表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中  作者: 永瀬さらさ
第八部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

460/476

39

 薄手のマントの紐が結ばれたところで、扉を叩く音がした。黒槍を手に取り、フェイリスはマントを翻して振り向く。始まったのは、わかっていた。


「フェイリス様。ルーファス様が、しくじったようで。ちょっと早いですが出発です」


 苦笑い気味だが、ロレンスは少しも困っていそうではない。


「お父様はどちらに?」

「最前線におられます。たぶん竜妃が出てるんじゃないかな。今のうちにお願いします」


 頷き、歩き出した。最後尾にいるこの船の甲板には、魔力強化の魔術が描かれている。アルカから奪ったろくでもない魔術のひとつだ。魔力の消費と兵の消耗を考えれば何度も使えないが、その魔力もアルカから補給しているのだから本当にろくでもない。

 でも竜帝を斃すためなら――愛のためなら、すべて許される。


「まずは竜帝を引きずり出してください」


 黒槍の底で、甲板を叩く。女神の魔力を吸い取った魔法陣が、天に向けて輝いた。





 海の向こうで輝いた魔法陣を見て、ああ、とラーヴェは溜め息のようにつぶやいた。器が、視線を向ける。


「何、あれ」

「古い魔術。魔術強化だ。使ってんのは女神だな」

「ぎゅう」


 不愉快そうに足元で金目の黒竜が鳴いた。ハディスが抱き上げる。


「行こうか」

「行くしかないかあ」

「しょうがないよ。守りたいものがたくさん、増えたし」


 それはいいことだ。金色の目を細めて、ラーヴェは笑う。

 そう、この世界を守らねばならない。そのために理は、自分は在る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
実は、アーベル・デ・ベイルは、生きていますなんてならないかなと期待しています。
一人のための全て vs 全てのための一人 かな そして小狸 vs 老狸 だ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ