも武人では無く文官としてのイメージが強く更に今回の帝国への遠征でフロント軍の主力を参戦させていた事を知っていたからだ。主力を欠いたフロントがフィフスに何が出来るフロントの領地や財産を奪う好機だと思い参戦を目論見軍備を整えていざ出立の段になって更に驚愕知らせが舞い込んだ。そうフィフスの陥落の知らせであった。その知らせを誤報と思い込み進軍する貴族もいた。


 また、フロントに縁を結び親しい貴族達は動けずにいた。フロントのフィフスに対しての宣戦布告の報を聞き参戦の意思を持ったがギルバートからの書状が届き宣戦布告をした経緯とあくまでもフロントとフィフスの戦いであり戦禍を広げることは望まない事が認めてあった。最後に一文を添えて『心配するな必ず勝つ朗報を待て儂の性格を知っているだろ。勝てる戦しかしない。手出し無用』と親しい諸侯は親しいが故に忸怩たる思いで書状を読み自らの領地の防衛に専念したが、此方でもフィフス陥落の知らせが舞い込み諸侯を驚嘆せしめた。


 双方の情報が混乱を増すなか、更に諸侯を驚かせる書簡が届いた。王家からの書簡であった。内容はフロントに味方する内容であり、フロントの宣戦布告の経緯は最もであり、王家にその経緯となる証拠はフロントから受け取った。故に王家はフロントとフィフスの戦は認めるがそれ以外の諸侯の参戦は認め無い。この戦いはあくまでもフロントとフィフスの貴族の面子掛けた戦であり決闘とも呼べるものである。これを他の諸侯が参戦する事はこの戦いを汚す事になる。よってフィフス、フロントのどちらに側の参戦も認め無い。もし、参戦した諸侯は王家に弓引く者として処罰する。女王と宰相の連名で認められた正式な書簡であった。


 流石に王家からの命令には逆らえず子爵に味方して参戦を企て進軍した貴族達も各々自分達が納める領地に引き返した。その結果、軍備を整え進軍した領主達は落胆した。数日とはいえ軍備を整える為に徴兵して食料を調達して出兵したのだ。数人ならば影響は無いが百人以上規模となると話が変わって来る。兵士達に支払う賃金だけでなく、食料や馬に掛かる費用がかなり掛かる。最低限の食料を用意するにしても戦場まで辿り着き戦場で数日は過ごす食料を用意しなければならず。戦争と言うのは準備するだけでお金が掛かるものなのである。それがなんの戦果も挙げられずに帰還するのだからお金を捨てるに等しい結果となった。まだ頭の切れる領主なら演習と称して森に入り素材を集めや狩りを行い損害を最小限に抑えるのだが・・・


 そこで活躍したのが商人だった。食料等軍事物資を高く売り、不要になった物を安く買い叩いた。中には戦争が長引くと思い買い占めに走った商人もいたが戦争の終結が余りにも早く損害を出した商人もいた。


 王家の対応も早くフロントがフィフスに宣戦布告したとの報告が入ったと同時に諸侯に伝令を放ち裁定を下す審議官をフィフスに派遣を決定し、フロントがフィフスの占領を宣言して4日後にフィフスに到着するという異例の早さだった。


『報告は本当だったこれは裁定を下す必要も無いわね』

「司令官、私達は女王陛下の命を受け此度の騒動の裁定を下す為、全権を委任され此処に使わされたヘンリエッタ・フォン・サージェです。調停者の役目を仰せ使っておりますがこの街にはエリック辺境伯はおられない様なのでフロントに赴き裁定を下します。ゴーマン子爵以下捕虜になっている貴族達と共にフロントに護送して欲しいのだけれどいかがかしら?裁定を下すまでフィフスの治安維持を任せます」


「喜んでその使命全うさせて頂きます。サージェ侯爵」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「久しぶりねギルバート卿、お元気そうで何よりです」


「サージェ侯爵もより美しくなられた」


「まっ、お上手です事。いきなりで悪いのですが調停に入らせてもらいます。裁定に時間を掛けてられませんから。ゴーマン子爵、その嫡子以下捕虜になった貴族達を此処に」


「放せ!おおサージェ侯爵閣下、調停に来られたのか有り難い。見て下されこの仕打ち貴族に対する扱いではありません。断乎抗議しますぞ」


「そうかしら捕虜なんでしょ牢でないだけましな扱いじゃないかしら。わたしの時は野外でゴホンでは事実確認から今回の騒動、女王陛下及び宰相閣下はいたく気にしておられました。くれぐれも真実のみ話しなさい。ゴーマンフロントに武装した兵士を送り込み領主の許可無くフロントの領民を其処の嫡子ボンクラークに兵士達を率いて襲撃したとあるけど本当か?」


「違います。盗賊討伐です。僕達は悪く無い!我が家の財産が盗まれたから父上の命令「黙れ!」「良いから続けなさい」兎に角、盗賊討伐の命を受けて領主に代わって盗賊のアジトを襲っただけです」


「念のために聴くけどギルバート卿は盗賊討伐を依頼したの?「いや、しとらん」ボンクラークさっき言いかけてたけど誰の命令なの?「父上です」「この者は息子などでは無い」黙りなさいゴーマン!この期に及んで見苦しい。書記官今のボンクラークの発言しっかり書き留めておきなさい。ゴーマン証拠も有るのよ作戦計画書に数々の命令書と報告書。面白い計画ね。「なにっ」確かにこれは家どうしの戦いでは無く都市間の戦争になるわね。それと話しに出てきた盗賊って?」


「無実の領民じゃ。なにを持って盗賊などと呼ぶのかフロントの英雄に対して「英雄?」主も知っておろう『赤き殲滅』と言う盗賊団を其れを壊滅させた者の屋敷をこやつらは襲ったんじゃ「なにっ」その者は律儀でのぉ解体区画で解体を請け負って商業ギルドの職員を立ち会わせて作業しておったから証人もおるし法に載っとり税も納めておる」


「そう、じゃ問題無いわね。では裁定下します。フィフスはフロントに敗北した。これは純然たる事実です。この事実を持ってフィフスは辺境伯領とします。あと其処にいる貴族達も戦時中の捕虜と認め辺境伯の好きにすれば良いわ。身代金を取るのも良し領地を奪うのも自由にして頂戴」


「そんな裁定はおかしい他の諸侯が黙って無いぞ!」


「あのね確かに調停に来たけどそれは王家と辺境伯との調停なのゴーマン。貴方達を反逆罪で捕らえます。証拠はこれ。長年に渡る王家に渡す税の横領と虚偽申告による出兵の拒否。まだ色々あるけどこれだけで十分でしょ。取り潰しが決まる前に戦争が始まり貴方達が捕虜になったの。王家としては辺境伯に貴方達を委ねる事が出来ないの、公にして罪人として処罰したいからね。貴方達を比護する貴族は何処にもいないわよ。たかが下級貴族の分際で王家を侮り、上級貴族を陥れて領地を奪おうとした。貴族らしいと言えば貴族らしいけどそんな貴方達が誰が比護するものですか?王家に弓を引くのと同義でしょ。さて、ギルバート卿、王家からの要求は2つ。無条件でのゴーマン親子の身柄の引き渡し。今回の騒動の原因となった現フロント領主の解任を言い渡します」


「ゴーマン親子の引き渡しは是非も無いが、領主の解任は認められん」


「今回の騒動でも解るように諸侯は現フロント領主を辺境伯として認めて無いの統治はギリギリ及第点だけどそれはギルバート卿の側近達が有能なおかげでしょ。ギルバート卿が領主を譲ってから盗賊は増え治安も悪くなっていった。調べてみたけどここ最近になってから盗賊が減ったようだけどそれは領主の力では無く英雄さんのおかげの様ね。実力の無い者を辺境伯とは誰も認め無いわだから今回のような騒動が起こった。辺境伯は下級貴族達を守る立場にあるし、外敵からの盾に成らねばならないのは解っているでしょ。女王陛下からの命令です。ギルバート・フォン・エリック貴方が辺境伯に復帰する事を命じます。そして現領主は解任5年の間に実力を示せさすれば辺境伯の嫡子として認める。だそうよ。つまり修行し直して結果を出せって事ね」








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