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プレゼント

作者: 五月 花

仕事が終わった後,男と女が食堂に来た。

男は落ち込んでいて,ビールを2杯飲んだら,隠していた憂鬱が少しずつ開かれた。

生活のプレッシャーや職場の理不尽への愚痴を口にし始めた。

女はただ黙って,静かに聞いていた。

あの水のような優しさが,そっと男の体の傷を癒していった。

3杯目のビールが運ばれてきた時,女はやっと握っていた封筒を渡した。

男は思い出せなくても,女は前もってヒントをあげたりしない。

「二十周年のプレゼント,受け取ってください。」

封筒を開けた瞬間,男の心がさらに辛くなった。

男の顔に出ていた申し訳なさが,女にははっきりと見えていた。

歳月が女に十分な勇気を与え,今日やっと決心ができた。

「仕事辞めよう!」

男は信じ難い出来事で一瞬にして彫像のように固まった。

「一生懸命働いたのは今日のためだ。」

女の揺るぎない態度が,男の心の中に火を燃やした。

男は航空券を握りしめ,力いっぱいでクシャクシャの紙くずにして,灰皿に捨てた。

捨てたのは航空券なものか?

男の夢だ!


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