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駅
「くしゅん!!!」
誰もいない駅のホームに
独身の25歳、高校生の時に好きになった
夏樹に今も恋している、
優子のくしゃみが響き渡る。
「なっちゃん・・・元気かな・・・」
優子が呟く。
顔も性格も人より良く、
告白されるけど、
全て断るのは夏樹が好きだから。
好きで好きで好きで大好きだから。
なっちゃんは、今なにしてる?
元気してる?
駅のホームで一人涙を流す優子。
電話もメールもLINEも手紙も、
全部繋がらないのは私を嫌いになったから?
「なっちゃん・・・」
優子は、今日で故郷を離れる。
仕事のために上京する。
もう…
会えないんだね…
ふと、夏樹と出逢った夏の日を思い出す。
苦しくて切なくて甘酸っぱい夏の日を…