表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

家のなかに居過ぎると逆に外に出たくなくなってくる。

今日は午前授業のため、始業式とLHRだけで終わりだ。

HRが終わり。帰りの支度をしていると、


「歩、帰りにラーメン食って帰ろうぜ!」


と大我が誘ってきた。特に予定はないので、


「いいよ、どこにする?」


と二つ返事で了承し、教室を出る。

ちなみに森本くんたち3人は、体育館使用の部活で午後に行われる入学式の準備をするらしく、もう教室にはいない。


大我と2人で昇降口まで行ったあたりで、後ろから誰かがこちらに走る足音が聞こえて、振り向くと紗希が怒った顔で僕に話しかけてきた。


「どうして、待っててくれないの⁉︎」


「えっ⁉︎」


紗希から放たれた予想外の言葉にびっくりしてしまい、一瞬何を言ってるか分からなかった。

朝の紗希との会話を思い返してみるが紗希と帰る約束はしていない。

それに僕たちが教室を出る時、まだ教室には結構人が残っており、紗希も友達であろう女子数人と話していたのだ。

てっきりその女子達と帰るかと思っていた。

すると紗希は怒った表情のまま、


「彼女が教室にいたら待ってるのが普通でしょ!せめて声をかけてから出て行ってくれないと困るじゃない!」


「そうかな?」


「そうなの!いつもは歩は部活で私と一緒帰れなかいんだから、今日くらい一緒帰ろうとするでしょ!」


「でも約束とかしてないし...」


「約束するしてないの問題じゃなくて、一緒に帰るのは決定事項なの!分かる⁉︎」


「えっ、でも...」


「でもじゃない!分かった⁉︎」


「...」


押し切られる様に一緒に帰ることを決められてしまった。

大我と約束をしてしまっているんだけど、どうしよう。

困った顔で大我の方を見ると、紗希の勢いに驚いたのだろうかアホな顔して紗希の方を見ていた。

どうしたものかと悩んでいると、紗希の怒りはまだあるようでさらに捲し立ててきた。


「っていうか歩、なんで教室で話しかけてこないの?私、ずっと話しかけてくるの待ってたんだよ。去年は違うクラスだったから学校で話せないのも我慢したよ。なのに、なんで同じクラスになっても話しかけにきてくれないの?そんなに私と話すのがイヤ⁉︎」


「ごめん。そんなつもりはないんだ。ただ...」


「ただ、なに?」


「僕と紗希が話しているの周りが見たら、変に思われないかなって思って。」


「なにそれ⁉︎そんなの関係ないでしょ!私は教室でも歩と話したいの!」


「でも、さっきまでクラスの女子達と仲良く話してたし...」


「それはそれ、歩は別よ!」


「女子の会話の中に入っていくのはちょっと...」


「歩はそんなに私と話したくないの⁉︎」


「そんなことはないけど...」


「じゃあ、明日からはよろしくね!」


どうやら教室内での僕の行動が紗希には不満だったらしく、これまた押し切られる形で決められてしまった。

紗希はよくこんな感じで僕への不満を勢いよく言うことで、僕に行動を強制させることがある。

僕自身、紗希に思うところはあるが、それ以上に紗希を怒らせる様な行動をとってしまう自分を情けなく思い、言い返すことができない。

僕たちが付き合い始めたのは中学卒業のあたり。その頃は紗希も怒る様なこともなく、普通に話しかけてきていた。

しかし、最近では今みたいによく怒られている。

僕の行動は紗希にとっては不満に感じるのだろう。

学校でも人気者の紗希の彼氏が及第点以下の人間じゃ彼女の顔も立たない。

紗希が怒るのも分かる。

彼女に見合わない存在である自分を情けなく思い、そんな自分を呪った。

彼女に対する後ろめたさを感じ、俯いていると、この状況に気を利かせた大我が言葉を発する。


「俺やっぱ、優吾たち待ってる事にするわ!

 悪りぃな。」


こういうことをするあたり、やはりこいつモテるんだろうなと思う。


「僕こそごめんね。一緒に行くって約束してたのに。」


「いいって!じゃあ俺体育館行くから、じゃあな!」


「ホントごめんね。また明日。」


そう言うと大我は、颯爽と昇降口から走り去ってしまった。

大我にも紗希にも悪いことをしちしまったなと思い、「ほんとダメなやつだ」と心の中で自らを罵り、反省する。


そんな僕に紗希は、


「ねぇ、突っ立ってないで早く帰ろうよ。」


と呼びかける。


「あぁ、ごめん。」


慌てて自分の靴を履き、彼女の少し後ろ側を歩く。

紗希の隣にいる奴がこんな野暮ったい見た目では紗希も恥ずかしいだろう。

せめて彼氏と思われない様、少し間を開け俯きながらついて行った。


紗希がこの時、僕の手を握ろうとして手を出していた事にもダメな僕は気づくことは出来なかった。

お読みいただきありがとうございます。

評価のほどよろしくお願いします。、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ