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世界の終わりに捧げる詩(うた)
目を開けば
朝の木漏れ日が
カーテンの隙間から差し込んで来る早朝
あの人に会いたいと願う思いをそのままにベッドから立ち上がる
だけど目の前に広がったのは一面の赤
突然……なんの前触れもなく……ただ、突然に広がった赤
それは炎の赤
この世を……自分の世界を終へと導くただ純粋なる破滅の情景
何故?私は思う
どうして?私は叫ぶ
一体なんでこんな事に!……私はその時その瞬間、我を忘れた
事の起こりの前夜
窓際に飾ってあった花瓶
その花瓶の奥に立てかけてあった黒い壁掛けポスター
焦点の定まった太陽光がその役目を果たし
火種から燃え移った破滅の光が、私の世界を赤で塗りつぶす
そう……これは私の願いを叶えてくれた神の悪戯
美しいあの人の体を映したポスターを
危険な場所に置いた私の浅はかな
知恵を悔やめと齎した
一生に一度の尊い教訓
そしてその教訓を学んだ私は
晴れて天国のあの人に
会いに行けると喜び笑う
後に残るは近所の悲鳴と家族の悲嘆
火元用心科学の知識は大切に……