raven Venus
お題:急な冒険 制限時間:15分
前半、少し日本語がおかしかったり一字下げをしていなかったので、そこはいじっていおります。
ラストが尻切れ状態ですが、即興ですのでお許しをば。
”つまらない”
授業中だというのに、黒板に書かれたこととは別なことを、一番前でノートに書く少女。
一番前なので、その文字は控えめに小さい。
あぁ、大きく書きなぐれたらもっと気持ちがスッキリするんだろうなぁ。少女は、心内でぼやく。
授業は上の空。シャープペンを握りながら、視線は既に黒板にはなく、外を見ていた。
蒼い空。白い雲が点在している。カラスらしい黒い鳥が一羽、飄々と羽を広げている。
私も飛べたらいいのにな。もっと自由に。やりたいことだけをして生きたい。受験なんてなんの意味があるのか見いだせない。やはり一番前、というのを気にしてか小さな溜息をついた。
「え?」
空を見ていた少女は思わず、静かな教室内に声をあげてしまった。後ろから、前から、視線が痛いほど集まっているのを感じながら、外の景色から目が離せなかった。
少女が見つけた一羽の黒い鳥が、どんどん近づいてきているのだ。
「どうしました? 水月さん」
教師の冷たい声が少女、水月に降りかかる。
「え、あ、あの」
教師も水月の視線に気付き、窓の外に目をやるが、特になにもない、と言わんばかりに表情は変わらない。
「いつまでも外を見ていないで、授業に集中しなさい」
再び、冷たい声を浴びるも、水月は視線を外せない。
大きな黒い翼を広げ、金色の目をした巨大な鳥が今、窓の外にいるのだ。
トレーニングページでは「レヴィン ヴィーナス」になっていましたが、発音を日本語にするとちょっと違う感じでしたので、英語表記にしました。
※私自身英語がものすごいできないので、この単語の組み合わせおかしいよ、と思いましたら遠慮なくご指摘ください。
2013.7.27頃トレーニングにアップしたものです。