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あの頃の風景 プロローグ  作者: ミクマリ
2/5

彷徨

鉛色の曇天の中、黒スーツ姿の人達が無表情で先を急いでいる。

時期は梅雨だが今朝の降水確率は30%で家を出る時には雨は降っておらず

私は傘不要と賢明な判断をしたつもり

しかし用意周到で先の事まで考えている普通の人達は皆傘を持っている

傘は先端が尖っておりその気になればいつでも殺傷能力の高い凶器となる

「気分が重い・・・」

私は独り言を呟きながら歩いている

天気が悪ければ気も沈むが私の憂鬱の原因は他にもある

「怖い、あの傘で私は誰かに刺されるかもしれない」

私は気分障害だと自分でも判断している

鬱病ならこんな風に会社に出勤は出来ないだろう

それなのに毎朝起きるだけでもかなりのエネルギーを必要とするのに

今日は周りには傘という物騒な物を持っている人達と

同じ電車に乗らなければならないと思うと尚更気分も重くなる

駅に向かう私の足が心の重さを表している

「今なら会社に電話してズル休みも出来るけど・・どうしよう」

相変わらずの人工的な街並みは今にも泣き出しそうな天気にも関わらず

何の表情もない

「寝不足だから余計に気が滅入るのかな・・・」

昨日も変な夢を見た、毎日同じように繰り返す夢の中での出来事

私は鋭利な刃物で殺される



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