バーネストマギア
果たして龍平の過去は語られるのか。そして本当にここは異世界なのか?
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「ちょっと龍平!?」
いきなり何かにおびえ、泣き疲れてしまった龍平を膝枕していたミカエラは龍平がうなされていたのも見ていた。しかし。落ち着いたのを見て、自分も安心したのか龍平を膝枕したまま寝始めた。そして、飛び起きた龍平に気づき目覚めたド天然天使さんが、自分から言い出さない限り言ってはいけないことを言ってしまう。
「何かトラウマがあるのなら、言っていいよ。」
だが、まだ二人は出会って三日目だ。それもろくに会話をしていない。そんな状態で龍平が言うわけがなかった。
「何もないよwwどうしたんだよwいきなり別人みたいにやさしくなりやがってwww」
あっけにとられたミカエラは何も言えずただ正座をしていた。
そして、「ちょっと、なんで一回起きといてまた寝るのよ。しかも私の膝で」
「仕方ないじゃん。」
「え?」
「俺、寝室知らないし」
「あ、」
「だって俺、一回もここに飛ばされてからベットで寝てないしな」
そう冗談めかして言う龍平の顔は笑顔になっていたが、目はとても寂しそうな眼をしていたのをミカエラは爆笑していて気付くわけがなかった。
「それもそうね、とりあえず。外に出るのはこの家の部屋の説明をしてからねw」
「とりあえず、風呂入りたいから風呂の場所と、寝室の場所を教えてくれ。それだけで構わない。」
しかし龍平はもう笑って返す気力も残っていないほど精神的に疲れていた。しかし、そこに気づかなかったミカエラがさらにその心を突き放す。
「なにその言い方。ちょっと腹立つ」
しかし言った後にさすがのミカエラでさえもやりすぎたと思い、龍平の顔を見ると
「くっ!知ったことかよ!いいから教えろよ!」泣いていた。吐き捨てるように。
そのままミカエラに教えてもらった寝室に入り「一人になりたい」といい、ドアを閉めた。
しばらくミカエラはドアの外から呼びかけたが、それさえも龍平を気付つけることになっていることに気づき、龍平が元気になって寝室から出てきてくれた時のことを考えて精一杯ミカエラの作れる範囲の料理を食卓に並べ、龍平が来るのを待っていた。
ガチャッ、っという音とともに現れたのは目を赤くはらした龍平の姿だった。そして
「「さっきごめんなさい」」二人が同じようにお互いに謝った。
その瞬間少し龍平が笑ったことをきっかけに食事の合図だとばかりにミカエラが箸を持った。
そして、お風呂場だと言われてミカエラに連れてこられたのは。
「なんだよここは!」
「え?お風呂場よ?」
そんなことは知っている。だがしかし、今まで異世界感が全く…いや、空に浮かぶ島以外はなかったはずだ。だが、今ここで根本的なことを思い出す。
そう。今も目の前には天使がいる。そして天使がいるということは。
「そんなことは知ってるよ!なんだよこれは!」
そういって龍平が指をさしたのは、くるくると幾重にも回る幾何学模様の青と赤色の魔方陣だった。
「あーそれ?私が作ったのすごいでしょ」と胸を張るミカエラ
「いや、ナニコレ」龍平が聞く。
「魔法よ」ミカエラが答える。
「とりあえず。これ大丈夫なのか?危なくないよな?」
「あーそのことなら安心して。ただ、水を生み出して火系統の魔法であっためてるだけだから」
「とりあえず訳が分からん。魔法なんてあったのか?」
「あーそういうことね。」
ここでミカエラがようやく的を得たように、話し始めた。
「普通の基本の魔法には、大きく分けて、【水・火・地・風・雷・闇・天・幻・無】の九系統の属性があるの。」
「ふむふむ。よかったここは異世界だったのか。それでそれで?」さすがに中二病の龍平には大体予測ができていた。というよりないことを不思議に思ってたのをミカエラが知るはずもない。だがキラキラした純粋無垢な龍平の見たことがないような眼差しを向けられて、すっかり学校の先生になったような気分のミカエラはさらに話し始めた。
「よーし♪えっとね、それぞれこの九系統の属性はそれぞれ、魔方陣を設置した時点で色が属性によって違うから、どの系統化は見分けることはできるの。で、これは赤色と青色だから、火と水の属性の魔方陣なの。で、この中でも一時的な効果のものと、魔方陣が消されない限り効果がある、永続魔法があるの。そして、バーネストマギアの上位互換になるのが永久魔法なんだけど、対抗手段も生まれたからもう誰も使わないわね」
「俺にも何か出来そうなものとかあるのか?」
「んー基本練習すればだれにでもできるわよ」
「よし、ならその闇系統を教えてくれw」
「その前に、ちょっと臭いから本気でお風呂に入ってくれない?あと、お風呂ここ一つだけだから。早く出てきてね。私も入りたいし。お湯を入れなおさないといけないから」
ここで、龍平は重要なことに気づく。
「おい、ちょっと待て、入れなおさないといけないかr……ゴボゴボ…..」
「うるさい、早く入って。」龍平をお湯の中に落とすミカエラの図がここにあった。
龍平はこう思った。このBBA絶対やり返してやる。
その瞬間赤色の魔方陣が霧散した。そして、湯船の中は冷水で満たされたのだった。
その後何とか許してもらった龍平は何とか適温のお湯につかることができたのだった。
「この魔法便利だな。とりあえず永久魔法とか俺もできるのかな...」湯船につかりながらのんきにそんなことを考えていたが、改めてみるとこの風呂場...
すみませんでした。前回より文章量が少なくなっています。
これからも少し少なくなるかもしれないですが、ぜひ読んでもらえると嬉しいです。