俺はアル中患者?
本日2投目
リュウは立派なガキ大将に育っている。
店の手伝いは午前中だけ、午後からは町中を同年輩の子供たちと飛び回っている。
仲間との絆、それがいずれ彼の財産となるだろう。
息子を頼もしげに眺めるアイシャの笑顔を見ると俺まで嬉しくなってくる。
俺は開拓地の仲間やすべての絆を振り切るために、敵国ゴルドバロウ帝国へ足を向けた。
基本的に同じ言語だし、帝国の通貨もある。
帝国貨幣は豆の代金の代わりにパロス兵から受け取ったものだ。
彼らがどこで手に入れた、いや強奪したかは俺は関知していない。
関所には俺と同じくたびれた服を着て荷物をいっぱい背負わせたロバが検問の順番を待って並んでいた。
「そやつを捕らえろ!」
その声を聞くや否や俺の前で審問を受けていた男が剣を抜いて暴れだした。
出口の前に立っていたのは次の番の俺。
細身の平凡そうな男は鬼の形相で俺に向かって片手で剣を振りかぶる。
アドレナリンがどばっと分泌されて男の動きがスロー再生の動画のように見えた。
もしかしたら真剣白刃取りが出来るかも、とか余計なことを考える余裕さえあった。
左手で男の剣を持つ手をつかみ斜め下へ引き降ろし同時に右手で男の左肩を押し体をひだリにひねって頭から投げ落とす。
俺が後ろへ飛びずさると代わりに関所の兵士が飛び掛った。
そのまま背負ったリュックの重みで見苦しくしりもちを付く俺。
最後はやっぱり締まらんなぁ。
ひっくり返った俺の首筋に兵士の槍が付きつけられた。
「あやしいやつ!!」
この世界に投げ技なぞ使うやつはいない。
思いっきり怪しく目立ってしまった。




