190 返還
翌朝何時もの時間に起きると直ぐに帝都に移動して城を元の状態に戻し内部に入り異世界召喚に関する装置と城の結界装置をインベントリに収納して隠し部屋を探して回り書物、調度品、武具等と数点の収納アイテム等が見つかりそれを収納して城から出ると補佐官がいた。
「悪かったな。勝手にやらせて貰った」
「いえ、それは構いませんが使徒様、素顔を見せて良いんですか?」
「えっ!しまった。まあいいさこれで使徒の役目は終わったし。初めましてセイ・ワタヌキです。これからはカイの代理人と言うことでよろしくお願いします。「はあ」王国にも言ってあるけど使徒は神々からの依頼がないと動かない。故に使徒なんだ。人の世界に使徒が存在するのは良いことだとは思わない。神々の依頼は達成した。だから使徒は消える。次に使徒が現れるのは神々の依頼が有った時だ。俺では無い誰かかもしれない。代理人を置いたのは今回の使徒の起こしたことで不都合が起きた時に処理する為に置いた。と言っても本人だけどね。使徒の正体を知っているのは王国の宰相と補佐官、後は身内と呼べる人しか居ないから秘密にしてくれ「勿論です」城の返還は終わった。3日と言っていたがもう入っても構わない。皇帝との魔法契約も終わっているしこれで完了だ。後は陛下を支えて豊かな国を作ってくれ」
「あの・・使徒様に会わせろとしつこく言って来る国が有りましてどうされますか?「どこの国だ」神聖ローダ帝国です。教会の総本山で元首はバーム教皇です」
「興味無いし会う必要性を感じない。政治利用する気だろうな。神聖ローダが異世界召喚を行ったら敵として会うことになるがな。教会の総本山が神託を無視するような事をするとは思えない。使徒は役目を終えて何処かに行ったとでも返答してくれ。使徒との条約の内容は他国に漏らすな代理人の事も対外的には使徒とは和解して屋敷を提供しただけで良い。王国も同じ対応をしている」
「わかりました。戴冠式はどうされますか?」
「商人が式に参列するのはおかしいだろこっそり見に行くよ商人が出てもおかしく無いパーティーがあったら招待してくれそこで御祝いの品を献上するよ陛下なら真珠のティアラなんか似合いそうだ
「では宰相主宰でパーティーを開く事にします」
「その時、5人程女性を連れて行きたいが構わないかな?」
「はい。そのように手配します。招待状は何処に届ければよろしいでしょか?」
「屋敷にと言いたいが屋敷の住所を覚えていない帝都冒険者ギルドのオーレさんが知ってるので渡すか聞いてくれ。それとアロンの件だが研究都市、交易都市の実験として独立自治区とすると発表して使徒は表に出すな火種になるから」「承知しました」
補佐官と別れセイはアルファ達と古の大樹の跡地に行き既に終了した案件で得た物を整理して物資以外は修復していき再度カードに納めていった。その後セイはゼルフ将軍の元に行きセイは商談を行った。郵便である。
「初めましてセイと申します。王国と帝国で主に食料を扱っている商人でございます」
「ゼルフだ。使徒様の紹介ということで会うことにしたが商人が何用で此処に参った?食料でも売りに来たのか?それはそれで助かるが」
「食料が必要であれば相場の値段で直ぐにでもお売りしますが、私の目的は郵便です。一般の兵士を銀貨1枚で解放すると聞きましたが捕虜達は何も持っておらず解放するにも手間がかかると思いまして。捕虜の中にも王都に家族や知人等がおり銀貨1枚を用立ててくれる者もいるはずです。王国が一括で支払うかは交渉次第ですが王都に行くだけでも10日程かかりますよね。その間の捕虜の食料等もばかにならない出費となるのでは無いかと思いまして。将軍の部下の方々も捕虜の管理等で日にちが掛かる程心労が増すと思われます。私の従魔にスカイバードがおりまして容量は小さいですが収納アイテムを持たせてあります此処から王都迄1日掛からずに行く事が出来ます。試しに今回は無料で1通指定した方へお届けしますが如何ですか?」
「そうだな。捕虜達の解放と言っても人数が多すぎて食料も切り詰めている状態だ何より王国と何も決まってはおらん王国の宰相殿に書簡を出そう4日迄に返答があればそなたを信じよう暫し待て書簡を書くそれと必要な食料のリストも書き出すので売ってくれ。近隣の村も困窮していて食料が手に入り難い」
リストにある食料を売却して書簡を受け取り宰相と会談した。
「国としてどうするつもりだ?一般の兵士達は農村から徴兵されてきた物達が殆どだろ。食事代を含め大金貨8枚で解放して貰えるなら安いと思うがな。国が一時的に立て替えて順次護送して引き取ってやれば身元確認も出来るし損害も少ないと思うがな。俺がお前達の立場なら立て替え等とは言わずそのまま女王陛下の宣伝に使う兵士の食事は国が負担するから損害にはならないし一人当たり銀貨1枚で民の心を掴めるのなら安い買い物だと思うよ。名目は女王陛下の即位による恩典とかにして喧伝する。その時に女王陛下の良い噂を一緒に流す。時間を掛けすぎるとタイミングを失うし、このままだと帝国の労働力になってしまうから長期的に見ると王国の生産力が落ちる事になるぞ「しかし予算が・・・」だったらセイが貸してやる。利息は5%1年以内に返せ。輸出品の物納でも構わない」
「それなら喧伝に使う事としましょう。返済は物納でお願いします。その方が融通が利きますから。借用書ではなく先物取引ということで来年度の作物や鉱物を支障の無い程度にこちらも色を付けてお渡しします」
「商談成立だな。それと王都と帝都、フロント、セコンドこの4つの街を結ぶ郵便事業を始めたい。スカイバードを10羽手に入れたので容量の小さな収納アイテムを装備させて手紙や小さな荷物なんか運んで貰う積もりだ。スカイ達は高高度を長距離飛ぶのが習性で好むし王都と帝都迄2日で飛ぶ事が出来る。新しい事業を始めるのに国の許可は必要なのか?」
「基本的にどのような事業を始めるにしても商業ギルドに届ければ問題ありませんが国が管理する物の販売は免許が必要です塩や砂糖と胡椒等の香辛料と輸出品ですね。郵便事業に関しては該当しませんね。しかし巧くいきますか?」
「別に普及させようとは思っていない。単なる実験だよ。スカイ達のストレス軽減と情報伝達の短縮にどれだけこの世界人達が眼を向けるのか試したくてね。俺の故郷では情報伝達が発達していて個人間の会話もとある機械を使えば世界中何処にいても主要都市なら会話も出来るし各国で行った事や一般的に解放されている情報なら瞬時に検索できるシステムがある。例えば女王陛下の戴冠式の日程を今此処から発表すると僅か数秒で全世界の人達に伝わるんだ。スカイ達を俺の商会だけで利用しても良いけどついでに手紙や小さな荷物くらいなら運べるからね。国を跨ぐ商会なら独自の情報伝達手段があると思うから客が現れるかは予想出来ない。それに郵便用の店は構え無いし事業立ち上げ資金はそう掛からずに出来るから問題無いんだ。教えてくれてありがと」
セイは書簡と先物取引の書類を受け取り大金貨5枚預り証を書き解放する捕虜は国境で王国が引き取る事を決めて王国宰相は部下に指示した。
「おっと忘れるところだった。これ渡しておくよ昨日、フィフスで宣戦布告をしたその時ゴーマン子爵邸から頂いた物だよ。呆れるね盗賊達との癒着、奴隷狩りの指示。国に納める税金の着服の証拠がこれだけ出てきたよ。フィフスの件は明後日には決着が付いているから裁定の方よろしく」
「使徒様の行動は我々の予想を遥かに超えて素早い。どのようにしてそのような事が出来るのか知りたいところですね」
「空を移動しているだけさ。スカイ達と同じくらい速度でね。スカイ達は全力を出せば音速を遥かに超える能力を持っている。ペガサスも同じ今のところ単独行動に限定されるけどね」
「私共も忘れるところでした。貴族達との交渉が予定されている翌日女王陛下の戴冠式を行います是非ご参列下さい」
「悪いけど使徒しては出席しない。面倒な国が出てきたから王国にも打診が有ったはずだ。神聖ローダ。たぶん国の面子もあるだろけど政治利用する為に使徒に会いたいのだろうから使徒は役目を終えて去ったとでも伝えてくれ。貴族達の交渉は商人に委託して商人が王家の別宅を使徒に提供してそこで行われると。それと使徒の代理人や条約に関しての内容は他国には漏らすな。単に使徒と和解して友好の証として屋敷を提供したそれだけで良い」
「それでは真珠のお礼が・・・」
「あれは褒美と言った筈だ褒美に返礼は不要だ。どうしてもと言うならセイと言う商人が参加しても問題の無いパーティーを催してくれ。使徒ではなく商人のセイとして御祝いさせて貰うその時御祝いとして女王に相応しいネックレスを献上させて貰うよ」
「わかりました。そのように手配致します」
「招待状は王都の屋敷にパーティーには5人の女性を連れて行きたいが構わないかな?」
「リストに載せておきますので大丈夫です」




