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(後書きのようなもの)

 ――人々は、夜の中へ散っていく。その星の見えない澄んでいる空気の闇に、いつでも、意識は白に溶けていく。すべてが、覆われて、気がつけば、いつも見えるのは、白い蛍光灯、白い壁、どこまでも続く廊下、階段。彼は、そこにいるのに、いなくて、周りが勝手に、動いている。同じ場面を、ただ、繰り返すだけの夢。その場面が進むたびに、原因と結果の情報が増えていく。けれども、だからと言って、何一つ、理由が分かることはない。単なる事象と言うものは、理解しようとしても、それだけでは、できないもの。同じ夢を、ただ繰り返しているのだから。


 後何回、くりかえせば、この悪夢から、目が覚めるのだろうか。

 繰り返されるその夢の中にいる間は、感情はなく。気がついた後も、それがどんなに恐ろしい夢であろうとも、思ったほど何も感じていない。緩やかに死んでいるかのように、淡々と。働かない感情。

 ――あぁ、そうか。彼はまだ、夢の中にいるんだね。今だに、そこに残っている。


 僕は、彼なのだろうか。彼が、僕なのだろうか。

 そもそも、今、見ている意識は、夢を見ている持ち主のものだろうか。彼が、この夢を見ているのではなく…… 誰かが見ている夢の登場人物に過ぎないのではないだろうか? だとすれば、夢の登場人物に過ぎない僕らは、自分の意思で覚めることはできない。


 誰が、誰が、だれが?

 夢を見ている本人が目覚めないかぎりは……


 だれが、夢を見ているのか。

 ここにいないモノが、見ている。


 ――夢を見ている君が、気がつくまで、この夢は覚めないのかもしれない。

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