105 朝は平穏
「ボルド訓練は何時からだ朝、8時から予定してやす」
「今日の昼の準備は出来ているか?」「へいちゃんと準備出来てまさあぁ」
「一緒に倉庫に来てくれ、それと従魔が3匹増えた。仔猫2匹と仔犬1匹だ
その仔犬は成犬に見えるがエリナさんが言うにはまだ仔犬だそうだ
俺の許可なく人を襲わないように言ってはいるが、慣れるまでは不用意に
近づいたり、触ったりしないでくれ。後で紹介する」
ボルドと打ち合わせをしながら倉庫に向かった
「一緒に来てもらった理由がこれだ「これは?」簡単に言うと小さい釜戸だ
中央の穴の中に薪や炭を入れて上で焼くそれとこれは五徳と言って鍋を七輪の
上に乗せる時使うこんな風にな」
長さ2m10cmの丸い棒を10本と丈夫な布地1反を取り出し1本の棒を
4等分に切りその内3本を重ねて真ん中をロープで縛り先を広げ、布を被せ
余裕を持って布を切るその布を束ねた棒の先端を木釘で打ち付け止める
拡げて座り耐久性を確認して
「これなら道具と釘さえあれば誰でも作れるだろ。ロープだけ買って人数分作って
もらえ、昼食の時、地面に直接座るのはちょっとな・・・それと、材料余分に
置いてるからテーブルも作れば良い」「へい、わかりやした。」
「たぶん、野営のつもりで準備してたんだろ。下手したら肉は塩漬けの肉かな?」
「旦那には敵わねぇ、その通りでさぁ」
「おいおい此処は街中だぞいくら何でも塩漬け肉は無いだろう、どこかの食堂で
食いに行った方がましだぞ、主人に恥をかかせるな」
「しかしGランクの奴らならこれでも贅沢なんです。」
「お前はGランクの子供の事しか頭に無いだろう?言ったはずだ食事はみんなで
作れと確かにミーナと作れと言ったが他の人間を使うなとは言って無い
母家の物は当てにするなと言ったがミーシャと交渉しろとも言ったはずだ
ヒントは与えている。ボンドさんもいるんだ塩漬け肉だけと言うのはは却下だ
少なくとも3品は出せ俺が作るとどうも過剰になるからお前に指示したんだ
釜戸があれば煮る、焼く最低それだけは出来る言っておくが反則はしたが
お前達と同条件で食材の確保と今日の材料作成をしたぞもっと考えてくれ
それがお前達に与える課題だ」「へいわかりやした」
「塩漬け肉を今、持ってるか?「へい」じゃ、出してくれ」「へい」
塩漬け肉を収納して塩だけを80%『抽出』取り出し、少し切って味見
「まだ塩辛いな」再度『抽出』再度、味見「これぐらいで、どうかな?
ボルド、味見してみて」「へい」ボルドの目が変わった。
「ましになったろ。錬金術で塩を抜いただけ、なんだ。時間は掛かるが
これを水に浸けて塩を抜いて味をみて適度な頃合いで水から取り出し
水分を抜き焼いたら出来上がり、たぶんその収納袋だと1年は持つと
思うよ。此処では、塩漬けから先の工夫がないんだ。俺の故郷じゃ塩漬け肉
なんて誰も食べないし、存在も知らないと思う。その先にあるものが普通
だから、言っておくが明確なスキルなんてものは無いよ。経験と創意工夫
だけで、先達は塩漬け肉の先を作った。技術は公開され現状に満足するなと
先達はそう言って後進に未来を託す。その繰り返しで技術を突き詰めたんだ。
技術は秘匿されると発展は難しい。此処では技術は秘匿され個人がそれに
固執してしまう。周囲はスキルや才能が有るからなんて思う。出来ないことを
スキルや才能のせいにして目を反らしているだけ、自分達の創意工夫が無いだけ
なんだけどね。ここにいるみんなはそうなって欲しく無い。ただそれだけ
俺が出す課題に耐えられなくて、嫌でたまらないのなら何時でも言ってくれ
解放して自由にするから、みんなには言って無いけどギルドカードの入金は
退職金の前渡しでもあるから。頑張ってね、訓練は存分に強いてくれて構わない
人に努力を求める以上俺もやらないとな。愚痴は言うと思うがね」「旦那・・」
「訓練の時間です教官、指示を」
「訓練中は教官として接します。
庭の芝生の周囲を全力で体力が続く限り走れ!」
「yes sir!」「おい、ミーナもう2時間になるがスピードが衰えねぇ」
「若は相当レベルが高いね。あたい達でもあのスピードで走ると
そろそろバテる頃だよ。それに見て、徐々にスピードが上がってきてる。
基礎体力のスタミナは十分だね」
森での生活は魔獣との死を賭けた鬼ごっこだった。
足元も悪く片時も気を抜けない
そんな日常を3ヶ月も続けていた。それに比べると全力とは言え足元を気にせず
ただ周回するだけのランニングはセイにとっては楽だった1時間もすると退屈に
なり自分にとって楽な姿勢を模索してたらスピードも上がったそんな時
「あと1周でランニング終了」「yes sir」
「若、鉄か鋼の両手剣持ってますか?」「持ってません」
「ロングソードは?」「持ってます」
「ロングソードを両手で持って、あたいが良いと言うまで素振り。見本はボルドが
します。それを真似て、始め!」「yes ma'am」「ボルド見本やって!」
素振り始めて30分ボルドの動きをトレースしながら素振りを行った
自分の動きとボルド動きを重ね修正して行く「その動きでもっと速く!」
「yes ma'am」振り降ろす剣の速度を速めると剣先がぶれ、バランスも乱れた
同じ動作を繰り返し修正して行くやっと、ぶれが収まった頃
「若、時間です。訓練終了!」「Thank You ma'am」
「おい、わずか1時間で形になったぜ。スゲー!」
「ああ、なったね。最初は素人同然の素振りだったのに・・末恐ろしいね」
「若、上出来です。今の感じを覚えてて下さい」
「わかった身体に覚え込ますよ。ミーナ達はボンドさん達の食事の支度を
俺は従魔達に食事を与えてから母家に行くよ。お疲れ様」
『みんな、おいで食事だよw』5枚の皿を取り出し各々に肉や人参と林檎を
皿に載せ与えた2匹の仔猫にも薄めたミルクを与え胃の中の空気を出して
母家に向かった。
「これ捌ける?」「すいません魚はぶつ切りにしかした事がありません」
「じゃ、見てて。まずは、鰓をとってナイフの背で鱗を取る。次に腹を切って
内臓を取り出す。順番は逆でも良い。内臓と鰓と鱗を新鮮なうちに素早く
取り除く事が重要だ傷み易くなるから「はい」次に頭を落とし背中に
切れ込みを入れてこうやって背骨に添って身を骨から剥がす片側も同じ
骨と頭は捨てないでね。出汁取るから「はい」腹の部分に大きい骨が有るから
切って落とすこんな風に、それから身の中に大きい骨があったら抜くそして
皮を剥ぐ。これを三枚下ろしと言います。骨を抜いたら身を適当な幅で斜めに
切っていきます。布で水分を抜いて塩、胡椒で味付けして小麦粉をまぶします
あとは、バターで焼くだけ鱒?鮭?のムニエルです」
「骨と頭は適度な大きさに切る。頭は大きいから縦に割るこれを塩で味付けして
焼いても良いし鰓を取り除いた部分、かまと言いますがそれを切って塩で
味付けして焼くのも良いジュディ頭は置いとくからクリスと調理して賄いに
使ってかまは1匹に2つしか無いから調理した者の特権だ焼いて食べると
いいよ。「「はい」」骨だけど適当に切ってそのまま鍋に入れても良いけど
味噌が無いから骨を焼いて鍋に入れて少し煮込んだら骨はお役ごめんだ仔猫達
大きくなったらあげると良い後は何時もと同じ肉野菜を入れて煮込んで
塩、胡椒で味を整え完成だ」『味噌が欲しい~』
「恐らくこの魚、解体スキルあれば3枚に下ろせるよ練習したいのならまずは
小さな魚からすれば良いから市場に行って食卓に乗せれば良い」
昼食が終わり、クリスと警備のチーム4名と従魔達、シルビア、ハルカと
護衛3人で冒険者ギルドに向かった




