コポジット・ライト
「りゅうへーい。準備できた?」
朝ごはんを食べて元気いっぱいのミカエラは龍平を呼ぶ
「朝からそんなよく元気だな。さっきからニヤニヤと。どうしたんだ?」
朝から何かミカエラの様子がおかしい。昔の友人に会うからにしたってここまで俺のことを見て笑わない疑問に思った龍平は聞いてみる「俺なんかしたか?」しかし、ミカエラもこう返してくる「あとで教えたげるよ」
このやり取りを永遠と続けても誰も得をしないことを悟った龍平はおとなしく笑われている。
「うぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
ひとりで残りの用意を済ませ、窓を開けて叫ぶ。
「誰がうざいのかしら」
恐怖だった。そして同時に、本人に聞かれた!と思ってしまった。
「へー、私に聞かれて何かまずいのかな?」眉毛がぴくぴくしている。どうやらミカエラは怒ると眉毛がぴくぴくするようだ。
殴られる!?と身構えた龍平だったが「行くわよ、今また気絶されると運ぶのめんどくさいし。用意終わった?」
「あ。あぁ」呆気にとられた龍平は素直に階段を下りていくミカエラの後をついていった。
「龍平ちょっと待って」
「ん?」
「よし!龍平、鍵も書けたし行きますか」
そういったミカエラの前にあるローグディア家の豪邸の豪華な大きな玄関にはその玄関を覆うように複雑な文字列の書かれ、複雑な模様が描かれた小さな魔方陣がいくつも複雑に組み合わされ、それをまとめた大きな魔方陣が光っていた。
「なんだよ、この魔方陣は」
「あー言ってなかったわね。一応私魔法は得意だから。普通の魔法をアレンジしたやつだよwえっと、私は、複合魔法って呼んでるわ。普通の人じゃできないから、龍平も練習しても使えるかどうかわかんない」
「なんだ、使えないのか。それでこれでほんとにこれで大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、何かあればすぐに知らせてくれるし、そこに転移もできて、その間には大量の攻撃魔法が発動するし。何よりまず来ないし。来客…」
「すまん。」
そりゃそうだ。よく考えればここは山奥にあり、何よりもうすでに没落したローグディア家の屋敷だ。何もない。
「なんか今すごい失礼なこと考えられた気がするんですけど。とりあえずこの森を抜ければ馬車を借りられるから、そこまで行きましょ。」
「歩くのかよ。連れてってほしいな。その羽で飛んでとか。」
するとめんどくさそうに「えー、だってせっかくたくさん食べたのに。消化しちゃうじゃない」
「何時も食ってるだろうが!」間髪入れずに龍平が突っ込みを入れる。
「じゃあ、一つ交換条件。今日夜いけるとこまで行くから」
「ちょっと待て、いけるところまでって、そんな時間かかるのか?」
龍平の深刻そうな口調の質問にミカエラは「うーん。大体二日くらいかなぁ」
「もっと早くいえよ。すぐ着くと思って少ししか食べ物持ってきてねーじゃねーかよ。これ解除してくれよ。とってくるから」
「なに?これ解除とか滅茶苦茶時間かかるわよ?それこそ5日くらい。途中で馬車借りるときに買い込んでいけばいいじゃん。それと、私が飛んで連れてって言ってあげるから、ずっとあんたが隠してるトラウマ私に言いなさい。力になったげる。」
「は?力ってなんだよ。大体トラウマ..なんて..」
「歩けば8時間はかかるわよ、町に出るまで」
青ざめた龍平はしぶしぶ言った「わかったよ。いうからとりあえず。飛んでくれ…」
ミカエラの淡いピンクのふわふわした羽がピンと伸びる。「とりあえずおんぶしたげる。」
こうして、龍平の暗い過去がミカエラに語られようとしている。だが、そのつらい過去にミカエラはどういう力になるのかは、まだ誰もわからない。そして、この約束によって龍平はたった2時間で街に出ることができた。昼に出て、いろいろなものを買い込んだ二人が馬車を借りたのはもう夕方のことだった。
本当にごめんなさい。次回こそ、トラウマの正体が語られます。
書いていて、よく予定通りみんなかけるなと感嘆しています(笑)
ホントにどうやればそんなことができるんだ。
そしておそらくここで、総文字数10000字超えました。wこれからも続くのでよろしくお願いします。評価待ってますw