表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自傷少女

作者: せにらん

メンタル要素が強く含まれます。ご注意を。

皮を削るんです。ぎーこぎーこ、と。


痛み?ですか?そんなの感じないくらいの痛みが心にあったんです。私は、ふいに笑ってしまいました。だって、心が痛かったから皮を削るなんて到底おかしな話でしょう?


どうして心が痛いのかって?失恋?そんなものしてないですよ。誰かに傷つけられたからじゃないんです。誰かが亡くなったとか、悲しい出来事があったわけでもないんです。ただ、ただ私の中の羞恥心が耐えられなかったどうしようもなく幼稚な出来事があっただけです。


普通は切るそうですよ。世に言うリストカットってやつです。ただ、私にその言葉を言ってはいけません。なぜなら私はまだ、リストカットという言葉を知らないから。私はまだ、後戻りできるんですよ。


皮をカッターでひたすら削り、血が滲む。やがてヒリヒリした淡い痛みが腕を襲います。


それでも私はまだ後戻りできるんですよ。だって、自分が狂ってるなんて微塵も思ってないんですからね?明日からだって、私は腕に包帯巻いて、何食わぬ顔で友人に、転んじゃったとウソをつくでしょうし。


カッコ、笑、です。


ダメですよ?このこと、私に悟られたらきっと私を壊してしまうでしょう。だから、悟られてはダメですよ?


カッコ、笑、です。


「ニシヤマミカさん」


じゃ、呼ばれたから行かなきゃです。白い空間は好きですが、医者に会うのは毎度のことながら緊張してしまいますね?


「ニシヤマさん、また自傷行為しちゃったのね?じゃあお薬、変えてみましょうか」


「先生、私変なんですか?」


「その質問はしない約束でしょ?はい。じゃあ二週間後にまた来てね」


実に短く淡々としたやり取りはいつものこと。私は、きっと今夜も皮を削るでしょう。そんなこと、誰にも言えません。


そうして時も実に淡々と過ぎていくのです。私が薬漬けになるのも時間の問題ですね。


カッコ、苦笑、です。


ある意味ノンフィクションなのはここだけの話。(苦笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ