107 アーニャの失敗
「アーニャさんこんにちは♪」「あら、セイ君いらっしゃい」
「ポーションポーチって有りますか?」
「あれ?セイ君はポーションポーチ持って無いの?冒険ギルドで売ってるけど
これよ中にポーションがこぼれないようになってるの。ベルトタイプも
有るけどポーチより装備できる本数が少ないし戦闘時割れやすいから
ポーチの方が売れているわね」
「ポーチ30個とポーション立て30個、ポーション瓶400本あと
ベルトタイプ5つ欲しいんですが在庫は有りますか?」
「ちょっと待っててね。今、見てくるから」しばらくして
「ギリギリだったけど有ったわ」
「それと質問なんですが薬師ギルドのカードでも帝国のお金、振り込み
できますか?」
「できるわよ。基本どのギルドのカードも単位はクローネだから」
「じゃあ帝国白金貨10枚 帝国金貨300枚 帝国銀貨1500枚振り込んで
良いですか?」
「どうしたのそのお金」「横領した奴隷が持っていたお金です」
「良いわ、お金を台車に乗せて、セイ君のカード貸して」「はい、これ」
「セイ君の買い物の代金はカードから引き落としで良いかしら?」「はい」
「ちょっと待っててね手続きと品物を持って来るから」しばらくして
「お待たせ。これが、注文の品物とセイ君のカードよ。代金は引き落として
おいたわ。それとお願いが有るの。ビッグベアの肝と胆嚢、余分に持って
ないかな?あれからすぐに売れて、在庫が無いの」
「余分は無いですね。明後日なら狩りに行けるので冒険者ギルドに依頼を出して
下さい。運が良ければ、手に入ります」
「セイ君との直接取り引きだと手数料と税金が浮くんだけどなぁ」
「前もって僕に言ってくれれば、手数料と税金を差し引いた相場の報酬で
受けますよ。指名依頼できるなら、了承済みだとエリナさんに言って下さい。
まだ、冒険者ギルドでDランクになってから一度もクエストも受けて
無いんです」
「それなら仕方ないわね依頼出すわ。3日後迄に欲しいの」
「だったら余計に討伐クエスト出すべきですね。急ぎなら特に報酬を上乗せ
しないと、仕事にあった報酬を出さないで安くあげようなんて虫が良すぎ
ます。肝を欲しがっている人は誰か知りませんが薬師ギルドに頼まず
自分で狩るか、直接、冒険者ギルドに依頼すれば良い。アーニャさん
気が変わりました。依頼は受けません!失敗するのがわかっているから
その人にビッグベアを簡単に狩れると思うなら狩って見ろと言って
おいて下さい。たぶん、無理だと思います生息圏まで行くのにどんなに
急いでも7日はかかりますから。じゃ、帰ります」「ちょっと」
「待ってくれんかのぉ、セイ。アーニャ、お前が悪い!セイは特別じゃ
年が若くて冒険者に成り立てでDランクでも討伐できる魔獣とでも
思ったのか?ランクの低い熊の肝でも貴重で高価なのは何故か解るか?
それだけ危険で討伐が難しいからじゃ。薬師ギルドの利益を思っての
事だと解るがセイの言う事が正しい。今回は儂の依頼じゃから少しでも
安くと思ったのじゃろう。許してやってくれんか?セイ。たぶんアーニャは
セイがビッグベアを何頭か簡単に討伐してると安易に思ったんじゃろう
何せ滅多に薬草採集にもいかんからのぉ。魔獣の生息地も知らんし勉強が
足りん。ランクの高い魔獣程、街から遠い場所にいる事くらい常識じゃて」
「だって、セイ君一昨日、何もなかったように一昨日狩ったって
一頭で良いかって言ったんですよ」
「確かに森に行って狩りをしましたが、ビッグベアは狩ってません。勘違いしてる
見たいだから言います。僕はビッグベアに遭遇して一度、死にかけているんです。
それも3ヶ月ほど前に、あとこれは秘密にして下さいこのマジックバッグ
時間遅延がかなり優秀で1/72時間なんです。それと、ビッグベアですが
僕が森から旅立つ直前に狩った物でだいたい2週間前くらいかな?それと
肝は持ってますよ。一昨日と状況が変わって従魔が3匹増えたんです。特に
雪は空腹期間が永かったのか栄養が足りていません。だから従魔達に与えるため
売るほど余分は無いんです。因みにギル爺さん、どうしてビッグベアの肝が
早急に必要なの?」
「アルフにポーションを飲ませようと思っての、ロルフが心配しておってな」
「ごめんなさい必要無いです。食事がちゃんと取れているしハルカに検診させて
いますから大丈夫です。今、自然回復させています。ポーションは効きすぎ
るんです。僕の故郷の諺ですが『過ぎたるは及ばざるが如し』って有るのですが
何事も過度にはやってはいけないって意味です。薬は基本、毒だと僕は教わり
ました。アルフさんの場合は回復薬の飲用の為に病気の進行を早めました
一刻も早くと言う気持ちは解りますが緩やかな回復も必要だと考えます
急な変化は人間の身体のどこかに負担がかかります。アルフさんはあと数日で
体力を完全に回復すると思います。アルフさんが常に危険に晒される森のような
所に居るのなら話しは別ですが安全な街中です見守ってあげて下さい。
それとこれビッグベアの肝と胆嚢です。ギルドではなく友人のギル爺さんに
あげます。アルフさんの容態を見てギル爺さんがポーションを使うかどうか決めて
下さい。今晩か明日、アルフさんを見舞ってあげて下さいアルフさんも喜ぶと
思います。今日は急いでますのでこれで失礼します」
◇◆◇
「アーニャ、反省しなさいセイが怒るのも無理はない。ビッグベアの肝と胆嚢を
採取依頼を今から冒険者ギルドに行って出しなさいただし期限は3日後
この依頼をエリナ嬢ちゃんに持って行くことほかの職員じゃと冒険者ギルドに
迷惑がかかるかも知れんからのこれはギルドマスターしての命令じゃ
報酬は通常の買い取り価格での。この条件で受け付けてもらえなかったら
減給じゃ!」
「えっ!肝と胆嚢は手に入ったんじゃ・・」
「セイは儂にくれたんじゃ!ギルドの在庫なんぞにできん」
「でも従魔に貴重な素材を与えるなんて...」
「お前はそこまで解らんのか?セイにとって従魔達は家族じゃ。家族の為なら
アーニャも出来る事はするじゃろ?ギルドの在庫と家族の健康どっちを取る?
アーニャでも解るじゃろ。優先順位の違いじゃ」
「でも、セイ君はマスターに肝を譲りました···」
「まだ、解らんのか!このバカ者!セイはアルフの事を思って儂にこの肝を
譲ってくれたんじゃ。儂やロルフが納得出来るようにの、だからギルド
ではなく儂個人にくれたんじゃ。減給と言ったがそれでは足らんようじゃ
具体的に言おうかの、給料を40%カットこの受け付けフロア半年間
掃除としよう。はよ依頼しに行ってこい!」「そんな~」
◆◇◆◇
「アーニャどれだけ無理な依頼してるのか解ってるの!近隣いるムーンベア
ならともかくビッグベアよ!Bランクパーティーがやっと討伐できるか
どうかの魔獣よ!」「えっ!Bランクパーティー」
「そう、Bランクの冒険者が5人はいるわね」
「でも、セイ君はビッグベアを狩ったわよあの子Dランクよね」
「セイ君か···あの子は特別よ。セイ君は冒険者になったばかりだからDランク
なの!実力は条件によるけど最低でもBランク中遠距離攻撃させたらAランク
以上の実力を持っているわ。あの子の戦闘、見たけど5人を一瞬で戦闘不能に
したわ、それも『赤き殲滅』の密偵達をね。彼だけじゃないの彼の従魔達も
異常なの仔犬に見えるけどシルバーウルフにスノーウルフ、仔猫達は
ブラックタイガーよ。まだ幼体だから可愛いけどね、特にシルバーウルフの
2頭は異常よユニークだと思う普通のシルバーウルフじゃないわ」
「そう言えばビッグベアはシータ?が狩ったって言ってたような···」
「やっぱりね、話しは戻すけど、この依頼をセイ君に持って行ったでしょ?」
「うん♪最初は受けるって言ってくれたんだ。だけど3日後迄にって言ったら
断られた・・失敗すると解ってるクエストは受けられないって怒った」
「そりゃセイ君も怒るでしょ!まず報酬が安過ぎる金貨2枚では無理
その上時間、セイ君は急いで7日って言ったけど往復で普通1ヶ月
はかかるそれを3日ってね!冒険者の経費を考えていないBランク冒険者を
1ヶ月雇うのにいくらかかると思う?一人金貨1枚よそれもビッグベアの
討伐よ金貨10枚以上出さないと誰も受けてくれない当然冒険者ギルドは
ランク指定のクエストにするDランクやCランクにやらしたら死人の山が
できるわ何より期日よ!ビッグベアはこの近辺にはいない3日は無理
まだ、有るわ内臓は直ぐに腐るわ時間遅延のそれも優秀なバッグを持って
ないと腐るわね。期日を抜きにして金貨30枚出しても誰も受けて
くれないのよこのお馬鹿さん!」「でも、でも、セイ君が・・」
「あのね、セイ君はたぶん最初はギルドの在庫補充で期限はもっとあると
思って受けると言ったと思うでも期限を切ったと言う事は誰かの注文が
入った事になるセイ君はギルバート様と親しいわお金にも困ってない
だから格安でも受けたのよ本来なら蹴られて当たり前の依頼を。
本来なら注文した依頼主が在庫が無い時点で此方に来て相談すべきなの
冒険者ギルドの各支部でビッグベアの肝臓が手に入るかどうか調べる事が
出来るからね。でも、値段と期日が釣り合わない時点で断るけどね
薬師ギルドではビッグベアの肝臓と胆嚢って買い取りは金貨2枚なのね
冒険者ギルドでは肝臓が金貨5枚胆嚢に到っては金貨7枚で買い取り
してるわ新鮮な物ならね。値段、ムーンベアと間違っていない?
以上の理由でこの依頼は受理出来ないわ。だってランク指定したら
セイ君も受けること出来ないもの。それと指名依頼も無理ねこの依頼
期日抜きにしてもセイ君しか達成出来ないもの。わかったのなら
お引き取りください。私も忙しいの時間を無駄に出来ないの じゃ」
「私の給料が半分になるから~なんとか~お願い~」
エリナにすがり付くアーニャ
「ふーっ仕方ない・・ギルバート様に会いに行くわ一緒に来なさい!」




