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(前書きのようなもの)
ただ、白い壁の前にいることだけは確かで、それだけは、はっきりと、覚えている。
人物は出てきても、それらは単なる無機物。人々がざわめいても、それは、木々の囁きと同じで、単なる背景の音でしかない。まるで昔に描かれた絵のように停滞していて、単なる移りゆく場面の一部なんだと思う。
主人公は、存在しているようで、その話の中には、存在していない。
何か始まるようで、何も始まらず、それは、終わることもない。
しんしょうふうけい、しゅーるれあにずむってやつ?
不可解で不条理な世界。
こういうの、自己満足に走りすぎて、読者が置いてけぼりって言うんだね。
そう言うのが苦手な人は、戻るボタンを襲う。
そうするのが、いゝ。