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ありきたりな話

作者: MG
掲載日:2026/09/18

『ドアが閉まります、ご注意ください』

ギリギリで閉まるドアに駆け込んだ僕は、膝に手を置き息を整えた。


あっぶね〜これ乗れんかったら、動画のアップの時間に間に合わんかったー


僕は、その辺にいる学生である。

今日は、好きなユーチューバーの動画の更新日で、この電車に乗れなかったら軽く絶望するところだった。

息を整え、周りを見る。少し早い時間の電車に乗ったが、席には座れなかった。

少し残念だ。


すると、隣からウブウブと泣き出しそうな声がした。

そっちを見ると、ベビーカーに乗った可愛らしい赤ちゃんがいた。お母さんもいる。

お母さんは、ミルクを用意していた。

だか、お母さんは立ったまま、ミルクを用意している。

もちろん電車は動き出し、結構揺れている。

ペットボトルの水でミルクを溶かそうとしているが、揺れる電車の中では水をこぼしてしまいそうだ。

赤ちゃんも泣きそうな顔をし始め、お母さんは焦っているように見えた。


何か、できること…


なぜか僕も焦り出す。

すると、席に座っていた1人のお兄さんが、立ち上がって

「席、変わりましょうか?」

と、お母さんに声をかけた。

「え?いえいえ、大丈夫ですよ」と言っていたが、すかさずお兄さん

「色々お荷物とか大変そうですし...」

「えと…じゃあ」

と、言う風に席を譲った。

お水持ちますよ、などと色々な手助けをしつつね。


かっこいいな


ただただ、そう思った。

僕にも何かできないかな?

なんて思っていたら、次の駅に着いた。

すると、僕の目の前の席がひとつ空いた。


とりあえず座ろ。


そう思い、腰を下ろす。

と、ここでひとつ思いついた。


あ、さっきのお兄さんに席を譲ろう。

うん、それがいい。


席を立ち、さっきのお兄さんに「席座りますか?」と、声をかけた。

「え?いやいや、いいよ」

「いやでも…」

「いやいや…」

「いやいや…」

なんて、日本人的なことをしていると…

ストンと、僕の座っていた席に、おじいさんが座った。

「僕より、座るのにふさわしい人が座ったからいいよ」

と、一旦落ち着いた。


そして、次の駅に着いた。

そこで、お兄さんは降りるそうだ。

「学生さん?」

「あ、はい」

「勉強頑張ってね」

「はい!」

と、まあこんな感じで降りて行った。

すると、あの赤ちゃんのお母さんがこちらを見てきた。

どうやらこのやりとりを聞いていたようだ。

赤ちゃんの方を見るとニコニコご機嫌顔だった。

僕は、小さく手をふった。



僕は、まだ先の駅なのでドンブラ乗って行った。

こんなのは、話を書くのなら、ありきたりな話だろう。

だが、これが当たり前の話になればいいと思う。

電車の中で、赤ちゃんが泣いているとみなさんはどう思いますか?

僕は、「ああ、こんなこと俺もしたんだろうな…」って思っています。

そう思ったら、なんか優しい気持ちになれます

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― 新着の感想 ―
よく考えたら自分もこういう状況に出くわすことがあるなぁ。 この主人公君のような考え方ができるようになりたいなと思いました。ほっこりしました!
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