君に捧げる特製スイーツ~初恋はレシピ通りにはいかないけど~
xで書いていた短編です。
調理部所属は、男子はオレ一人。
スイーツを作る率が超高い。
女子の中でめちゃくちゃいじられながら、日々スイーツづくりに勤しんでいる。何でかと言うと。
「腹減ったー!」
部活終わりにオレの作ったこれを狙ってくるこいつが居るから。
サッカー部が終わるのを、グランドへ降りる階段で待ってると、解散してから走り寄ってくる。
そもそも帰宅部でいいやーとやる気のなかったオレに、調理部入ってスイーツ作ってよ、と、こいつが言ったから、入ったんだし。
――大好き。会った時からずっと。
甘党なのも昔から。
「甘くないけど美味しいスイーツ」を研究してるという部だった。入部動機は全部こいつのため。
ずっと大好きだけど、まさか言えないし、うまくいく訳ないし。
だから、オレが作ったもの、おいしいって、食べてくれるだけで、嬉しいなと思ってる。
「家で作ってくれてもいいけどなー?」
「家で?」
「そう。一緒に暮らすとかさ」
「オレと? 一緒に?」
「そう」
……スイーツのために??
うーん、もう、なんか。嬉しいような、好きすぎるから微妙なような。
「スイーツ作ってくれる女子と、付き合えばいいじゃん」
あ。また言ってしまった。ついつい、思ってないこと、普通の友達ならこう言うだろうなと思うことを、言ってしまう。
――間違っても、好きなんて、バレないように、予防線。
「何でだよ。お前が作るのが、うまいのに」
あ。また、この感じ。
いっつも、オレの予防線に対して、すごくうれしい返事を返してくれる。
本気にするわけじゃないけど。
……いつも嬉しいこと言ってくれる、優しいとこ、めちゃくちゃ好き。
「ごちそーさま」
「うん」
「帰ろっか」
「ん」
立ち上がった瞬間、膝に乗せてたラップが落ちて、あ、と掴もうとした瞬間転びかけて。とっさに、抱き止められた。
慌てて、ごめん、と、その腕の中から起き上がろうとすると。
ふ、と笑われて、こころなしか、ぎゅ、と抱き締められた。
――ん?
「いーにおい、お前」
至近距離で、微笑まれる。
「……え? ……???」
「甘い匂いする」
「……作って、たから??」
ドキドキドキドキ。心臓が、速い。
「さあ。いつもいい匂いするけど」
クスクス笑いながら、少し離される。
「帰ろ?」
ちょっと照れたみたいな笑顔で、オレを見つめてくる。
「……いい匂いって……」
もー。ドキドキしちゃうだろ。もうもう。困るんだよ、ほんとに、もう。
「ずーっと作って、ずーっと。オレのためにさ」
「……ずーっとって?」
「死ぬまで?」
「……考えとく」
「ん」
クスクス笑うこいつに、何だかよく分かんないけど。
ずーっと、作れたらいいなと思ったり、する。
Fin
◆◇◆
読んでくださってありがとうございます。
この二人に名前を付けて、1.2万文字のお話にしました(´∀`*)ウフフ
君に捧げる特製スイーツ
~初恋はレシピ通りにはいかないけど~
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