189 繋がった
セイはシロに飛び乗り気配遮断を使い上空に舞い上がりフレアの先導でゴーマン子爵邸の庭に舞い降りた。子爵邸ではパーティーが開催されておりゴーマン子爵がスピーチを行っている最中だった。
「本日は我がゴーマン家にお集まり頂き誠に感謝致します。我がゴーマン家の財産を奪った憎きフロントの盗賊を我が嫡子ボンクラークがフロントの無能な領主に成り代わり我が命により討ち取りフロントの英雄になったであろう善き日を皆様と喜びを分かち合う事は無上の喜びであり感謝の念に絶えません。これでフロントの 下々の民まで英雄にひれ伏し無能な領主を見放す事でしょう。英雄は無能な領主を追放を呼び掛け民はそれに応える事でしょう。英雄誕生に祝福を!プロージット!」
「「「「プロージット♪」」」」
「そっか。そういう事だったんだ!全てが繋がった。お見事な戦略です。子爵様。誰も此ほどの戦略は練れません。「そうか、そうか♪」しかし大きな間違いが3つあります。1つ不確定要素が多すぎます。2つこのパーティーを開催した事。3つが最大間違い、俺を怒らせた事だ!」
「なに奴?名を名乗れ!」「お前に名乗る名など無い!」
セイは書簡ゴーマン子爵の顔におもいっきり叩き付けて封を解きパーティーに参加した者達に書簡を見せ付け高らかに宣言した。
「我は辺境伯代理ギルバート・フォン・エリック様が使者セイ・ワタヌキである。フロントにおけるゴーマン子爵の横暴許し難い!確かにゴーマン子爵の宣戦布告受け取った。只今、この時持ってフロントとセイ・ワタヌキはフィフスに対して宣戦布告を宣言する!なおフィフスに滞在する貴族達よ猶予やる明日の昼までにフィフスを去れ!明日の昼までにフィフスを去らぬ貴族は全てゴーマン子爵に与する者。敵と判断して容赦はしない!たかだか下級貴族の分際で上級貴族の辺境伯を侮辱し、反乱蜂起を画策するとは良い度胸だ」
「小僧いい気なるな既に英雄は誕生した。フロントには我が兵士も武器ある勝つのは我よ!」
「言っただろ大きな間違いって不確定要素が多すぎる上に情報収集がなって無い俺の故郷では策士策に溺れるって言うんだ。馬鹿!フロントがギル爺さんが何故宣戦布告したのか解らないのか?全てお前の策略は潰えているんだよ。何が英雄だ俺の屋敷を襲撃して盗賊討伐だと笑わせるな!お前達が強盗だよな俺やギル爺さんを怒らせた事をたっぷり後悔してもらう。今日のところは挨拶だけで済ませてやる首を洗って待ってな」
「出会え出会え盗賊だ殺せ!」パーティー会場は騒然となった。
「天よ怒れ!悪しき者に裁きの鉄槌を我は求めん『雷電』」
暗雲が立ち込め大きな一条の光が子爵の庭の地表を貫き爆音が後から轟いた。その後淡い波動が周囲を包み子爵邸にいる全ての者達を包み感電、気絶そして麻痺させた。
セイは子爵の隠し金庫と隠し部屋を探し出して中に有った全てを奪いフロントへ帰還した。
「親方様お帰りなさいませ。首尾は如何でしたか?」
「宣戦布告は本人の前で宣言してきたよ。今回の解体現場の物資が何故大量に有ったのか府に落ちなかったんだけど子爵の言葉で全て繋がったよ。馬鹿な作戦を立ててたんだ。俺を盗賊として討伐息子を英雄に仕立てる領主の無能をアピール群衆を先導して潜り込ませたフィフスの兵士達と共に一斉蜂起して領主を追いだしフロントを手に入れる。大した作戦だよ可笑しくって笑いが込み上げて来る。笑いを噛みしめるのが大変だったよ」
「確かに面白い作戦ですが前提条件が全て間違っていますな」
「そう、思い込みが強すぎて破綻しているんだ。馬鹿が考えた作戦だよ。自分達は優秀だから息子は英雄になれる英雄だから人は従うこんなこと本気で信じているんだ。俺達の故郷でも似たような事を言って世界を捲き込む戦争が起こったけど搾取する側が更に搾取する為にこんな馬鹿げた事を起こすとは普通思わないよ。
アルフ、ギルバート様、冒険者ギルド、商業ギルドの各ギルマスにこの屋敷に非常召集をかけてくれフロントがテロリストによって戦場になる可能性がある。取り越し苦労だったら良いけどね。フィフスの兵士や冒険者がフロントにテロリストとして送り込まれているなら50人では少ない」「御意」
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「セイどうしたんじゃ?」「緊急の要件だと聞いたが?」「儂までどうした」
「夜分に集まってもらいすいません。後手に回ると面倒な事になるので今日、フィフスに行って宣戦布告をして来ました。ゴーマン子爵はパーティーを催しておりスピーチの最中でした。そこで得た情報なんですがゴーマン子爵はフロントに冒険者や商人に成り済ましたフィフスの兵士をフロントに大量に送り込んで来ている可能性があります」
セイはゴーマン子爵の計画を3人に詳しく語った。
「本来ならギル爺さんだけで良かったのかもしれないけど経緯が経緯だけにギルマスは知っておいた方が良いと思ってね。冒険者ギルドは治安関係も関与してるし商業ギルドに関しては解体作業の遅れ全て辻褄が合うでしょ。盗賊討伐を名目にして英雄を作り上げる。解体区画で兵士達の武器や食料の保管の役割をもたせ奴らの言う英雄の誕生まで工事を遅らせる。英雄が誕生したら群衆を煽り武装蜂起が奴らのシナリオ。俺の屋敷を襲ったのが50人程なんだ。人員的に少ないでしょクーデターを起こすには。取り越し苦労なら良いだ何もなければそれにこした事は無いから。冒険者ギルドは中立だよねこの件に関して何も協力しないのならそれで良いと思う治安維持を一部とはいえ担当しているのならテロリストの摘発に協力しないのはどうかと思うよ。今後の事を含めてね。商業ギルドもそう個人とはいえサブマスターが今回の件に絡んでいるのだから情報提供位しないと信用失うよ。それからギル爺さん門番を替えてフィフスで登録した冒険者や商人をチェックさせて巡回の強化ぐらいしか取れる手段は無いかな」
「セイの言う事は解った。フロント冒険者ギルドとしてどうして欲しいんだ?」
「50人の襲撃者を徹底的に調べ上げてフロントへの侵入経路と方法。宿泊先。仲間との連絡方法あと取り返しに来るかも嫡子だしね「解った」ギル爺さんは宿屋と酒場、歓楽街の強制捜査とフィフスと繋がりのある商会も「ウム」商業ギルドは情報提供。巧く連携取って下さい。正直何もなかったらそれで良いと思うけどね。手薄になったフロントの街中で武装蜂起されたらたまらないそれと、フィフスの冒険者ギルドが子爵と繋がってかなり悪どい事してるみたいだよ。俺も10人の冒険者に絡まれたよ。「それでどうした」殺して無いけど無力化して身ぐるみ剥いだその時教えてもらったんだ。「逃げろこいつらは衛兵と繋がっている上の奴等も」ってね。だから放置して逃げた。ゴーマン子爵に用が有ったしね」
「本部と連絡を取ってフィフスを調査してもらうように働き掛けよう」
3人はセイと別れそれぞれ動き出した。セイは宴会に参加してマチルダから物資のリストと書類をもらった。
「セイ君、収納袋を貸して貰えませんか?今回の物資の輸送に使いたいと領軍から要請がありました。領軍の所持してる収納袋は帝国遠征で全て使用されていたそうで」
「シルビア後幾つ有ったかな?「3つです」商会の保有している3つの収納袋なら構いません。シルビア明日の朝このリストにある物資を収納袋に入れてマチルダさんに渡してくれ」「はい♪」
セイはアルファ達と食事をしてシロとフレアを連れてフィフスの上空から軍事施設や冒険者ギルド等の重要施設の位置を把握していき地図に書き込み10枚程複写して騎士団と合流して地図を渡し決行は明日の夜、門が開くと同時突入する事が決まり騎士団と別れ屋敷に戻り日課を終えて眠りについた。




