109 商会
朝、目覚め、軽く身体をほぐし庭に出て芝生の上で入念にストレッチ行い
芝生の周囲をゆったりと走りだんだんとスピードを上げてギアをトップに
入れて周回する1時間程走り込んだら、手首や指を動かして手や腕の筋肉を
ほぐしてロングソードを左手で握り上段に構え剣先を意識しながらゆっくり
振り降ろすそれを何度も繰り返し速度を上げて行く剣先のぶれが
なくなったら右手に持ち変え同じ動作を繰り返す左と同様にぶれがなくなった
そして両手で持ちゆっくりと振り降ろす徐々に振り降ろすスピードを上げて
いき身体の軸がぶれないように意識しながらさらにスピードを上げていった
1時間ほど休むことなく素振りを続けていると剣を振るう音が変わっていき
無心で振り続けた。
「旦那、そこまでだ。もうすぐ8時だ、朝飯食う時間なくなりやすぜ」
「ボルドか素振りに夢中になって気付かなかったよありがと
見てたのなら聞くけど注意しないといけない点はなかったか?」
「さっきから見ていましたが自分で意識して変えているでしょ
今のところありません後半30分あれが最初から出来たら合格でさぁ」
「そっか、咄嗟にでもできるように身体に覚えさせるよ」汗を拭いながら答える
『みんな食事の時間だ集まって!』『『『ワーイ♪』』』
木皿を取り出しそれぞれに狼肉やミルク、人参と林檎等を与え
自分の身体を洗浄して朝食を取る。
「ミリア朝食は取ったかな「はい」じゃ商業ギルドに行こう」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おはようございます。セイ様、マスターから応接室に通すように
申し遣っています。どうぞこちらでお待ちください。」
応接室に通され、暫くすると
「おはようセイ君、朝早くからすまんな」
「いえ、こちらこそお手数をおかけして申し訳ありません」
「早速だが、商会の名前は決めたかい?」
「それなら『ワタヌキ』でお願いします」「『ワタヌキ』変わった名前だね」
職員に法人カードを渡して名前の入力を指示する
「僕の故郷で春を意味する言葉です。此処には有るのか知りませんが、『綿』
『綿花』という植物があるのですがその植物は白いふわふわした物ができるん
です。故郷ではそれを衣服の中に入れて防寒に使ってたので暖かくなると
綿を抜いた事が由来ですね」
「綿・・白い、ふわふわ。う~ん!『コットン』の事かな?あるよ森に行けば
この時期になれば良く見かけるよ」
「此処にもあるんですね」「森のなかだしまばらにしか生えてないよ」
「そうなんですね」「特別、綺麗な花でも無いから誰も見向きしないよ」
「名義変更ができたみたいだこれに血の一滴か魔力を流してくれ「はい」これで
完了だ。それと商会だが選別は終わったそうだ。昨日遅くに冒険者ギルドから
連絡が入ったよ。商会の番頭一人が関わっていたみたいだ。番頭の個人資産は
店に置いてあるから勝手に使えとの伝言だ。新しい商会の立ち上げ祝いだそうだ
それとマチルダを紹介しよう。君、専属の窓口だよ。商業ギルドでの相談や
事務手続きを担当することになっている。税金の相談もマチルダにすると良い
それと今回の事務手続きの手数料はワシからのお祝いだ。後のことはマチルダに
任せている。これで失礼するよ」「ありがとうございました」
「はじめましてマチルダと申します。よろしくお願いします」
「セイですこちらはミリア僕の護衛です。こちらこそよろしくお願いします」
「ミリアですよろしくね。」
「あら、私と同じエルフ族なのですね。この街では同じ種族はエリナしかいないと
思ってましたが、同族が新たに見付かり嬉しいですわ」
「こちらも同族に会えて嬉しいですが、あと二人ご主人様のお屋敷にいますよ」
「機会があればそのお二人もご紹介下さいね。此処でのできることは何も
ありませんから旧ヤボッタ商会にご案内します」
「そのお店は此処からどれくらいの距離ですか?」
「歩いて20分ぐらいですね。距離がどうかしましたか?」
「マチルダさん馬に乗れますか?僕達、今日は馬車ではなく馬なんです
基本、僕とミリアは馬で移動するのですいません」
「大丈夫です。後ろに乗った経験はありますから」
「安心しました。ではミリアの後ろでお願いします」「はい」
「これが僕の従魔達ですキャロットとシロですそこにいるのが雪、僕の
傍らにいるの赤い髪?があるのがアルファ、真っ白なのがシータ
この白い仔猫がベータ黒い方がガンマです」
「みんな、この方がマチルダさんだこれからお世話になる方だから
覚えておくように」「「「ワンw」」」「よろしくね」「じゃ行きましょう」
『シロ、ミリアの後ろに乗せるから絶対に落とすな』『ガッテン♪でさぁ』
『なんでこんなに従魔がいるのよ』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
セイ達は商業区域の一区画ある建物に案内された。建物は煉瓦作りで
3階建て。中に入るとカウンターがあり、その後ろに4つ机と椅子があった
さらにその奥に番頭の執務室と事務所と給湯室、応接室や物置、トイレが
あるといった構造になっていた、別棟に寮があり3階建てで2階は10室
4人部屋、3階は個室が5部屋と2人部屋が5部屋となっていてトイレは
2階は共同で3階は個室だけ設置され奥に共同トイレが設置されていた
一階は厨房、トイレ、食堂、そして厨房の横に井戸があり、此処で湯あみ
や洗濯をするそうだ。 隣接して20頭入れる厩舎と馬車を置くガレージと
馬達を運動させる。キャンターがあった。因みに3階は会長室と部屋が4室
給湯室、厨房で2階は会議室と小部屋が4つと給湯室トイレがあった。
一通り案内されて
「ここが旧ヤボッタ商会です。今日は全員店にいるように伝えています
はーい!注目、全員集まって下さい。
全員、集まりましたね。総勢15名、従業員10名と奴隷5名そろいましたね
おはようございます皆さん。聞いていると思いますがこの商会の名前が
変わりました『ワタヌキ商会』ですこちらがこの商会の新たに就任する
代表、つまり会長セイ様です。
私は商業ギルド副ギルドマスターのマチルダと言います。よろしく
セイ様、就任の挨拶をお願いします」
「俺が今、紹介されたセイだよろしく頼む。此処に来てあまり日が立って無いが
成り行きでこの商会のトップに就任することになった。此処に来て半年ほど
森で生活していたので此処での法や常識には疎いつまりは世間知らずだ
此処での商売上のルールや常識などは特に疎い、間違っているなら指摘してくれ
それと、思考を停めて考えない者、努力しない者は待遇は変わらないか下げる
逆に努力してこの商会に益をもたらした者はそれ相応の評価をして遇する
つまり努力して店に利益を出したら報奨金や待遇を良くするってことだ
例え奴隷であってもな。それと従業員に告げる不当に奴隷を使うことは厳禁と
する。奴隷に働かせ自分達はサボる。また、正当な理由なく奴隷に暴力を行使
した者は、どんなに有能であると評価されていても即刻、解雇する。
また、奴隷も同じだ命令されなければ動かない、何も考えない。そんな者は
いらない。限られた環境の中であっても努力しろ。以上だ」
最初はガヤガヤしていたがセイの挨拶が終わると全員呆気とられ静まりかえった
「マチルダさん此処では従業員の解雇に対する法律や慣習ってありますか?」
「特にありませんが、不当な解雇は評判に関わりますね
今の挨拶のなかの解雇は立派な解雇理由となります経営者の方針を
無視したのですから」
「だそうだ。脅しでは無いから従業員の諸君この方針に従えない者は
申し出てくれ。即時、奴隷を含めこの商会から解放しよう」
「マチルダさん各自、面談したいけど勝手にやって良いかな?」
「ええ構いませんよ。必要な時はお尋ね下さい」
「ミリア、ハルカを連れて来てくれ馬車が要るからミーナとシルビアも頼む」
「承知しました」
「何、ボーッとしてる仕事はしなくて良いのか?この中で一番偉いのは
誰だ!やることは山ほどあるんだ!だらだらするな!」
「あの~実はほとんどの上が捕まって何をして良いかわからないんです」
「さっき言ったろ考えろと自分達の持ち場でやるべきことをやれ!
それが無いなら掃除しろ!時間が余ったなら店の周囲の掃除!
まだ余るなら町中を綺麗にしろ手は抜くな!掃除がいやなら
自分達で仕事を見つけろ!で、お前がこの中で一番偉いのか?」「はい」
「役職と名前と業務は?」「ボッタ、番頭、仕入れ担当です」
「帳簿を持って来てくれ全部だ」「はい」暫くすると
「これで全部です」「5冊だけか」「はい、毎年、焼却してますから」
「そうか、マチルダさんこれって普通なの?」「だいたいの商会はそうですね」
「そうですか、これからは5年は保管しろ。帳簿は後で見るから
現状、直ぐに取引先に支払う物はあるか?」
「いえ、仕入れは全て現金ですので大丈夫です」
「その現金はどこにある?」「こちらにあります」
「地下にあるのか・・ん?鍵は?」
「ありません番頭以外は入ってはいけない契約を結んでいますから」
「結界が張ってあるように見えないが・・扉を開けてくれ」「はい」
「なんだこれは!」雑然と積みあげられた貨幣の山があった
「ボッタ、支払う時これから取って払うのか?」
「いいえ、これとは別に各貨幣が入った箱がありますからそこから
支払い少なくなったらここにきて補充します」
「マチルダさんこれが普通ですか?」
「ええ、マジックバッグが無い商会なら普通ですね」
「頭が、目が・・息が・・」「どうされましたか?セイ様」




