188 もう十分です
王都から戻ったセイは盗賊ギルドのアジトになっていた建物の現場検証に立ち会っていた。現場検証はスムーズに行われ盗品と思われる品々を冒険者ギルドの職員達が手際よく回収して、にこやかにエリナに手を振りながら去って行った。金蔵や2つの倉庫、食糧庫等調べずに。厩舎には馬が8頭繋がれおり荷馬車3台もあった。それらを全て無視して去って行った。にこやかな笑顔と共に。
「エリナさんマチルダさんこれどう見ても盗賊の物だと思うんですが」
「そうですか?私達には以前の商会が置き去りにした物にしか見えません。そうですよねマチルダ姉さん」
「でもこれって「「セイ君!」」金蔵、食糧庫や2つの倉庫、寮も調べてませんよねぇそれに厩舎の馬や馬車はどう見ても盗「「セイ君!」」そういう事にします。此方で調べろということですね」
「「よろしい♪」」「本音を言えば私達の仕事です。60人もの盗賊達の取り調べで手一杯です」「私は今朝領軍から食糧や馬車等の調達を任されました。後続軍の分です。短時間でその量を揃える事が出来るのはフロントでは『ワタヌキ商会』だけですからこの後すぐに発注しますが相場より少し安く設定しています。なにぶん領軍からの要請で予算が無いのでなんとかして欲しいとのことです」「「私達は忙しいのです!」」
「わかりました。そちらの言い値で商会が用意出来る物は用意します。ただし、所有者が解る物が出てきたら届けますから考えたくありませんが権利書の類いが出てきたらそちらで対応をお願いします。キャロット、ボルド馬達を商会の厩舎へ連れて行ってくれ。荷馬車はボルドが回収。マチルダさん今からこの区画全て解体しますが問題ありませんか?」
「今からやって貰えるのですか?ありがとうセイ君。助かります。勿論問題ありません」
「ミリア、シロと屋敷に戻って手の空いている者達を此処に集合させてくれ。俺はその間にこの敷地内を探索する。それとこれ解体作業に来るみんなに渡しておいてくれ。みんなが到着次第解体を直ぐに開始する」
「では私も商業ギルドに戻って現場監督を直ぐに派遣させます」「私も戻ります」
セイは空の収納カードの入ったカードケースとダミーのバッグの入った箱をミリアに渡して建物の中に入っていって何も考えずに内部の調度品を片っ端からカードに収納していき、内部を空にして空間把握で隠し金庫を発見したら金庫の中に5つの都市の土地建物権利書と白金貨100枚と大金貨500枚入った巾着と収納バッグ真珠100個の入った袋と珊瑚が入った箱と宝石箱が見つかりそれをまとめて箱に詰め込みメモして腕輪に収納して最後に金蔵の鍵を開けて内部を見ると案の定現金や宝石類、マジックアイテム、宝剣の類い等が整理されずに山積みにされていた。整理する時間が惜しかったので全てインベントリに収納して収納出来なかった袋やバッグ腕輪等10点程をメモと一緒に箱に詰め込み腕輪に納め、商会の建物の内部を空にして食糧庫、倉庫を調べて回り、食糧庫には酒、香辛料と砂糖が、倉庫には小麦、塩漬け肉の樽、武器と鉱石やミスリルのインゴットが大量に納まっていた。これらを一括して別の時間停止のカードに納め庫内を空にして寮に移動して内部の探索を始めると寮で生活していた痕跡があり盗賊ギルドの者達が飲み散らかした物が散乱していた。セイは内部の物全てを一度インベントリに入れてから寮その物をインベントリに収納して見ると幾つかの収納袋が残りそれを回収して寮を元に戻して作業を完了させた。
作業を完了させて暫くするとボルドとキャロットが戻って来たので他の家屋の探索を指示してセイ自らも調べて回り全ての探索を終えた頃、屋敷からの応援と商業ギルドの職員達が到着して職員の許可のもと解体作業を開始して30分も掛からず解体作業は完了したが5箇所程地下に続くと思われる扉があり、鍵が掛かっていた職員監督のもと鍵を開けて見ると地下牢であったり、倉庫だった。倉庫には不要になったと思われる家具や道具、よく解らないマジックアイテムや中には呪われたマジックアイテム迄有ったそれら全て回収して念のため空間把握で地下の把握をして見ると偽装された金蔵が2ヵ所見つかり解錠して全てを回収して地上に残ったゴミ等を集めて回りゴミ等を地下に放り込みその上に土砂を被せ埋めていき綺麗な更地にして解体作業は子供達が受け持つ瓦礫処理を残して全て終わらせた。セイはボルド達を屋敷に戻して商業ギルドの職員と共にミリアを護衛として商業ギルドに行きマチルダに区画整備の解体作業は子供達が受け持つ瓦礫処理を残して全て完了した事を報告し、マチルダも職員に確認して解体事業の契約書に解体事業依頼完了のサインをしてセイに渡した。
「あの~今回の区画で色々見付かったのですが内容報告って要りますか?」
「さっきも言ったように所有者が特定出来る物に限りセイ君が善意で提出して頂けるのなら冒険者ギルドに提出して下さい。中には既に存在しない家も有るでしょうからそれらを調べてもらうのもよろしいかと」
「わかりました。一応、土地建物の権利書と商業ギルドのカード関係も発見したので事務処理をお願いします」
「承知しました。領軍の依頼の件で今夜セイ君のお屋敷に伺っても良いですか?」
「今から冒険者ギルドに行って所要を済まして屋敷に戻るので遅くなるかもしれませんが良いですか?」
「急ぎの要件なのでお屋敷でお待ちします。出来ましたら夕食とお菓子を御相伴させて頂けませんか?厚かましいお願いだとは解っているのですがエリナがお邪魔した時に自慢気に話していたもので是非機会があれば私もと思っていましたので・・・」
「構いませんよ。でも我が家は家庭料理ですよ。マチルダさんのお口に合うかどうかは保証しかねますがそれで良ければどうぞ」
「それでも構いません。是非お願いします。エリナのあの顔を思い出すだけで羨ましいやら妬ましい感情が溢れて本当に悔しいと思っていました。では書類とカードの件済ませてお屋敷にお持ちします」
『サーシャ夕食2人分多めに作って欲しいとクリスとジュディに伝えて。マチルダさんが来るたぶんエリナさんもクッキーも大量に焼いておいて全員で宴会しよう俺は遅くなるかもしれないから先にやっておいてくれると助かる』『了解しました。ご主人様♪』
セイは商業ギルドを後にして、冒険者ギルドに行って盗賊ギルドの拠点に有った冒険者カードを渡して遺品の特定は出来なかった。もし遺族がいて特徴のある物であるなら探してみるからと伝えて欲しい。と伝え冒険者ギルドの用事済ませてセイはシロに乗ってフィフスに向かった。フィフスには1時間も掛からず到着して街の中には何事もなく入れたが街の空気はどことなく淀んでいた。まず商業ギルドで街の詳細な地図と周辺の地図を購入して街を彷徨いてみるといきなり10人の暴漢に取り囲まれた。
「坊主、大人しく俺達に付いてきな。良い事教えてやるからよ「良い事?」そうとっても良い事だ」
セイは怯えた振りをして大人しく付いて行き人気の無い場所迄来ると
「この辺で良いだろう。坊主、金持ってんだろ痛い目に遭いたくなかったら有り金全部寄越しな」
「おじさん僕お金なんか持って無いよ。良い事教えてくれるって」
「そう俺達にとって良い事だ。それに坊主にとっても勉強になったろ」
「ふーんじゃ俺も教えてやるよ見掛けで判断すると命を落とすってな!」
セイは暴漢の懐に飛び込み顎を掌手で下から叩き込み顎砕き呆気取られた男達の顔面に蹴りを入れてすかさず距離を取り両手にトンファを持ちまだ棒立ちになっている暴漢達を薙ぎ倒していった5人を倒したところ暴漢達も我に返りそれぞれ獲物を抜き身構え一斉に掛かってきたがセイのスピードについていけずそれぞれ一撃で倒れていった。逃げ出す者もいたがシロに逃亡を阻止されてシロが体当たりで吹き飛ばして無力化させた。
全員気絶させ、身ぐるみを剥ぎ持ち物を調べて見ると全員冒険者カードを所持していた。騒ぎを聞き付けた人達が現れ「坊や逃げな。もうすぐ衛兵達が来る。こいつらみんなつるんでるんだ。冒険者ギルドも同じだ。早く逃げな」
「ありがと。今日のところは用事を済ませてから引き上げるよ。シロ行くぞ」




